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2010年08月06日

集団を超えた、共認原理に基づく婚姻体制って過去にあるの?3~互酬原理について~

シリーズの3回目です。前回は「集団を超えた婚姻制=外婚」について、「るいネット」および「当ブログ」の過去投稿を基に、シリーズの課題整理を行いました。
シリーズで研究対象としているレヴィ・ストロースの『親族の基本構造』を題材に、今回は、集団を超えた婚姻制の基底部にある互酬原理について追求してみたいと思います。
★集団間の互酬原理とは何か?
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レヴィ・ストロースが氏族集団の婚姻制を考える上で影響を受けたのが、人類学者マルセル・モースの『贈与論』(1925)です。レヴィ・ストロース自身、同著の内容を以下のようにまとめています。

①未開社会での交換は、商取引よりもむしろ互酬贈与のかたちで現れ、現代社会よりはるかに重要な位置を占めている。
②互酬贈与は、「贈与」→「収受」→「返礼」という3重の義務を伴う。
③この原初的交換形式は、単なる経済的性格ではなく「全体社会的事象」とも呼ぶべき事象であり、社会的・宗教的、呪術的・経済的、功利的・情緒的、法的・道徳的な、いずれの意義を帯びている。

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レヴィ・ストロースは、モースの論文の中に、親族体系を新たな視点から理解する鍵を見出します。レヴィ・ストロースによれば、集団相互が婚姻を通じて連帯関係を結ぶという行為は、贈物交換の古典的形態の一種であり‘交換される贈物の中でもっとも重要なのが女性である’と説きました。そして、親族体系の役割は、集団間の女性交換を規則すること(及び、交換関係が継続するようにすること)であると述べています。
★集団間の女性交換規制とは?

内田樹研究室「親族の基本構造」より
・人間社会では一人の男は女を別の男から受け取るしかなく、男は別の男に女を娘または姉妹というかたちで譲渡するのである。親族は静態的な現象ではない。それが存在する唯一の理由は親族が存続することである。
・われわれは人種を継続させる欲望について話しているのではない。そうではなくて、われわれが語っているのは、ほとんどの親族体系において、任意のある世代において女を譲り渡したものと女を受け取ったものの間に発生した始原の不均衡は、後続する世代において行われる反対給付(contre-prestation)によって相殺されるしかないという事実である。

レヴィス・トロースによれば、親族が存在する唯一の理由は‘存続すること’であり、親族が世代を超えて‘存続するためには変化が必要となる’としています。但し、この変化とは「絶えず新しい状態を作り出す」ことだけを意味しているのではなく、単にいくつかの状態が「ぐるぐる循環する」だけでも充分に変化している、と考えました。
ここで、女の交換と言った時、必ずしも女が移籍する父系社会や父方居住を示している訳ではありません。母系社会や母方居住においても、婚姻=女の交換と捉えます。より本質的には、交換ではなく婚姻=互酬原理と捉えたほうが適切だと考えます。
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★何故、女性の交換なのか?

内田樹研究室「親族の基本構造」より
どうして男が「交換の主体」であり、女が「交換の対象」であるかというと、答えは簡単。
男それ自体には交換物としての価値がないからである。
男は再生産しない。再生産のためには女100人あたり、男一人いれば十分である。99%の男には生物学的には価値がない。無価値なものをもらっても、反対給付の義務は動機づけられない。それでは親族は形成されない。

集団が世代を超えて存続していくために、何よりも価値のある存在、それが女性であると位置づけられています。マルセル・モースもレヴィ・ストロースも、贈与⇔互酬原理を、「贈与」→「収受」→「返礼」という義務体系として捉えていますが、‘何よりも価値のある存在’であるということから、むしろ互酬原理の本質として、次のように捉えなおした方がよいのではないかと思います。
①そもそも「贈与」とは、相手(の集団)が喜んでくれるという「期待」が基点にある。
②「収受」(=女性を迎え入れる)とは、「歓迎」となる。→女性は充足し、だからこそ制度が継続する。
③「返礼」とは、期待されたことに対する「応合」である。
これが、本源の時代(=充足と肯定の時代)の、婚姻関係ではないでしょうか!?

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>その中で、婚姻制度ですが、【一夫一婦・妾制】で、男は自由だが女の不倫は厳しいタブーだったはずが、まったく無視されてしまい、「愛人が3人しかいない妻を持てるのは幸運である」と言われたほど女がもわがままを全開にします。
これは、女もわがままだけど、男もわがままってことではないですか?
おっしゃっているいることに、偏りを感じます。

  • はるか☆
  • 2011年1月22日 21:56

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