2006年11月25日
中国古代遺跡で発掘された「青い目の女神像」
中国東北部に位置する遼寧省で、5500年前の紅山文化に属する遺跡から、青い目をした女神像が発掘されています。
モンゴロイド系人種の容貌なのに、青い目をしているのは何でだろう?
このことについて、『古代中国と倭族』(鳥越憲三郎著)に、その謎が解説されています。
1985年、紅山文化に属する遼寧省西部の凌源・建平の県境にある牛河梁(ぎゅうかりょう)遺跡で、紅焼土に埋まった堆積層から、珍しい「女神廟」と積石墓群が発見された。今から5575±110年前の数価を持ち、問題の女神廟は遺跡の最も高い場所にあり、数多の泥質彩塑女神像や動物塑像のほか、この地独特の彩陶の祭器や建築材なども見つかっている。
それらの中でも特に注目されるのは、廟の円形主室の西側で発見された一体の彩塑女神の尊像である。総体的に見ると、方円形の平たい顔で、頬骨が突起し、目は斜めに吊り上り、目のくぼみは浅く、鼻すじは低くて短く、鼻先と鼻翼はは円頭状で低平であり、鼻孔はやや上に反っている。
以上の容貌から明らかなように、モンゴロイド系人種に属するものと判断されている。ところが女神像の目は驚くことに青い玉がはめ込まれているのである。そのことをどう理解したらよいのであろうか。
少なくとも女神像の目が青いのは、中央アジアの人種の血をうけていることを示している。しかし、容貌は明らかにモンゴロイド人種である。そのことは、混血の女性をモデルにしたといえるが、当時の社会に混血の女性が多く、違和感がなかったからであろう。それだけに混血に時期は遠く遡るものとみてよかろう。
中国東北部の女神像の分布からみて、その信仰は広域にわたっていたといえる。しかも地母神としての女神像の信仰が新石器時代早期から見られるので、そのことから中央アジアからこの地への渡来、その時代まで遡らせる可能性もあるであろう。というのは、女神信仰がメソポタミアに起源し、それが中央アジアに広く波及したからで、アナウ文化に女神像を部屋に祀る習俗がみられるのもそのためである。そこで、コーカソイド種族がこの信仰をもたらしたと考えることもできるであろう。
このブログのタイトルである“人類婚姻史と共同体社会”に照らして、
「異なる人種の混血は、どのような要因で発生し得るか?」というテーマは興味深い。
中央アジアの遊牧部族は、氏族集団の連合体のかたちをとっており、各氏族がバラバラにならないため、父系制の婚姻規範は厳格に存在していた。
にも拘わらず、モンゴロイド人種とコーカソイド人種の混血が発生していたことは、メソポタミア発の掠奪闘争が玉突き的に中央アジアの遊牧部族へ波及し、略奪闘争→掠奪婚の結果と言えるのではないだろうか。
読んでくれて、ありがとう(byまつひで)
- posted by postgre at : 2006年11月25日 | コメント (5件)| トラックバック (0)
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comments
四季があるから、日本人は繊細なんだって、よく言われますが、過酷な自然外圧をに対峙することでそれは生まれたんですね。刻一刻と変わる自然の姿に、必死に同化し祈った古代日本人の姿が目に浮かぶようです。ご先祖様に感謝.・☆ですね。
四季による自然からの様々な恩恵と共に、様々な自然災害にも見舞われる環境の中で、厳しい外圧を集団の活力にかえ生き抜いてこれたのも、脈々と続く共同体集団のなせる技なのでしょうね。
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