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2008年08月15日

人類進化の700万年(1)人類とは?何種類いた?

人類進化の研究は新たな化石の発見によって塗り変わって行っているが、最新の研究成果を素人でも分るようにまとめられた本がある。三井誠著『人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」』講談社現代新書2005年9月。
最新の研究に基づく新常識とはどのようなものなのか(今後も塗り変わって行くでしょうが…)を紹介して、人類進化の全体像に迫っていきたいと思います。
人類とは?
次のうち、人類がチンパンジーとの共通祖先から枝分かれしたごく初期にもっていた特徴とは何か?複数回答です。
①脳の大型化、②複雑な言語の使用、③メスの発情期の喪失、④直立二足歩行、⑤犬歯の縮小
答えは次頁です。
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答えは④の「直立二足歩行」と⑤の「犬歯の縮小」です。合ってましたか?
「直立二足歩行」はお馴染みですが、「犬歯の縮小」は意外だったのではないでしょうか。
因みに、①の「脳の大型化」は約240万年前以降のこと。(筆者注:これも意外ですね。人類700万年とすると3分の2、500万年としても2分の1の時代を脳進化に拠らないで過ごしてきたことになります!)
②の「複雑な言語の使用」は化石からは読み取りにくいが、最新の証拠によると7万5千年前ごろには獲得していたらしい。(筆者注:これは本当にごく最近ですね。観念進化は人類だけが到達した画期的なことなので、これくらいかかったかもしれませんね。ただ言葉自体の獲得はもっと前でしょうが…)
③の「メスの発情期の喪失」は分っていないらしい。(筆者注:類人猿でもその傾向はあるので、人類は初期からの可能性がありますね。)

人類が進化の道のりで獲得してきた主な特徴
700万年前~ 直立二足歩行 犬歯の縮小                  猿人
400万年前~ 歯のエナメル質の厚み増大?(根など硬い食べ物に適応)
250万年前~ 石器の作製 脳の大型化が始まる              原人
200万年前~ 体毛の喪失?
180万年前~ アフリカから出る
80万年前~ 火の使用                              旧人
20万年前~                                      新人
7.5万年前~ シンボルを扱う能力 言語の使用?
3.5万年前~ 芸術の広がり
1.0万年前~ 農業を始める
※これらの獲得の道のりは順次紹介します。

「犬歯の縮小」に戻りますが、これは初期人類は骨を食べていた!vol.2vol.3でも紹介されていましたが(エナメル質の厚さや骨をすり潰すあごの秘密とともに)、これを人類の指標とするようになったのは理由があるようです。
それは、ここ数年人類とチンパンジーとの分岐に迫るような化石が相次いで見つかり、「明らかに人類」とは言いにくい例が増えているためです。つまり、直立二足歩行をしていたかどうかはっきりしなくても、犬歯の特徴などから人類として分類しているという事情があるのです。
最古の人類化石
これまでに見つかった最古の人類化石は、2002年にアフリカ中央部のチャドで発見された700万~600万年前のもの。(人類の歴史を700万年としているのはこの化石年代がもとになっている。それまでは500万年と言われていた。)
20050406222411355_1_N2.6.69_02.jpg
(チャドで発見された最古の人類化石の復元図。愛・地球博よりお借りしました。)
見つかったのはほぼ完全な頭の骨で、脳の大きさは360~370ccとチンパンジーと変わらない。現生人類の3分の1以下だ。身長も105~120センチほどで、やはり現代のチンパンジーと変わらない。
一部の研究者がメスの類人猿と指摘するほど原始的な特徴をもつが、犬歯の縮小などの特徴が認められ、わずかだが人類の側に足を踏み出しているとされる。
では、直立二足歩行をしていたかどうか?
腰や足の骨が見つかっていないので、頭の骨から見極めるしかないが、首の骨が頭骨に入るためにあく穴(「大後頭孔」と呼ばれる)の位置から判断すると、直立二足歩行をしていた可能性がある。しかし、大後頭孔だけで推し測るには無理がある等の批判もあり(ex.テナガザルは樹上で直立した姿勢を取ることが多いが大後頭孔は後ろを向いたまま)、明確な結論は出ていない。
人類は何種類いたのか
人類は誕生以来、何種類いたのだろうか。
少なく見積もる研究者で10種あまり、新種を作る傾向のある研究者で20種類以上がいたとしている。(筆者注:これとて今後増える可能性あり。)
(人類進化の系統樹は、ミッシングリンクの意味=奇跡的に生き延びた人類を参照してください。)
人類の進化は、猿人→原人→旧人→新人という単線ではなく、複数の人類種が生れては消えた歴史、つまり絶滅の歴史であった。
単一の種が着々と進化の階段をのぼって私たち現生人類に辿り着いたのではなく、現生人類は複数の枝分かれした中で現代に生き残った一つの枝に過ぎないのである。
この一点とっても、人類はいかに凄まじい外圧状況に置かれていたかが分ります。
次回も、人類進化の道のりをお楽しみに。

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comments

yukieさん、ブログデビューおめでとうございます。
いきなり遊牧に挑戦とは本格的ですね。でも女たちの意識はどう変化したか?を、女性が追体験(同化)して語ってもらうとリアリティーがあり楽しみです。
「余男」「招弟」が大変気になり調べたら、どちらも中国の女の子に付ける名で、「次は男の子が生まれてきますように」という意味が込められているそうです。
一人っ子政策なのに抜け道があるようですね。

  • 2008年11月12日 22:43

岡さん、コメントありがとうございます☆
遊牧について勉強していて、ホントに今まであった安心基盤と引き剥がされるってどんなにつらいだろうな~と思ってしまいます。「集団が生きていくためには仕方ない」と思いつつ、「なんで私が…」という意識はあったんじゃないかな~。
もう少し同化していってみます!!

  • yukie
  • 2008年11月13日 11:00

【みんな】から【自分(個人)】への意識転換の流れが、遊牧民族の誕生からの流れをおってみると、段階的に変化していく過程がイメージできますね。
「マリー・アントワネット」って映画がありましたが、あれも嫁ぎ、安心基盤を失ったアントワネットが、豪遊と蓄財にはしる映画だったように思います。
女性の視点に立った、これら事象の意識の変化!非常に興味を覚えました。
続きも楽しみにしています。

  • マニマック
  • 2008年11月13日 21:20

マニマックさん、コメントありがとうございます☆
マリー・アントワネットというと私は「ベルサイユのバラ」で勉強した口ですが、あれも母親の絶対的な安心感を失ってしまった寂しさを少しでも埋めようとしていたのですね…。
そう考えると、世の女性の行動がもっと良く理解できる気がします。

  • yukie
  • 2008年11月15日 11:17

ブログ紹介:『知られざる人類婚姻史と共同体社会』

今日は、2008-11-21(一昨日)の記事で、触れられている『知られざる人類婚姻史と共同体社会』ブログの紹介です。
「なんか、むずかしそうだ」などとい…

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