2008年08月16日
初期人類は骨を食べていた!vol.7
<初期人類は骨を食べていた vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6>にわたり、『人はなぜ立ったのか?』『親指はなぜ太いのか-直立二足歩行の起源に迫る-』島泰三著より、「口と手連合仮説」に基づき、初期人類の食性に関して、紹介させていただきました。
改めておさらいですが、
vol.1で、初期人類が生存していたアフリカのサバンナでは、昼の炎天下
の中で行動すれば、比較的に大型獣に襲われる危険から回避でき、栄養価の高く、競合相手のいない自然界のニッチとしての骨を採取できることがわかったと思います。
vol.2では、霊長類の中でも人類は、硬くて靭性の優れた分厚いエナメル質の特殊な歯
を持っていることがわかったと思います。
vol.3では、犬歯が大きくない代わりに、上下、左右、前後、回転といった感じに自在に動かせるあご
を人類は獲得し、骨をすり潰すことができるようになり、骨食が可能になったとこがわかったと思います。
vol.4では、人類の手
は、石を握り骨に叩きつけ、骨をを砕く為に適した形でなっていることがわかったと思います。
vol.5 vol.6では、島泰三さんの「口と手連合仮説」は、人類のみならず、霊長類全般にわたり一環した構造であることがわかったと思います。
今回は、骨を食べていた初期人類はなぜ直立二足歩行になっていったのか? いよいよ直立二足歩行の謎にも迫ってみたいと思います。
初期人類は骨を食べていた!実はこの骨食と直立二足歩行は大いに関係しているのです。
■道具を持った類人猿は立ち上がる!
類人猿は基本、四足歩行だと思っていませんか
人間だけが二足歩行だと誤った認識をもっていませんか
類人猿はもともと樹上で立ち上がった姿勢で移動します。なので地上に降りても二足で立つし、2足で歩行することもあります。
テナガザルたちは長い両手を広げてすたすた地面を歩くし、ゴリラが胸を叩く時は両足で立ち上がります。チンパンジーは食物を手に持って歩き、ボノボ(ピグミーチンパンジー)は、もっと楽そうに両手にサトウキビを持ち、赤ん坊を背中に背負って二足歩行します。南米のクモザルでも地上に降りると二足で立ち歩くし、ニホンザルは芋を両手に抱えて砂浜を走ります。イヌのように草原を疾駆するパタスモンキーでさえ、両手に果物を抱えると、長い尻尾の支えはあるとしても両足で立ち上がります。
森の木々の間で暮らしていて、枝先の食べ物を取るため両手を使って伸びあがったり、体全体を長く伸ばしたりしているサル達のバランス感覚は発達しているのです。このために、地上に降りると、必要があれば二足で立ち上がることぐらいは容易なわけなのです。
しかし、そこから二足歩行までの溝は、まだ深いですよね。
「口と手連合仮説」によってご理解いただいたことと同様に、様々な外圧の中で、主食を開発するというそのサルの生存にかかわる活動の裏づけなしには、地上直立二足歩行という移動方法まで変ることはないですよね。
サトウキビや芋など食物がたまたま豊富にあったために、潜在能力として二足歩行を見せる事があったとしても、そこから常時の二足歩行にいたることはないと思いませんか
■「口と手連合仮説」が解き明かす二足歩行の謎
人類が石という道具を手にしたのは、主食の開発のためだったことは、このシリーズでお解かりいただけたと思います。
骨を食物にする為には、口に入れて粉々にできるだけの大きさに割らなければならない。人類が石を使って、骨を粉砕する行為は、人類が生き残る為に可能性収束した答えだったのです。
それまで利用されなかった骨は、サバンナでは豊富に、また永久(100万年単位で)得られるものだったのです。そういう安定した条件があったからこそ、体の形を変える次のステップに進む事が出来たのかもしれません。骨を握りしめるために親指が太くなるほどに人類の手は変り、その道具で得られた骨をすり潰すように歯のエナメル質は厚くなり、歯列は平坦になっていきました。
主食は常の食物だから、握りしめた石は常にもっていなければなりません。握りしめた石は、四足歩行を難しいものにしました。肉食獣が食べ残した骨があるのは、アフリカの平らなサバンナです。平坦な広野という二足歩行に適した環境条件があり、食物の為に石を握りしめていた初期人類は、二足で立つ理由がそこにはあったのです。
この条件の中でだけ、力学的バランスの悪い、移動速度の遅い直立二足歩行が可能となったのです。
サバンナには、ライオンやヒョウやハイエナのような多くの捕食者たちの脅威があるにも関わらず、速度の遅い直立二足歩行を人類が採用したことには驚かざるをえないですが、捕食者が活動しない炎天下の昼間
という環境的なニッチもそこにあったことも大きな要因なのでしょう。
ニッチは捕食者よりも主食によて決定され、ニッチは移動方法を決定しているのです。
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人類の足の指が拇指対抗性でないのは突然変異という説もありますが、むしろ樹上での生存闘争に敗れ、唯一の生存の可能性として見つけたニッチ(生態的地位)が骨で、その骨を主食として生存する為に二足歩行に移行していったのが人類なのではないでしょうか?
vol.5で紹介したアイアイやアンワンティボやコロブスと同様に、逆境から見つけ出した新たなニッチ(生態的地位)への可能性収束が、その手や足を進化(新たなニッチへの適応)させた要因なのではないでしょうか?
栄養価が高く、たくさんある食べ物があって、それを食べる動物がいなければ、そして、それが百万年という時間の単位で続けば、いつかはそれを食べる動物が、必ず出てきます。過酷な生存闘争の中で、人類がニッチとしての骨にたどりつけたことこそ、人類史をスタートさせた最大要因なのかもしれません。
おわかり頂けたでしょうか
次回は、骨食による恩恵ともいえる人類の進化を紹介したいと思います。
骨を食べ続けた事で人類は、凄い進化を遂げていきます。
まだまだ続きますよ。
- by yidaki
- at 01:04


comments
yidakiさん、こんにちは。
>主食は常の食物だから、握りしめた石は常にもっていなければなりません。
は、ちょっと???です。
捕食者が活動しない炎天下の昼間あっても、おそらくサバンナが危険であることに変わりなかったと思います。
だから、危険なサバンナで骨を食べていたとは考えにくく、サバンナで骨を拾ったとしても、とりあえず安全な洞窟に持ち帰ってそこで骨をたべた、と考える方が自然ではないでしょうか。
だとすれば、必ずしも石を常に持っている必要はない。ということになるのですが・・・いかがでしょうか?
ついに直立二足歩行の謎に辿り着きましたね。
常に石を握りしめていたとの説は結構納得です。
ただ、さいこうさんのコメントにもあるように、移動食を得るためというより、持ち帰るために骨を小さく打ち砕いたり、武器にもなるから、という気がしています。
続きを楽しみにしています。
>さいこうさん
コメントどうもです。
>主食は常の食物だから、握りしめた石は常にもっていなければなりません。
ですが、大杉さんが推測されているように、握り閉めた石は、時として武器としても活用したのではないか?と著者の島泰三さんも考えておられるようです。
炎天下とはいえ、さいこうさんのおっしゃるように常に危険はつき物です。石を投げて身を守るケースも考えられるのではないでしょうか?
そして骨を洞窟に運ぶためにも、直立二足歩行が必要であると考えられますよね!
>大杉さん
いつもコメントありがとうございます。
島泰三さんも著書の中で、書かれていますが、大杉さんの推測のように、私も当時のサバンナの外圧状況をイメージすると、常に石を持っていたと考えられるのではないかと感じています。
「わらをもつかむ」という言葉もありますが、当時の状況は過酷なものだったのでしょう。
>さいこうさん
>大杉さん
追記ですが、島泰三さんの説によれば、サバンナの落ちている骨には大きいものが多く、そのまま持ち帰るのは難しく、その場で砕いたり、ばらすためにも石は常用品として活用していたのではないかと推測されているようです。
あと、ご意見を伺いたいのですが、
>骨を主食として生存する為に二足歩行に移行していった
という点においては、どう思われますか?
>>骨を主食として生存する為に二足歩行に移行していった
>という点においては、どう思われますか?
骨を主食に⇒二足歩行へ の間には何かが必要ですね。
「小さく打ち砕くために石を持つ必要」だけでは不足しており(ナックルウォークでも可)、
「持ち帰るために手を自由にする必要」までいってようやくつながるかなと思います。
いずれにしろ「持ち帰らなければならない」理由が非常に重要になります。
私はもっとシンプルに「武器を手に持って自由に振り回せる必要」が第一かな、と考えています。次に「持ち帰り」かな。
> > 骨を主食として生存する為に二足歩行に移行していった
> という点においては、どう思われますか?
確かに人類が二足歩行を発達させた理由としては十分考えられるように思います。面白くなってきましたが、どこか引っかかります。そこで改めて整理してみると、
> 人類の足の指が拇指対抗性でないのは突然変異という説もありますが、むしろ樹上での生存闘争に敗れ、唯一の生存の可能性として見つけたニッチ(生態的地位)が骨で、その骨を主食として生存する為に二足歩行に移行していったのが人類なのではないでしょうか?
とありますが、
【1】木に登れなくなくなった(拇指対向性を失った)
【2】二足歩行に移行した
を考えてみると、
・【2】の出来事は必ずしも【1】を否定するものではない。
・【2】から拇指対向性を失った必然性は見つけられない。(二足歩行をするサルは拇指対向性を維持している)
と考えられます。とすると、
まず【1】がおこり、それ故に【2】が発達した、のではないでしょうか?
サルの二足歩行を見ると人類の二足歩行に繋がっていくように思えますが、実際は、サルと人類の足の形態は全くの別物。というのがその理由なんですが、、、
サルの特徴が木に登れることであれば、初期人類の特徴は木に登れないことだと思います。では、なぜ木に登れないのか?も、二足歩行への移行と一緒に解明する必要があるのかもしれませんね。
>大杉さん
>さいこうさん
なるほど!その辺りは非常に解明するのが難しいポイントですね。まだ推測するには情報が不足しています。
今後いろんな事象を調べていく中で、論理整合していければと思います。
アドバイスありがとうございました。\( ^o^ )/