2008年09月04日
初期人類は骨を食べていた!vol.9(ヒトとサルの足の構造)
vol.7で骨を食べていた初期人類はなぜ直立二足歩行になっていったのか? 直立二足歩行の謎について、紹介させていただきましたが、人類の足は他の類人猿と比べ、決定的な違いがあります。
vol.7でも触れましたが、人類の足の指は、他の類人猿と比べ拇指対向性になっていません。この点はまだまだ謎に包まれていますが、具体的にはどういった足の構造になっているのか?少し紹介したいと思います。
今回はヒトとサルの足の構造について、もう少し詳しく見て行きたいと思います。
の写真はヒトとチンパンジーの脚の骨格を比較したものです。外国のサイトよりお借りしました。
足の指に注目していただいて、次にぱちっとして、500万年の旅に出発してください。
いってらっしゃいませ。
今日は、「退化」の進化学-ヒトにのこる進化の足跡- 犬塚則久著より紹介させていただきます。
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かつて霊長類は二手類(人類)と四手類(サル類)に区別されていました。サルでは足も手と同じように拇指対抗性であることに由来します。ところがヒトの足は独特で、もっとも近い類人猿とくらべても次のような違いがあります。
類人猿の足の指は比較的長く、曲がっているが、ヒトでは短くまっすぐ。
類人猿の第一指(親指)は発達が悪く、第二指から離れて傾くが、ヒトの第一指は最大(太い)で、他の指と同じく前をむく。
第一中足骨と足根骨との関節面が類人猿は鞍形(くらがた)をしているが、ヒトは平面。
第一、第二指の間は類人猿では中足骨の基部まで開くが、ヒトでは基節骨の半ばまで、いわゆる「水かき」でつながっている。
靱帯は、類人猿では第二~五中足骨の間だが、ヒトでは第一と第二中足骨間にも張っている。
これらの中足骨の基部にはとなりとの間にも関節面があるが、第一と第二中足骨間にはヒトでもまだ関節面ができていない。この事はヒトの先祖の足も元は手のように対向性があった事をしめしている。
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vol.5、vol.6で紹介させていただいたように、原猿・真猿ともに様々な特徴のある手の形をしています。
特に原猿や小型のサルにおいてはかなり特異で、殆ど拇指対向性を失った様に見えるものもいます。
しかし、上図を見ていただいてお解かりのように、人類の足の指は同じ霊長類の中でもかなり特殊なで、靱帯で指5本とも拘束された構造によって拇指対向性を失った形になっています。
これは、二足歩行を主とする移動様式になったため進化した形態なのか はたまた突然変異により退化した形態なのか まだその答えはみつかっていません。
骨食となり、サバンナを直立二足歩行で移動することによって、足の第一指と第二指がくっつき靱帯で拘束される構造になったのか それとも突然変異によって靱帯で拘束された足の指になり、木に登れず、骨食に移行したのか
みなさん、どう思います
余談ですが 、外反母趾っていう病気をご存知でしょうか
左の図のように第一指のつけ根が内側に飛び出す病気です。
その症状は第一中足骨が第二指から離れて横倒しになり、手のように第一指の指先が他の指にむきあう形になります。この点では類人猿に戻ったかのように見えます。両者をつなぐ靱帯ができてからの日が浅く、まだ強度が十分に進化しきれてないのかも知れません。
足の指が拇指対向性でなくなり、サバンナを直立二足歩行をし、骨を主食とした初期人類の状況をさらに追求するためには、サバンナの状況や隠れ住んだ洞窟の状況や位置関係も抑えなければならないと思います。そのあたりを、共同運営者のkichomさんが調べてくれているようなので、 kichomさん、そのあたり宜しくお願いします 。
次回は、直立二足歩行に関して、いろんな学者さんの見解があるので、そのあたりも少し紹介したいと思います。
ではでは 😀
- posted by yidaki at : 2008年09月04日 | コメント (3件)| トラックバック (0)
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渡来人の感じていた外圧を、本土にもともといた人はまったく感じなかったのでしょうか?渡来人と本土人がどういうふうに接触(対立?融合?)したのかが気になります。
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