2008年10月10日
課題の中間整理
昨日、大阪のブログ会員と今取り組んでいる課題整理を行いましたので、報告しておきます。大きくは二つの課題領域、一つは始原人類の婚姻制の問題、二つは日本人の起源です。
●始原人類の婚姻制について
もともと『婚姻史をめぐる課題』を受けて、“最初から人類は父系家族を生活の単位にしていた”との霊長類学説1、2、3、4を検証しました。さらに遡って“哺乳類は母系集団”であることも確認しました(1、2)。
霊長類学説の最大の問題点は、初期人類にかかっていた外圧状況(豊かな環境)の想定にありそうとのことで、過酷な外圧状況を窺い知ることのできる食性および洞窟生活の解明に取り組みました。それが「初期人類は骨を食べていた」シリーズ(現在vol.1からvol.11まで投稿されています)と、「洞窟に隠れ住んでいた初期人類たち」シリーズです(まだ1回だけですが…)。
応援よろしく by岡
今後の課題としては以下のようなものが考えられます。
(1)霊長類学説もいくつかあるので、注目に値する他のものを検証する
(2)初期人類の食性および洞窟生活についても、直立二足歩行の謎、脳進化や火の使用、言葉(観念機能)の獲得、槍や弓矢の発明などにつれてどのように変化していったのかの解明
※ところで洞窟生活については、火の使用をもって始まったとの説が最近あるようなので(それ以前はどこに住んでいた?)、その検証も必要です。
もう一つのアプローチとして、人類学の系譜にも取り組みましたが(1、2、3および江守説)、もともと人類学は挫折したので霊長類学からの提起が注目されるようになった経緯もあり、労力の割りに得るものが少ないように思われます。今後も切り口として残しながらも、
(3)むしろ古い記録から伺える文明社会以前の部族や未開部族の婚姻制を再整理したほうが有意義だと思われます。改めてアプローチの検討から始めたいと思います。
●日本人の起源
いろんなアプローチがありますが、Y染色体のDNA分析を軸に進めています。既に各系統ごとの到来経路や時期、人数から人口構成比シミュレーションまで一旦は済んでいますが(1、2、3)、各系統の考古学的知見との突合せが残っています。
後期旧石器時代晩期から古墳時代までの考古学的知見(一部歴史的時代を含む)――遺跡分析などから得られた生産様式や集団規模、婚姻様式や文化など――との突合せです。
ところで、DNA分析から言える日本人の、世界でも例を見ない特徴として、
①日本に辿り着いたどの系統も(とりわけ弥生以降の渡来人は)、大陸から追い出されるようにしてやって来た敗者集団であること
②日本に辿り着いたどの系統も壊滅することなく現在まで残存していること、つまり後からやって来た者が先住民を壊滅することなく同化・共存してきたこと。(逆に言えば先住民は抵抗することなく支配されてきた、とも言える。)
が挙げられます。
これは「なんで?」が解明できれば大変面白いですね♪
ところで(いきなりですが)、古墳時代に「騎馬民族はやってきたのか」については、来なかった説が最近の通説のようです。本当でしょうか?渡来人の支配システムや同化・融合を検証する意味でも面白いテーマです。
カテゴリー『東洋と西洋』とも関係するので、他の会員にも加わってもらえればと思います。
(追記)婚姻制に関しては、武士階級が登場して父系制へ転換しましたが、そもそも彼らの出自は?という課題も面白いと思います。
以上です。会員の皆様のご意見があればお願いします。
- posted by okatti at : 2008年10月10日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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