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2022年04月20日

役割分化して獲得した回路が互いに転写され生き延びた人類

これまで4回にわたり、男の観念回路の獲得、女の共認回路の強化と、それそれの過程を追求してきました。

ことばは、万物のこころを再現。未知なる探索が原動力
共認機能の獲得以来、初めて「孤独感」に苛まれた原初人類
同一視充足から、「いてくれること(存在そのもの)への感謝」へと進化
同類の存在に対する感謝感から、万物に対する感謝感へ

これまでの追求から、主に洞窟時代においてと女では、同じ一体化回路を使っていながらも収束する方向に違いがあることが分かりました。

 

(画像はこちらからお借りしました)

男たちは、エサの獲得や外敵闘争といった外圧に直面します。骨の髄をすするほどに飢えた状況において、生存の望みをかけて洞窟の外にある自然や動植物に一体化回路を向けました。未知なる探索により対象世界が格段に拡がり、その自然の背後に精霊を措定できる観念回路を獲得していきます。もののけ姫にでてくるこだま(木霊)は、「きじむなー(きーぬーしー)」の言葉として沖縄に残っています。アイヌの火のカムイ動物のカムイ植物のカムイなど精霊信仰もその名残です。

 

女たちは、洞窟の中にいるためオスのように未知の探索には向かいません。足が先祖返りしたサルが世代をつなぐには、その女(メス)が子どもを産み育てることが起点です。極度の共認不全から生物史上初の感謝回路を獲得しました。オスの多くは洞窟から出て死んでいるので尚更だったのでしょう。一体化回路は主に闘争に向かう男(オス)に向けられ、性機能上昇のために皮膚感覚(無毛化・感度)や表情を発達させ共認回路を強化していきます。

 

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このように、男は観念回路、女は共認回路と、闘争と生殖の役割分化を土台にしてそれぞれの回路が強化されています。体格差のような肉体的な変化だけでなく、脳回路上においても役割の分化が促進されたのだと考えられます。面白いのは、それぞれの回路が相互に転写され相乗効果を生み、さらに回路が強化されていく点です。

 

男たちが精霊を発見するためには、万物と一体化するほどの共認回路の発達が必要で、これは世代を重ねて共認回路が転写された結果だと考えられます。また、女たちが万物に対して感謝するのもオスの観念回路が転写されたことで可能となっています。アイヌの伝統的な考え方として「人間は他者の命によって生かされている、それを意識して自分を生かしているものに感謝して生きる」にもそれが脈々と受け継がれています。

(画像はこちらからお借りしました)

 

いずれも一体化欠乏が原動力ですから、男たちも女たちも追求して発見したことを仲間と共有して喜び合います。それは動物の鳴き声だったり、雷の音だったり、性の充足だったり。模倣や再現をすることで、単体では限りある経験を、仲間の数だけ追体験できるようになったことが霊長類のなかで飛びぬけて知能が発達した理由ではないでしょうか。

獲得した知識や技術は、充足をともなう模倣や再現により世代を超えて継承し塗り重ねることが可能となり、それが火の使用、石器や弓矢の発明につながったのだと考えられます原人以降に指数関数的に脳容量が増加している仕組みもこのあたりにありそうです。

それはまた次回の追求にしたいと思います。

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