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2010年10月29日

女の配置が、集団の成果を決める1~集団と婚姻制の概略史~

今日から新シリーズ『女の配置が、集団の成果を決める』をはじめます。
この認識は、共同体・類グループにおける「どの部署に(どのグループに)どの女を配置するか、女がどれだけ色んな場に参加できるかが、場の充足度⇒成果を規定する!!それくらい、女の配置は集団にとって決定的に重要☆」という実体験にもとづいています。
しかし人類史をひも解けば、「人類は、太古の昔から男女が協力し合って集団課題を担ってきた」ことが分ります。
↓日本通史(クリックすると大きくなります。)
image101029.jpg

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上図にあるように、集団は原始~近世に至るほとんどの人類史において、生産と生殖が一体で営まれる場でした。
群→母系氏族→過渡的父系氏族→家父長制家族「家」というように、集団のカタチや成員構成などは変わって行きますが、生殖過程を包摂した親族集団であり、同時にそれがそのまま生産(闘争)集団である点は共通です。
(すべての生物集団は生殖過程と生産(闘争)過程を包摂した全的な集団として存在しており、人類も例外ではなかった。)
この共通性から、これら集団は、男女親和(充足)共認を基盤にした、生産(闘争)課題・役割・評価共認で統合された本源集団の活力構造をもっていたといえます。(中・近世の家父長制家族は私権性が強いが、自然圧力や貧困圧力などの闘争圧力が働いているので、集団(規範)収束力は強く、基本的には同様の構造下にある。)
まさに『充足が活力を生み、活力が成果を生む!』集団です。
しかし明治以後、生産は企業集団、生殖は家族集団というように、生産の場と生殖の場が分断する市場社会へ移行します(ただし農村や自営業は近世のまま)。
それと同時に「男は仕事(職場)女は家庭」という西洋の性別役割分担思想が入ってきて、戦後一般化(浸透)したことから、生産集団から女は廃除され、家庭に閉じ込められました。これは上で見た、(生物集団を踏襲した)原始以来の人類史を貫く男女役割分担とまったく異なる在り方です。
しかしこの数十年、女性の職場進出は進む一方で、勤続年数も伸びてきており、「女性の活用」を謳った書籍がビジネス書の一角を占めるなど、生産集団における女性の果たす役割がどんどん高まってきています。その最先端に、冒頭の類グループの認識があります。
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本シリーズでは、日本における男女役割分担の歴史的変遷を辿ることによって、女がいかに集団の成果を規定してきたかを見たいと思います。
今日は最初に、女が(また男が)どのような集団で生きてきたか、時代を追って概観します。(上図を参照。)
1.原始(旧石器・縄文・弥生)=群から母系氏族
・旧石器~縄文初期は集団が孤立して存在、移動性も濃厚で、族内婚。夫婦は共居で「群」集団。
・縄文期から人口増で集団分割、隣接集団とも縄張りを接するようになり、族外婚(氏族間の婚姻=交叉婚)。夫婦は別居で子は妻方、母系氏族集団。
2.古代=過渡的父系氏族(氏族崩壊過程)
・大陸からの侵略圧力を受けて(+大陸から敗者集団が日本列島に流れ着いて)、部族連合で対抗。自己側の守護神信仰に組み込む祭祀統合(神権政治)と、妻問婚<通い>によって生まれた子を中心に、父系観念によってその一族を擬制同族化する政策がとられた。観念的には父系でつながるが、妻と子は元の母系集団で別居(=父系母所)。
・中央集権後、平安を中心にした婿取婚は多様で、前婿取婚純婿取婚経営所婿取婚擬制婿取婚の段階を経て、嫁取婚へ移行する。妻方同居の後、新処同居、夫方同居も併存し(いずれも親とは別居)、次第に父系集団化するが、同時に古代の氏も分裂・崩壊していく。
3.中世・近世=家父長制家族「家」
・武家層が主導した家父長による嫁取婚。氏族員である個々の男子(家父長)が、氏族の共有関係を拒絶して、一門という父系親族集団「家」=私的経営組織を形成する。すべて(土地や妻子、奴隷など)が家父長の私有財産となり、嫡子に単独相続される。
・近世になると、庶民層にも「家」が広がった。
4.近代~戦前=企業集団と家父長制家族「家」の分断
(※農村や自営業は3のまま)
・家父長権が戸主権に継受された嫁取婚。企業という生産集団の登場がこの期の大きな変化。
5.戦後=企業集団と核家族の分断
・「家」(家父長制)が廃されて、同権的な夫婦制(寄合婚)に変わる。個人からなる小家族(核家族)は生殖過程のみ=女の分担、企業集団は生産過程のみ=男の分担と、分断していく。
では、次回から時代を追ってみていきます。
読んでもらってありがとう

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