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2009年06月14日

始原人類の婚姻制について~課題の中間整理と今後の展開

テーマ『始原人類の婚姻制』の追求の一環として、前回の『課題の中間整理』を受けて、食性・二足歩行の謎・洞窟生活や自然環境・外敵状況などの解明に取り組み、過酷な外圧状況に置かれた初期人類がどのように適応してきたかを追求してきました。
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これまでのまとめと今後の追求のキープランとして、yidakiさんが作ってくれたのが左の「人類進化の系統樹図解」です。
まだまだ追求途中ですが中間整理として、「初期人類は骨を食べていた!」シリーズ以降の記事の概略を人類の進化過程ごとに整理し、今後の追求の方向性をまとめてみました。

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<猿人段階>(約700万年前~200万年前(一部150万年前まで))
足で枝を掴むことが出来なくなったカタワのサル=人類は、樹上に棲めるという本能上の武器を失った結果、創造を絶するような過酷な自然外圧・外敵圧力に直面し、残された共認機能を唯一の武器として、自然外圧・外敵外圧に対応。
食料確保のため、他の動物がほとんど食べることがない(競合が少ない)「骨食」というニッチをみつけ出し生き延びる。また、主食の骨食への転換は、骨を叩き割るための石を常時手に持って移動する必要を生み、それが二足方向へ移行を促すことになった。
この段階では、脳容量は平均で約400cc前後と現生チンパンジー並で、まだ石器の使用は始まっていないが、エネルギーが高い骨食というニッチを見つけ出したことで、脳の発達の促進の可能性が開けた段階。
『初期人類は骨を食べていた!』シリーズ
初期人類は骨を食べていた!vol.1
初期人類は骨を食べていた!vol.2
初期人類は骨を食べていた!vol.3
初期人類は骨を食べていた!vol.4
初期人類は骨を食べていた!vol.5<番外編>
初期人類は骨を食べていた!vol.6<番外編>
初期人類は骨を食べていた!vol.7
初期人類は骨を食べていた!vol.8
初期人類は骨を食べていた!vol.9(ヒトとサルの足の構造)
初期人類は骨を食べていた!vol.10(主食をめぐる様々な仮説紹介)
初期人類は骨を食べていた!vol.11(骨猟仮説紹介)
初期人類は骨を食べていた!vol.12(直立二足歩行に関する仮説紹介-1)
初期人類は骨を食べていた!vol.13(直立二足歩行に関する仮説紹介-2)
初期人類は骨を食べていた!vol.14(直立二足歩行に関する仮説紹介-3)
初期人類は骨を食べていた!vol.15<初期人類の知能>
初期人類は骨を食べていた!vol.16<初期人類はどこに住んでいたのか!>
他方、大型肉食動物などが襲ってきても、まともに戦える武器はなく、木に登り逃げることもできない人類は、過酷な外敵圧力にさらされる。捕食者される側として外敵の恐怖に怯えつつ「洞窟」に隠れ住むことで何とか生き延びた。
初期人類の置かれた外敵圧力(1)~化石証拠から探る
初期人類の置かれた外敵圧力(2)~「狩られるヒト」
初期人類の置かれた自然外圧(1)~現在のアフリカの自然環境から
初期人類の置かれた自然外圧(2)~500万年前のアフリカの自然環境から
洞窟に隠れ住んでいた初期人類たち(1)~スタークフォンテン洞窟
洞窟に隠れ住んでいた初期人類たち(2)~スタークフォンテン洞窟、300万年前の状況はどうだったのか?
<原人段階>(約200万年前~25万年前(一部4万年前まで))
ホモ・ハビリス、ホモ・エレクトス(ジャワ原人・北京原人)など
約250万年前、寒冷化→乾燥化→動植物の減少から食料不足の状況の中、大きな脳と石器を使う人類(ホモ属)が登場。脳容量平均は約600cc~900cc前後まで増大。ホモ・ハビリスから石器の使用が始まったと考えられている。
道具使用はチンパンジーでも可能なことから、道具使用は共通祖先段階で獲得した共認機能(≒知能)の発達によるものと考えられる。深刻な食料不足に陥った人類は、それまでの道具使用では適応できず、共認機能にさらに収束、ついに観念機能の獲得に至り、石器作成を可能にしたと思われる。
そして、この人類特有の「観念機能」を発展させることで、その後、初めてアフリカを出て東南アジアまでの拡散も可能にした。ついにDNA進化を超えた、観念機能による進化機構を獲得した段階。
「初期人類の石器」と「チンパンジーの道具」
人類の祖先と進化(続編)
初期人類:出生時から大きいホモ・エレクトスの脳が教えてくれること
チンパンジーの知能vol.1(道具を作るチンパンジー)
チンパンジーの知能vol.2(数字や色彩認識と記憶能力)
<旧人段階>(約30万年前~3万年前)
ホモ・ハイデルベルゲンシス、ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)
脳容量の平均は約1500cc前後(=現生人類より大)となり、さらに観念機能が発達。石器も高度化し、火の使用、埋葬も始まっていたと考えられている。アフリカを出て中央アジア・ヨーロッパまで生息域を拡大。後期になるとバイソンなどの大型で狩猟の技術が要求される動物を捕るようになり、崖に群れを追い込んで殺し解体するという事まで行ったとも考えられている。しかし、2万4000年前には絶滅。最後の9000年は、現生人類(コーカソイド)と共存していたと考えれてるが、現生人類とネアンデルタール人とを分けたものは何か?などが今後の追求テーマ。
ネアンデルタール人に何が起こったか?
<新人段階>(約20万年前~現代)
ホモ・サピエンス
現代人とほぼ同様の骨格形態を示す人々が約20万年前にアフリカに登場。アフリカに残り続けた原人→旧人から進化したと考えられている。「現代的行動」と呼ばれるこれまでの人類にはなかった、海洋資源の利用、高度な石器など新しい道具技術、ビーズなどシンボル操作などが見られるようになる。その後、ホモ・サピエンスは全世界に拡散。観念機能による進化へと全面的に移行した段階。なぜ拡散したのか?それを可能とした観念とはどんなものか?などが今後の追求テーマ。
【逆境⇒進化】初期人類の逆境 vol.2<裸の起原>
【逆境⇒進化】初期人類の逆境 vol.1<着物の起原>
<その他、初期人類全般>
人類の祖先と進化
人類進化の外圧状況~気候変化を大きな視点で捉えてみる~


これまでは、主に猿人段階を中心に外圧状況、食性・洞窟生活などを扱ってきましたが、今後は原人段階、新人段階、そして新人(ホモ・サピエンス)を追求し、新しい情報を「人類進化の系統樹図解」に付加していきたいですね。
さて、当グループの中心テーマ『始原人類の婚姻制』については、化石として残りにくいこともあり、残念ながら当時の様子が掴みきれないのが現状です。そこで、これまでの「化石証拠からのアプローチ」に加え、今後は「現生霊長類の集団の外圧状況や集団形態・婚姻様式からのアプローチ」からも迫り、その両面から追求していくことになりました。その対象は、生物学的に人類にもっとも近いチンパンジーに留まらず、真猿全体を対象することを考えています。
真猿以降の霊長類集団は、集団統合様式が共認統合に移行し、共認内容の組み替えで外圧に応じた柔軟な集団形態・婚姻制をとります。一方、生物学的に近い真猿集団でも、外圧状況が異なれば、異なった集団形態・婚姻制を取ることもあります。
このことは、初期人類と同様の外圧状況に置かれた真猿集団がいるならば、その真猿集団の集団形態・婚姻制は、初期人類集団のそれと近似するものになる可能性を示唆します。(初期人類と同様かどうかの判断が難しいところですが、)
また、森林の制覇種であるチンパンジーの集団形態が、初期人類の集団形態に近いという必然もないとも言えます。
というわけで、すでにyidaki さんの「ゲラダヒヒ」集団の追求がスタートしました。
『ゲラダヒヒによる初期人類の集団形態の推測』 (vol.1) (vol.2) (vol.3)
『共認機能による実現態を探る』

ゲラダヒヒ以外にも人類集団を考える上での追求対象となる真猿集団を探していこうと思います。今後の展開にご期待ください。(さいこう)

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