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2010年01月20日

本格追求シリーズ1 人類の”性”の本質を探る<人類の性機能2 人類特有のオーガズム>

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前回の 記事 では人類の性機能(特に性器の特徴)に焦点をあて追求してみました。
>出産を含めて、人類の性機能は本能原理からみれば不利なことばかり(無駄だらけ)
いかに人類にとって「共認機能の為の性の実現と共認機能・観念機能の進化を実現することが重要だったのかが伺い知れるのです。

というように、人類の性は子孫を残すという本能次元での機能より、深い充足を得るための機能に特化してきたと考えられます。
今回はこれに引き続き、人類特有の性充足状態=オーガズムについて考えてみます。

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■オーガズムのシステム
はじめにオーガズムのシステムについて考えてみましょう。
俗語では「イク」「来る」(英:I’m coming)などともいい、文語では「達する」「果てる」 などと表現されることもあります。男性では多くの場合、オーガズム時に射精が起こり、女性では膣口にある括約筋の規則的な収縮などが見られます。
(ただ最近は「いけない」女性が増えているといわれるように、SEXの快感は低下傾向にあります :blush: )
さて、オーガズムを体感できるのはサル(チンパンジー)と人類だけと言われています。
チンパンジーのオーガズム現象としては、メスが口を丸めて吹くような感じの表情+10秒間に及ぶ子宮の収縮、オスの叫びの表情等で確認できます。
サル・人類と他の哺乳類との違いは脳の発達です。
つまり、前頭葉の割合が増大(進化)するにつれて、オーガズム現象が明確に確認できるようになります。
このようにオーガズムと脳回路は密接な関連をもっています。
参考投稿 性充足と脳回路(1)~オーガズムの獲得と前頭葉の発達~
・ではオーガズムの最中、脳内はどのような働きをしているのでしょうか?
ウイッキペディア より引用します。

オーガズム中の脳はθ波と呼ばれる睡眠初期のときに出る脳波で充満した状態となり、ドーパミンやセロトニンと言った脳内の快楽系神経伝達物質も活性化し、A10神経も反応を強くする

・以下脳内物質に関して解説します。
A10神経:脳内の多くの神経の中で、精神系だけを走っているユニークなA10(エイ・テン)と呼ばれている神経があります。そして、それが活性化されると快感を感ずるというのです。
この神経が刺激されるとドーパミンという神経伝達物資が分泌されると共に快感を生じます。大脳辺縁系で生じる喜怒哀楽などの情動の源がこの神経のようです。そこで、これを快感神経または快楽神経とか恍惚神経とか呼ばれています。
ドーパミン:ドーパミンは本来有毒な物質なのです。それが精神系へと拡散的に、満遍なく広く分泌されると、それを受けたそれぞれの脳は覚醒し、快感を生じる仕組みなのです。エフェドリンやコカインのような覚醒剤はドーパミンによく似た薬で、ドーパミンの再吸収を抑えてドーパミンの作用を高めると言われています。
セロトニン:セロトニンは精神安定に寄与する脳内物質で、これと同じような仕組みをもつのがエンドルフィンです。
エンドルフィン:鎮痛作用が一番強く、モルヒネの6.5倍もあり、脳内麻薬と呼ばれている。
親しい仲間と一緒にいるような時には最強の脳内麻薬であるエンドルフィンを分泌するように遺伝的にプログラムされており、そのエンドルフィンが不安感の軽減と幸福感の発生を助けています。他方、社会的な孤独感や親近者からの別離感などを感じる時には、脳がエンドルフィンの生産を停止するために、一種の麻薬禁断症状に陥って、不安感に満たされるのであろうと考えられています。
以上 リンク
このエンドルフィンは平常時程よく体内に分泌され→神経を抑制するGABAを分泌→A-10神経(快楽神経)は適度に駆動 という働きをしています。
GABAとはアミノ酸の一種で、正式名称をγ(ガンマ)-アミノ酪酸といいます。動物、植物を問わず、自然界に広く分布している物質ですが、人をはじめとする哺乳動物の脳や脊髄に、特に多く存在します。
GABAはドーパミンなどとは反対に「抑制性」の神経伝達物質といわれ、ドーパミン・A-10神経を過剰に高ぶらせないように抑制する機能を持ちます。
そして人類の場合、エンドルフィンが大量に分泌されるのがセックスの最中です。
セックスによって、快感が、脳にフィードバックされ、エンドルフィンが大量分泌されます。
つまり、
セックスによるエンドルフィンの大量分泌→制御系神経GABAの分泌を抑制→ドーパミンが大量分泌→A-10神経は最高に活性化→快感(オーガズム)を感じる となります。
※よってここでのポイントはエンドルフィンの大量分泌 にあります。
■オーガズムの獲得過程
次にオーガズムを獲得していく過程を考えて見ます。
先に書いたようにオーガズムはサルの段階で獲得した機能です。
ではその機能はどのような環境下で獲得されたのでしょう?
まずはサル(真猿)の獲得過程を 実現論 から引用します。

真猿集団は、同類闘争(縄張り闘争)を第一義課題として共認している。本能に基づく外敵闘争なら、メスも闘える。例えばライオンの雌はシマウマを倒せるし、サルの雌もリスを蹴散らせる。ところが、本能に基づく外敵闘争ではなく闘争共認に基づく同類闘争になると、同じサル同士の闘いなので体格が劣るメスは全く戦力にならない存在となり、存在理由を失って終う。
その結果、メスは極度に依存性を強め、首雄に強く依存収束する(強固な依存収束回路を形成する)と共に、首雄の性的期待に応望すべく、自らの全存在理由をかけて性機能(挑発機能や発情機能)を発達させてゆく。
一方で決定的な役割欠損から、依存収束と同時に強力に自我収束しており、依存収束回路と自我収束回路が強く相乗収束し易い。とりわけ、性闘争の本能回路と自我回路は共に「自分以外は全て敵」とする回路なので、性闘争回路と自我回路は不可分に相乗収束している可能性が高い。但し、不可分と言っても、夫々の回路の伝達物質は異なるので、自我回路(ドーパミン)を刺激しなければ、純粋な期待・応望(役割欠乏=エンドルフィン)に基づく首雄収束⇒応望収束⇒性機能収束の回路が作動する。

サルのメスは役割欠損という強力な不全を和らげるため⇒性収束(依存収束)→性機能の発達→エンドルフィンの分泌を強化→オーガズムの獲得につながった。
(なおこれと同時にドーパミンの分泌も促したため、過剰な攻撃性も獲得します。チンパンジーの攻撃性の高さはこのことと関連があると思います。)
次は始原人類です。サルと同様 実現論 よりその時代状況をおさえてみます。

人類はつい一万年前まで、まともに地上を歩くことが出来ず洞窟に隠れ棲むしかない様な、凄まじい外圧に晒されていた。従って、人類のメスはサル以上に極度に依存収束を強め、首雄収束⇒応望収束回路を発達させていった。しかも人類のメスは(首雄でも防ぎ切れない)飢えや怯えに晒され、サル以来はじめて自らの不全感を直撃されたメスは専ら解脱収束を強め、強力な解脱収束⇒性機能収束回路(エンドルフィンとドーパミンの快感回路)を形成していった。

 
このようにサル以上に過酷な生存環境が人類のメスにおそいかかります。
続けて 脳はチャネリング回路によって進化した より引用します。

極限時代の絶望的な状況下で、女の脳内には大量のβエンドルフィンなど(脳内麻薬物質)が分泌されていたと思われます。さらに滅多に性充足を得られないのであれば、さらに過剰に分泌され生死を賭けて主雄に強烈に依存収束していたと思われます。確かに、女たちから恒常的に全身から発せられる強烈な思念(エネルギー)がチャネリングのベースとなる一つの波(波動)を形成していたと思います。
一方、男たちは毎晩のように踊り(歩行訓練)によってエンドルフィンを分泌する方法を獲得し、閾値を徐々に上げながら「エンドルフィン・トランス回路」を強化していきます。そして、「男のオーガズムと女のオーガズムは、ちょうど合わせ鏡のようなものである。そして、実はこの波動が伝わり合うこと、それがチャネリングなのである。」にあるように、庇護意識の最も強い主雄の波動と女たちの波動が伝わり合ったと思います。やがて、波動の強弱はあれど集団内に充足感が伝播していったと思います。

人類は絶望的外圧状況⇒不全を和らげるエンドルフィン分泌をさらに強化+性収束によって快感回路も増強→サル以上に強力な快感=性充足としてのオーガズム獲得を実現したと考えられます。
このようにサル・人類ともに厳しい生存環境がオーガズムという快感に結びついています。
ここでもう少し一般哺乳類との違いに着目し考察してみます。
サル・人類以外の哺乳類は性行為による快感は本当にないのでしょうか?
もともとエンドルフィンは鎮痛作用をもつ物質のため、痛みや不安が大きいほどそれを緩和するために大量に分泌されます。
一般哺乳類のメスは、実は性行為の時大きな痛みを伴っています。
哺乳類に多い交尾排卵(交尾の刺激と同時に排卵が行われ、ほとんど確実に受精する)型の種類では、オスの性器にトゲのようなものがあり、メスの性器に大きな痛みを誘発します。(これはその後に別のオスと交尾をさせないためといわれています)
このときメスは大量のエンドルフィンを分泌します。
すなわち一般哺乳類は性行為の痛みを緩和するためエンドルフィンを分泌→快感につながっていると考えられます。
この機構がサル→人類へ引き継がれ、サル・のメスが置かれた不全感緩和のためのエンドルフィン強化が、単なる快感を超えた深い充足・安心感としての性充足につながった。
これはメスの性収束(性役割・性機能収束)と一体となって強化されていく。
そしてこのエンドルフィン分泌は、歩行訓練によりオス側も獲得し、互いの波動があうような強い充足(オーガズム)を生み出すことになったのだと思います。

■まとめ
・オーガズムを強く感じることと、痛みや不全が大きいことは因果関係があることがわかりました。
過去から現代に進むにつれセックスに対する欠乏が低下し続けている・いけない女性(オーガズムを感じない女性)が増えていることと、不全の縮小(=貧困の消滅)には因果関係があるのかも知れません。
しかし初期人類に同化すれば、強い外圧があることに加えて、それを克服しようという欠乏が、相手や仲間に対する強力な期待や肯定視につながり、強いオーガズムを生み出したと考えられます。
この点は男女の引力・充足基盤を作り出すことにつながりそうです。

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