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2018年08月23日

シャーマンとは何か2~シャーマン脳の中核をなす扁桃体

『生物史から、自然の摂理を読み解く』「扁桃体がシャーマン脳の鍵を握る」によれば、魚類以降、シャーマンに通じる危機察知や仲間認識は「扁桃体」が担っているとのことである。以下、それを要約したもの。

【1】扁桃体の進化過程

【魚 類】 魚類の扁桃体は、後の扁桃体に相当する機能をもつ「領域」として存在する。この領域が仲間を認識し、群れ行動を司っている。なお、危機に対する反射行動は延髄のマウスナー細胞等が司るが、より多様な外部環境に対する高度な適応機能を扁桃体領域が担っている。

【両生類】 反射行動を司る延髄のマウスナー細胞は、水中の幼生期には存在するが、生体になると消滅する。このことから、地上における外界の多様な変化(危機)に適応する機能が扁桃体に集約されたと考えられる。

【爬虫類】 扁桃体が形成される。危機に対しては扁桃体と青斑核が携わっており、逃走or攻撃の判断を行う。危機に対する適応様式に「攻撃行動」が加わる。

【ほ乳類~人類】 扁桃体は、危機に対するあらゆる情報処理の起点となっており、脳の各部と密接に連係して様々な危機に対応(反応)する。外敵におよばず、同類に対する反応(表情からの感情の察知や共感)も扁桃体が司ると考えられる。快不快等の情動も扁桃体が司る。

陸上での環境と外圧の変化はすさまじく、水中での単純な反射行動では対処出来ない。それ故に、危機察知と逃避行動の神経回路をより高度で多様な判断が可能な扁桃体に集約したと考えられる。

【2】扁桃体の機能

①危機察知、仲間認識の右脳扁桃体
扁桃体は、生存に重要な危険や恐怖を呼び起こす対象(外敵や獲物)、愛くるしい対象や仲間に対して反応する。危機等に素早く反応するために、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、内臓感覚などのあらゆる生情報が直接的に扁桃体に入ってくる。
また、扁桃体には、大脳皮質で認知し処理された情報も扁桃体に入ってくる。大脳皮質からの入力は、直接情報に対して僅かに遅れて伝達される。
これらの粗と精、原始的と識別的、低次と高次という2種の情報が扁桃体内で遭遇する。反射的な反応は、成体の知恵や経験により、快か不快か、有益か有害かの判断に基づいて環境適応的に補正・修正される。

有益か有害かの判断は、周囲(社会)の情報を処理し、広く動因となるものを選定する。例えば、芸術などに接した場合の精神的に有益な情感の判断や自然の景観、宗教的経験における崇高な感情や超越的感動も扁桃体に根ざしていると考えられる。扁桃体は社会性にも関係が深く、人の顔を区別したり表情を読み取る機能を持ち、扁桃体が傷つくと集団の中で孤立するなど社会生活がうまくいかなくなることが確認されている。

②想像した危機や恐怖に反応する左脳扁桃体
左脳扁桃体は「想像した恐怖」によって活性化する。右脳扁桃体が生の外界刺激に直接反応することに対して、左脳扁桃体は左脳の大脳新皮質が想像した恐怖信号を受けて反応していると考えられる。

③危機や恐怖に対する反応を発令する扁桃体
感覚器を通して入ってきた信号を受けて、扁桃体は過去の記憶をチェックしはじめ、「嫌いなものか?傷つけるものか?こわいものか?」を判断します。答えが危機や恐怖であれば、扁桃体は即座に反応して脳全体に緊急事態を発信します。

「恐怖」と判断したときは、扁桃体は直ちに脳の各部に緊急事態を知らせ、戦ったり逃げたりするのに必要なホルモンの分泌を命じる。脳は興奮状態になり、感覚は鋭敏になる。他の器官は恐怖の対象に注意を集中し、必要に応じて筋肉を動かせるよう準備します。大脳新皮質は思考を一時中断し過去の記憶をめくり、目の前の非常事態に関連する知識を引き出そうとする。

④幼児期に形成される情動反応
扁桃核の情動反応は、生で粗な情報に反応することから不正確さを孕む。また、幼少期の虐待などによって心が深く傷ついた場合などの情動記憶が関わるため、本来不要な恐怖や不安反応を示すことがある。
生後まもない時期の大脳新皮質は発達途上であるのに対して、扁桃体は生後まもなく完成する。幼少期には扁桃体と海馬はそれぞれ独自に記憶するため、扁桃体完成後の幼児体験が後々の情動反応に強く影響を及ぼすと考えられる。

⑤長期記憶に関わる扁桃体
扁桃体は海馬と隣り合わせの位置にあり、相互に情報交換をしており、長期記憶には扁桃体が強く働いている。例えば、好きなことは努力しなくて覚えられ、喜怒哀楽の感情を強く抱いた出来事はいつまでも覚えている。
また、強い恐怖や危機体験も強く記憶されることに扁桃体が関わっている。海馬を電気的に刺激すると過去の記憶が鮮明に呼び起こされる「フラッシュバック」が生じる。

⑥幻聴、幻覚のメカニズム
視覚情報は目→視床→扁桃体→海馬→前頭葉へと流れるのが通常の流れだが、扁桃体など視床下部の下に直結している組織から視覚聴覚情報が逆に入力してくることがある。実際に目に見えている情報ではないが、この情報が視床で映像として再現された視覚情報が前頭葉へと流れる。これが幻覚の仕組みであり、それが言葉や音の情報になると幻聴となる。
幻覚や幻聴は、脳の誤作動とも云える。不安や恐れストレスなどが原因で、扁桃体からの言語情報、視覚情報が視床に伝わり、それが現実の言葉、視覚として前頭葉に伝わり、現実であるかのように脳が捉える。

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2018年08月21日

チャム族の母系社会

中国のモソ族リンクにつづき、今回は、チャム族の母系社会について紹介します。リンク リンクより

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ベトナムにおいて、母系制から父系制に移った少数民族はありますが、チャム族のバラモングループやバニグループなど、母系社会を維持している民族もあります。

エデ族も母系制で、家や財産を守るのは女性の役目です。一方、ザライ族は母系制ですが、女性は民族の神聖な場所とされるロンという集会所へ入ることは許可されません。チャム族の母系社会はそういう特徴があります。

ベトナム民族学博物館・文化研究収集室のレ・ズイ・ダイ室長は次のように語りました。

「チャム族の母系制度の特徴は第1、子供が母の名字を付けられること。第2に娘たちは母と一緒に住むこと。また、末の娘が財産を受け継ぎます。財産は娘たちに分けられますが、末娘は他より多く受けられます。息子は何ももらえません。」
また、チャム族の母系制度は婚姻風習によく示されています。娘が結婚年齢に達したら、両親は相応しいお婿を探し始めます。結婚の仲介は極秘で、仲人に頼みます。女性は結婚を要求する権利があり、花婿は花嫁のアレンジに従い、結婚後は夫が妻方の住居に入ります。さらに、チャム族の母系制度は日常生活にも表れています。

チャム族にはいくつかの伝統的な工芸品があって、それは、素焼すやきの壺つぼと 手織りの布です。素焼きの壺の生産において女性は重要な工程を担いますが、男性は簡単な工程しかに携われません。
チャム族の言い伝えによりますと、素焼き の壺づくり職業の創始者は女性にしか伝えなかったとしています。ところでチャム族は母系的社会でありながらも、母権制度ではありません。
さきほどのベトナ ム民族学博物館・文化研究収集室のレ・ズイ・ダイ室長は次のように語りました。
「チャム族は男を尊重する諺があります。女性は家の役目ですが、決定権は男性にあります。家族の家長は男性です。つまり、その一家の女主人の夫そのものが家長なのです。」

ニントゥアン省にあるポ・イヌ・ヌガ神殿の督者ハン・バン・ザウ氏は「家事は夫婦二人で具体的に分配される。二人は共同で責任を負う」と明らかにし、次のように語りました。
「男性は畑仕事に従事し、女性は家庭内の運営を担います。また、二人は家庭の問題を共同で決定します。夫婦が力を合わせれば、何でも出来ます。」
チャム族の女性は男性と同じように、力を必要とする仕事ができますが、主婦として活躍しています。しかし、礼拝に関しては責任が明確に分配され、女性は家庭内での礼拝、男性は神殿での礼拝を担います。さきほどのザウ氏は次のように話しました。
「男性は礼拝を司ります。神様に宛てたお祈りの文書を作るのは男性しかできません。男性は女性より重い責任を負います。女性は主婦、つまり、家事やお金の預けなどを担います。」

チャム族には「男性は戦闘、女性は出産という諺があります。これはシンプルな言葉ですが、チャム族コミュニティの労働の分担を示します。女性は家庭、男性は社会を管理するのです。

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2018年08月17日

シャーマンとは何か?1~人間の脳の4層構造/追求機能は小脳の運動機能(行動・スピード)が下敷き

採集・狩猟部族の統合の要を成したのはシャーマンの予知・予言であった。
にもかかわらず、シャーマンの研究例は少ない。
シャーマンとは何か?その脳構造や集団・社会構造から明らかにしたい。

まず、前提となる脳の構造を整理する。

『生物史から自然の摂理を読み解く』「君もシャーマンになれるシリーズ13~脳は「生命維持」「運動」「情動」「思考」の4層から成る」を要約した。

脳は、①脳幹→②小脳→③大脳辺縁系→④大脳新皮質の順に作られ、塗り重ねられている。
1.脳幹-生命維持の脳
最も古いのは、脊髄の上端をとり巻く脳幹。呼吸や代謝など生命維持の基本にかかわる機能を調節する。あらかじめ決まっている反応や動作をコントロールする。生命を維持し命を守るのに必要な機能をあらかじめ決められたプログラムに従って調節するのが、脳幹の役割(考えたり学習したりする機能をもたない)。爬虫類の時代には、この脳幹が主役

2.小脳―運動機能の脳
運動機能の中枢(運動の統合機能)。 単なる運動機能だけではなく、言語やイメージなどの高度な思考モデルも写し取る。サルやヒヒまでは小脳の機能は運動に限定されているが、チンパンジーなどの類人猿~人間では小脳が外側に大きく広がり、この領域は高度な情報処理や思考をつかさどる大脳の連合野とつながる。

3.大脳辺縁系-情動の脳
情動の脳の原点は、においを認識する嗅葉と呼ばれる部分。初めは嗅葉はニューロンが2~3層重なった程度の簡単な構造だった。一段目のニューロンでにおいを感じ取り(食べられるか否か、性行動の対象か、敵か獲物か)、二段目のニューロンが神経系を通じて全身にメッセージを伝え、反射行動(食べる、近づく、逃げる等)を命じている。嗅葉から情動を支配する脳が拡大し、脳幹の上端をとり巻く大きさになった。

原始哺乳類の登場とともに、情動を支配する新しい脳が登場。新しい脳は脳幹をとり巻くドーナッツ状で、下の方に脳幹の先端が入り込む格好。脳幹の周囲を縁どる形状から「大脳辺縁系」。大脳辺縁系によって、脳は独自の感情機能を持つようになった。さらに大脳辺縁系は「学習」と「記憶」の能力を進化させる。哺乳類は、周囲の変化に対していつも決まった反応ではなく、少しずつ対応を工夫して適応できるようになった。

4.大脳新皮質-思考する脳
約一億年前、哺乳類の脳は一気に成長し、大脳新皮質ができた。大脳新皮質によって逆境を生きのびるための微調整が格段にうまくなると同時に、そうした有利な神経回路を子々孫々に伝達できる可能性が生まれる。大脳新皮質が大きくなるとともに、脳の神経回路の結びつきも幾何級数的に増加し、脳の神経結合が多いほど、選択しうる反応の種類も多くなる。大脳新皮質と辺縁系の連絡は霊長類が最も稠密で、とりわけ人間の脳は他とは比較にならないほど発達している。

5.非常時は情動が思考を支配する

思考する脳が情動の脳の上に塗り重ねられた。つまり、思考する脳が生まれるずっと前から、情動の脳は存在していた。しかし、大脳新皮質はすべての情動を支配しているわけない。情動にかかわる非常に重要な問題が起こったとき、特に緊急事態が起こったときには、辺縁系が新皮質を押さえ込んでしまう。大脳新皮質の多くの部分は、辺縁系から派生したり拡大したりする形で発生しており、情動を支配する大脳辺縁系が決定的な部分を握っている。情動を支配する脳は大脳新皮質の至る所につながる無数の回路を持っており、情動は思考をつかさどる新皮質を含む脳全体の働きに強い影響力をおよぼす。

6.人類の脳は急速に進化しすぎた!?
人類の脳は他の動物と比べて、上部の大脳新皮質が大きい。

脳の原型はプラナリアの段階で見られ、現在の基本構造に整ったのは5億年前。以降、「生命維持」「運動機能」「情動」をベースに脳は構成され・作動していましたが、人類誕生の段階で急速に「思機能」が進化する。急速な進化を遂げた大脳新皮質が脳をコントロールすることで、それ以前の脳(脳幹、小脳、大脳辺縁系)の機能が制御・抑制されている大脳新皮質の思考機能を抑えることで、脳の基底的役割(生命維持、運動機能、情動)を開花させることができるのではないか?
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このブログによると、人類の脳(意識)構造を、①生命維持→②運動→③情動→④思考の4層に分けているが、①生命維持と②運動→③情動は本能機能(領域)である。一方、サル・人類で発達した④思考は、サル時代に形成された共認機能(相手と自分を同一視する同化機能)と、人類固有の追求機能と観念機能(言葉)に分けることができる。

人類の追求機能は、圧倒的な自然外圧に晒された原始人類が明けても暮れても、みんなで「どうなる?⇒どうする?」と追求し続けることで形成された機能。そこでは、先を読むことが決定的に重要であり、採集時代のシャーマンの予知・予言能力は、日々の「みんなで追求」の中から形成されたに違いない。もっと云えば、極限的な生存状況下に置かれた原始人類は、全員が予知・予言能力を備えていた可能性が高い。

シャーマンの予知・予言能力には、もちろん哺乳類以前の本能機能も下敷きになっているが、要を成すのはサル時代に形成された共認機能と、原始時代に形成された追求機能だろう。

従って、シャーマンを解明する上では、人類の脳(意識)構造を①本能⇒②共認⇒③追求⇒④観念と分類した方がよい。

上記ブログで注目すべきは、追求機能が小脳を下敷きにしているらしいことである。類人猿~人間では小脳が発達し、運動機能だけではなく、高度な情報処理や思考をつかさどる大脳の連合野~言語機能とも繋がっている。つまり、人類で発達された小脳の運動機能(行動機能、その中心はスピード)が追求機能の下敷きとなっていると考えて間違いないだろう。

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2018年08月11日

チンパンジーにあって人類にないもの・・・犬歯

チンパンジーと比較した人類の特徴のひとつに「犬歯の縮小」が上げられる。なぜ、人類の犬歯は小さくなったのだろうか? それは、犬歯を使わなくなったからだ。使わなくなったということは、昔は使っていたということだ。

★それでは、犬歯はいったい何使っていたのだろうか。

チンパンジーをを見ると、確かにオスには大きな犬歯がある。いわゆる牙だ。これはオス同士の争いに使われている。口を開けて牙を見せるというディスプレイだけで済むこともあるが、実際にこの牙を使って闘うこともある。
チンパンジーは主に果実を食べるが、年や季節によっては果実が少なくなることがある。そういう不安定な果実をめぐって、群れ同士で争いが起きることがある。

また、チンパンジーは多夫多妻的な群れを作ることが知られている。その際、群れの中でメスをめぐる争いが起きる。群れ同士でも群れの中でも、オス同士の闘いは激しく、ときには相手を殺してしまうこともある。このときに使われるの犬歯、つまり牙である。ところが人類には、この牙がないのである。

人類とサルの骨格

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2018年08月11日

中国の少数民族、モソ族は世界最後の母系社会

子育てをしている友人たちが、旦那さんより女性たちと共同生活をしたい。そうすれば子育てや仕事のことを相談し合ったり、助け合ったりできる。と言います。
それは、同性だから分かり合えるし安心できるという思いからのようです。

母系社会や母系制は、歴史的に見て決してめずらしくありません。
生まれた家で安心して生涯を過ごすという事例はたくさんあります。
今週は、モソ族の母系社会について紹介します。リンク リンクより

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中国の少数民族、モソ族は1500年以上前から四川省南部の辺境で暮らしてきた人口約5万の民族で、現存する世界最後の母系社会といわれています。

この母系大家族制度は、祖母(おばあちゃん)が家庭の中心で、一族の資産を管理します(家長と財産は、代々女性に引き継がれていきます)。家族全員が祖母(おばあちゃん)の血を引き、結婚という制度をとらず、男は、妻を娶(めと)らず、女は嫁(とつ)がず(お嫁にいかず)、生まれた家で、母親、兄弟、姉妹と、生涯を一緒に暮らす女の国です。

女の子は13歳で成人し、離れの2階に個室(花楼・かろう)が与えられ、18歳から20歳頃に、男性が夜、部屋に訪れる通(かよ)い婚が始まります。女性にとって男性は、アーシャ(阿夏)とよばれるパートナーで、必要なときだけ特別に造られた花楼に通(かよ)い婚(夜這・よばい・夜の営み)に訪れる存在です。アーシャは必ずしも一人に限らず、その相手と一緒に生活せず、子どもの養育義務も無く、父というよび方も無い存在です。

光源氏(ひかるげんじ・紫式部の物語「源氏物語」の主人公。女性遍歴が激しい。)を想像しますが、女性遍歴を重ねるような男性はいなくて、別れはあっても、頻繁に女性を替える行為は、恥ずべき事だと思われています。生まれた子どもは、母親の家族が育て、父親には責任は生じません。少数民族ゆえか、子どもは3人までです。

母系社会では、男と女の愛は、はかなく不確実なもので、母と子の絆こそが永遠だと信じられています。男も女も、時の経過とともに、異性を求めるものなのです。それを受け入れるには、母系社会が最適です。

ここでは、犯罪は、おろかケンカもありません。みんな仲良しで、行政は、トップの数人のみが男性で、あとは女性が取り仕切っています。

みんな、一夫一妻制度を知りませんが、この地に住むものにとって、何の疑いも無く女系社会は最高に良いといいます。女は自立するし、好きな母親、家族と生涯助け合って過ごすことが出来るし、子どもも全員で育てるから素直で良い子になるといいます。

<男脳社会・父系社会は、こうしてできた>

男脳は、成人すると、自分のテリトリー(縄張り・権力・食糧)を確保しようとします。そして、このテリトリー(縄張り・権力・食糧)の内に、女性を確保しようとします。このテリトリー(縄張り・権力・食糧)を犯す他の男は、自分の「DNA」を残すための「敵」とみなし、追い出すか、殺害します。これが戦争(男脳)の原点です。

また、おカネは、形を変えた、男脳のテリトリー(縄張り・権力)です。したがって、おカネがない男(オス)は、意気消沈し、戦力からはずれていきます。守銭奴は、このテリトリー(縄張り・権力)を守ろうとする、男脳の悲しい性(さが)なのです。

支配者は、この男脳のテリトリー(縄張り・権力・食糧)心理をうまく利用し、おカネや戦争へと誘導し、支配します。

戦争(偽旗作戦)は、男脳の闘争本能を利用した、略奪と支配のための、支配者の便利なツール(商売)です。この戦争(偽旗作戦)を維持するためにつくられたのが軍産複合体(軍事産業の維持・発展を推進するための利益追求集団)です。

こうして、自分の「DNA」を託す長男に、代々、テリトリー(縄張り・権力・食糧)、つまり、資産を移譲していくのが、父系社会です。それが現在の「国」の姿でもあります。

具体的にいうと、自分の子どもを特定しなければならないので、女性を家に閉じこめ、貞操を求め、他の男との不倫を禁じます。不倫というコトバも男脳がつくったものです。これを正当化するため、男尊女卑の思想がつくり出されていきます。

良くも悪くも、現代社会は、この男脳によって造られています。男脳には、(すべての)女を独占し、自分のDNAだけを残したいという強い性欲があります。しかし、矛盾するようですが、そんなに厳密性を要求しているわけではなく、スギ花粉のように、いっぱいバラまいた内、そのいくつかが妊娠にこぎつければいいや、というのん気な性欲でもあります。むしろ、射精することに意義あるといった具合です。大変無責任なのです。

ですので、女が妊娠を告げると、たいていの男は、「え?ウソ!」といいます。したがって、母系社会になっても、そんなに自分の子かどうかに、こだわらないともいえそうです。

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2018年08月09日

徐福と秦氏

秦から日本に脱出し、富士王朝を建てたとされる徐福
その徐福が秦氏の祖であるという説もある。
『皇統と鵺の影人検索キーワードダイジェスト集』「徐福と秦氏」から転載する。
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縄文後期~弥生時代(紀元前五世紀中頃から三世紀中頃まで)に掛けて「伊韓(唐)島の周辺と五島列島、壱岐・対馬を含んだ地域で発達した」と言われる太平洋・インド洋を繋げた大航海の伝承と航海技術の伝承が有り、秦の始皇帝時代(紀元前二百二十年頃)に中国沿岸部に、「海人族」として倭人(ワィ)と呼ばれる部族が存在した。

徐福伝説において始皇帝は、不老不死を求めて方士の徐福に「東にある」と言う蓬莱の国(日本列島の事と推測されている)へ行き、「仙人を連れて来るように命じた」とされている。
この徐福の航海を可能にしたのが、中国沿岸部に居住していた倭人(ワィ)と呼ばれる部族(海人族)が持つ大航海技術だったのである。
この徐福伝説の徐福が日本列島へ住み着いた征服部族、「秦氏」の先祖と言われて居る。

徐福は、始皇帝の命で一度日本列島を訪れてその豊かな未開の地に魅了され、新天地で王に成る野望をいだいた。密かに永住を決意して帰国、始皇帝の不老不死願望に期待を抱かせる事に成功すると大船団を編成、大勢の技術者や若い男女ら三千人を伴って渡航、まんまと新天地に移住した。

現代では、中国・江蘇省において「徐福が住んでいた」と伝わる徐阜村(徐福村)が存在している。

徐福の大船団に乗って列島に辿り付いた大勢の技術者は、造船技術者、製鉄技術者、製紙職人、機織り職人、農耕技術者、漁業の専門家、木工技術者などで、正に当時とすれば最先端の「黄河文明」を未開の地に持ち込んだ事になる。

徐福の子孫・秦氏の秦は、機織り物に通じ、秦氏は「織物を司どっていた」とも伝承されている。
その機織りの古い織機様式が、伊豆七島の一つ八丈島に残っていた原始的な織り方「カッペタ織りだ」と言うのである。

倭人(ワィ)と呼ばれる部族(海人族)は、その大航海技術を駆使して黒潮の海流に乗り、朝鮮半島や日本列島に進出、各地に移住して行く。
伊豆七島の一つ三宅(宮家)島の北部には、伊豆地区と神着地区がある。
この三宅島・伊豆地区の名称と伊豆半島(伊豆国)の名称がどう関わっているのかは謎であるが、三宅島・伊豆地区の方が伊豆半島(伊豆国)よりも「早い時期に命名された」と言う事は充分に考えられる。
神着地区は読んで字の事しで「神着(かみつき/カヌチャ)」、つまり事代主(ことしろぬし)の神が御着きに成った場所と言う事である。

この黒潮ハイウェーとも称される日本の太平洋岸を北上する流れの終着点近く、三宅(宮家)島の伊豆地区に三島明神(神社)が、神着(かみつき/カヌチャ)地区に走湯神社が配されて居り、三宅島の三島明神(神社)が伊豆半島・三島大社であり、伊豆国の国府・三島(現・三島市)の名称、そして熱海市にも走湯神社があり、いずれも三宅島にそのルーツを見るのではないだろうか?

この伊豆半島と伊豆諸島には、古代に到達したより独特な海人族文化(倭人文化)や先進な船舶航法が有った。
それらが伊豆半島に伊都国を成立させたのでは無いだろうか?
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2018年08月05日

『宮下文書』による徐福の出自と来歴

徐福とその子孫たちが書き残したとされる『宮下文書』には、徐福自身の伝記が記されているらしい。

ウィキペディア「宮下文書」によると、宮下文書とは、富士山の北麓、山梨県富士吉田市大明見(旧南都留郡明見村)の旧家、宮下家に伝来する古記録・古文書の総称。「富士古文書」「富士古文献」などとも称される。神武天皇が現れるはるか以前
の超古代、富士山麓に勃興したとされる「富士高天原王朝」に関する伝承を含み、その中核部分は中国・秦から渡来した徐福が筆録したと伝えられている。

以下、『ウエツフミとウガヤフキアエズ王朝の研究』「『宮下文書』による徐福の実像」を要約したもの。

●徐福の出自
出自は、韓轅氏。韓轅氏の第4子を忠顕氏といい、その6世の孫を萬正氏という。萬正氏は夏の兎王に仕え、農業を担当した。その子孫は代々夏王朝に仕えたが、滅んだあとは民間人にもどった。その48代の末裔である正勝は、周の武王に仕えて功を立てたので、「徐」という姓を賜り、楚国の首長となった。その子孫が、孔子の弟子の「子路」である。子路の子孫たちが、秦の始皇帝に仕えて重臣となった。その重臣のひとりが、徐福を生んだ。

●宮下文書の徐福に関する記述(概略)
・紀元前3世紀、秦の始皇帝の3年、大陸の東海岸を視察している際中に、徐福は始皇帝に提案し、船85隻に人や食料や資源を満載して出発した。
・第7代・孝霊天皇の時代に、富士山に渡来。
・蓬莱とは富士山のことであり、日本国内にはこれ以外にも神仙(神の山)があと2つあったことが分かる。ひとつは阿蘇山ということでほぼ一致しているが、残るひとつは議論が分かれている。これを「神仙思想」という。
・最初に上陸した島(九州と思われる)には、蓬莱山が無かったので、再び船に乗り南東を目指した。
・次に上陸した土地で3年かけて蓬莱山を探したが、これはのちに紀伊国の木立野の大山であったと判明。
・孝霊天皇74年、みたび一行は船に乗り東を目指し、10日あまりで駿河のウキ島原に上陸。富士蓬莱山の中央高天原に登り、焼津?に到着した。一行は、三か所に分かれて定住した。
・一行のなかには、農夫、大工、職人、医師などが居たので、まず桑を植えて機織りを行わせた。
・武内宿禰が、徐福の来朝を聞いて喜び、富士山本宮七廟惣名・阿祖山大神宮に挨拶にやってきて、のちに熱心な「徐福学」の信奉者となった。(この記述から徐福と武内宿禰はおそらく同時代人、かつ同国人であったことが分かる)
・徐福は神国日本の太古の歴史を書き残す事業に着手して、神々の子孫たちに師事し、その口碑、口談、伝言、および各家に伝わる実記録や系図を集大成して『十二史談』を作った。
・徐福は小室の高座山に、これらの書物や持参した薬師如来を安置して、これを阿祖山大神宮の宝物とした。
・第8代・孝元天皇の御代に亡くなる。

●管理者によるコメント
・徐福一行は何年もかけて日本各地を転々と移住して行った。佐賀に漂着し、熊野に三年間滞在し、そこから駿河の焼津に定住した。
・紀元前3世紀に漂着した徐福の一行は、駿河の国で「富士王朝」と呼ばれた小国を建国するが、その痕跡は富士山の噴火によりすべて失われた。(同じ頃、関西には東北人による大和王朝、九州には日向族によるウガヤフキアエズ王朝があった)
・その後、「富士王朝」は500年近く繁栄して、「大和王朝」や「九州王朝」と激しい対立を繰り返し、ついに紀元後2世紀頃には政権を奪うことに成功した。これがのちに『倭国大乱』と呼ばれる。その結果、即位したのが第10代・崇神天皇である。
なお、崇神天皇は徐福一族が呼び寄せた政治家であり、第12代・景行天皇は職業軍人である。
(神武~綏靖までは九州王朝、欠史八代とは東北人=ナガスネヒコ政権、または徐福の子孫を指す)
・「富士王朝」側に属した人物として、
騎馬民族では、崇神天皇・(垂仁天皇?)・景行天皇・ヤマトタケル
海部族では、武内宿禰・神功皇后・応神天皇
これらの人物こそ、渡来人=秦氏=失われたユダヤの10支族であり、騎馬民族と海人族による連立政権が誕生して、日本の歴史に深く関与してき
た。

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2018年07月31日

「オニババ化」しないために・・・

「オニババ化する女たち」(光文社新書)三砂ちづるさんの本を読んでリンク  リンク

更年期からが実は女盛り☆、出産は辛いのではなく至高の喜び☆etc…、素直に体の声を聞くこと、女としての性を知ることで、固定観念に縛られて硬くなっていた心と体がほぐれる感覚になります
希薄になってきている男女関係の再生を考える上でも大切な認識を教えてくれています。

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■更年期は「喜び」

あるブラジル人の女性人類学者が、インディオの出産を学ぶために、アマゾンでフィールド調査をしました。その調査で発見したことに、その女性人類学者は大変驚いたそうです。  そのインディオの村では、女性は閉経すると、とても喜ぶのだそうです。なぜか?  その理由は、妊娠する心配がなくなったから、子どもを気にせずにセックスを楽しめるようになるから。実際、この村では、閉経後に、セックスがますます活発になっているのだとか。
現代社会では、閉経を向かえた女性は、もう女ではなくなった、というような偏見があります。また、更年期というのは、体の調子が崩れる、まさに「悪いもの」という見方が一般的です。実際、マスコミでは、このような意見、論調が垂れ流されつづけています。  しかし、インディオ社会のように、更年期自体が肯定視されていて、セックスが閉経後も盛んに行われているならば、おそらく女性ホルモンの力によって、女性の肉体は年を経ても活性化していくでしょう。
また、なにより性の充足を存分に味わえる期間として、更年期を迎えるのが楽しみになるのは、不思議なことではないと思います。

■月経は女性が「生まれ変わる」こと。

北部アメリカのアメリカインディアンたちは、女性が初潮を迎えると、お祝いと同時に、こう伝えるのだそうです。

>「ああ、これであなたも毎月生まれ変わるチャンスができた、女はいつでも変わることができる、毎月、月経を通じて生まれなおしができるのだよ」  誰でも、日々、生きていく中で、つらいことがある。しかし、女性は、毎月、月経が来るたびにすべて流してしまえる、生まれ変わることができる、という発想なのです。

現代社会でも、例えば日本では初潮にはお赤飯を炊いて、一応お祝いらしきことはするでしょう。  そのとき、本人や母親の心の中には、何か面倒なものがはじまった、という否定視の意識がよぎることが多いのではないでしょうか。
現在の学校教育の現場では、ジェンダーフリー教育の結果、男女の役割分担が否定され、生理などに関する性教育も男女同時に行われることが多いのです。初潮は男女平等主義から見れば厄介なものでしかないでしょう。
初潮は子どもを産むことが可能になったことのサインです。
出産という、もっとも重要な能力の始まりに対して、プラスで見れるのか、マイナスで見れるのか、ということは非常に大きな影響を、女性の心理にあたえるのではないでしょうか?

■出産の至高体験

先進国では病院で出産することが当たり前になっています。が、日本にはまだ、助産婦さんが出産をケアする、助産所が(全国に約300箇所)存在します。

その助産所に残されている、出産を終えた妊婦たちによる手記を読むと、共通点があります。  それは至高体験です。 >「宇宙との一体感を感じた」 >「自分の境界線がないようだった」 >「大きな力が働いていてそれに動かされているようにゆだねていた」  といった肯定感、幸福感を経験しているのです。  上記のような出産がいかにすばらしい体験だったか、を伝える機会はあまりに少ないと思います。わざと隠されているのでは?と勘ぐりたくなるくらいです。

今の女性に、出産についての持つイメージを聞くと、「痛い」「苦しい」「つらい」といった反応が返ってくることが多いと思います。  実際、テレビのドラマや、学校の保健の授業で見せるビデオには、そうした「痛い」「苦しい」お産のシーンばかりが流れています。しかし、「痛い」「苦しい」と思わされてきたから、本当に「痛い」「苦しい」ものになった、とは言えないでしょうか?  更年期、初潮、出産に関する事例を紹介しましたが、マスコミ、学者・学校が、こぞって誤った事実認識=旧観念を撒き散らしつづけている例は他にも数多くあるように思います。  このことによって、性への肯定的な意識も、充足も破壊されてきたのではないでしょうか。

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2018年07月24日

「安心がないから結婚できない」が、未婚化の理由

未婚化の原因は、新聞やニュースで言われているようなものではなく、「安心がないから結婚できない」という構造になっているのではないでしょうか?

リンクリンクより

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よく取材で受ける質問にこんなのがあります。「最近の未婚化の原因をひとつあげるとしたらなんですか?」
そりゃあ文字数や時間の制限とかあるのでしょうから事情はわかるんだけど、未婚化の原因を一言で語るのは無理です。いろんな要因が複層的に絡み合っているものですから。

しかし、あえて言うとするなら、コレです。社会的マッチングシステムの消滅。つまり「見合い結婚」と「職場結婚」の大減少です。

特に、おっさんとかに多いんですが、とにかく自分は何も調べてもいないくせに、新聞やテレビなどの表層的なニュースだけに影響されて「未婚化けしからん! 」「若い男の草食化はだらしない! 」とかいう人、いい加減事実というものを正確に把握する努力をした方がいいです。無知は恥です。

未婚化について、非正規雇用の増加と若者の貧困化が最大の要因だという人も相変わらず多いですね。それ自体間違ってはいないですが、皆婚時代には決して裕福ではない若者同士が結婚していたわけです。金があったから、裕福だから結婚したわけではなく、むしろ逆。若いうちは貧困だからこそ結婚する必要があったんですよ。

「一人口は食えねど二人口なら食える」そんな言葉があるように、特にに食費などはは一人より二人、二人より三人で暮らした方が安上がりになるわけです。「金がないから結婚できない」人もいるでしょう。しかし、だからといって「金があれば結婚できるか?」という話です。結論からいうと…「できない」。

結婚するしないというのは、実は個人の意思のレベルではないんですよ。すべては社会システムの中で回っていくもの。かつて、若者が貧乏だったのに結婚できたのは、今は貧乏でも終身雇用を約束された会社があったからです。安心を会社という共同体が保障してくれたんです。お見合い結婚が盛んだった農村部は会社の代替を地域の村が保障した。

強固な共同体の保障があればこそ、みんな安心して結婚したんですよ。しかも相手も用意してくれる至れり尽くせりの周到ぶり。いうなれば、結婚とは、共同体維持装置でもあっわけで、結婚してくれないと共同体が困るわけです。だからお見合いだのおせっかいおばさんだのが活躍した。共同体を維持するための共同体によるお膳立て、それが結婚です。

決して個人の努力とか魅力とかじゃねえんですよ、旦那。今はどうです?ええ?たとえ、いまこの瞬間年収が高くても10年後も稼げる保障はない。今正規社員でもずっとそうだとは限らない。正規だろうが非正規だろうが不安だらけなんです。不安は人から行動する気持ちを奪います。

つまり「金がないから結婚できない」のではなく「安心がないから結婚できない」んです。僕が言う社会的お膳立てシステムの復活というのは、決してお見合いや職場結婚の復活ではない。それに代わる、社会としての安心を提供する仕組みなんですよ。

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2018年05月15日

男にとっても「究極の理想郷」~女がすべてを決める島~

女が全権力を握る!と聞くと、男は虐げられているのかな?と思ってしまいそうですが、どちらも幸せ☆という関係が実現している国があります。

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ギニアビサウ ギニアとセネガルに接するアフリカ西部の共和国。人口約141万人。
大陸部とビジャゴス諸島など60の島からなる。国民のほとんどが自給農業に従事。
かつて奴隷貿易の拠点とされたが、74年ポルトガルから独立。使用言語は、公用語のポルトガル語のほか、各部族語およびクレオール語。

『男にとっても「究極の理想郷」~女がすべてを決める島~』

あたりに澄んだ日の光が差し込むころ、キンタが目を覚まし、伸びをした。そろそろカシューナッツを採りに行く時間だ。カシューナッツは米と交換できるだけでなく、実をつぶして果汁を搾り、発酵させ蒸留酒を造ることもできる。ほかにも、畑の種まきの時期を見定め、夫エステボの仕事の段取りもしなければならない。9歳、6歳、8ヶ月という3人の子供たちの世話も、彼女の仕事である、

キンタ・アウグスト(26)は「女たちの村会」の第一議長。15日ごとに村人の討議を取り仕切っている。夫のエステボは彼女の秘書。女性たちの発言を一つずつノートに書き取っている。

■男はすべての面で女に劣る

キンタとエステボが一緒に暮らし始めたのは8年前。キンタは、エステボの逞しい体、やさしい性格、そして性器に惹かれたという。彼女の弁によると「セックスなしには、人は幸福になれないから」

一方エステボは、知性と責任感の強さがキンタの魅力だと語る。「道理をわきまえているし、僕がすべきことを的確に示してくれる。彼女のおかげで、お腹が減ったときも食べるものに困りません。少しでも彼女の支えになれれば、といつも思っています。僕は本当に幸せです。」

動植物の楽園といわれるビジャゴス諸島。3万3000人の人々が額に汗して働き、暮らしている。赤土の壁と藁葺き屋根の家には、電気も水道もない。彼らは警戒心が強く、なかなか打ち解けようとしない。よそ者が土地を訪れるのを嫌い、伝統的な精霊信仰を続けている。母権社会を維持できたのも、彼らが閉鎖的なうえ、ギニアビサウのなかでも僻地に暮らしていたからだろう。

■「山盛りご飯」が愛の証

「ビジャゴスでは、女がパートナーの男を選ぶ」と、20世紀初頭にこの地を訪れたオーストリアの人類学者フーゴ・アードルフ・ベルナツィークが記している。

「女が思春期に達し、部族の一員として認められると、その女は炊きたてのご飯を山盛りにして好きな男の家の前に置く。これがプロポーズなのだ。男はそれを食べ、女の家へと引っ越す。また、ある日、男の持ち物がすべて家の外に出されていれば、それは出て行けという意味なのだ。」

古代アフリカでは、女性が社会的に高い位置を占める母権制の社会が主流であった。紀元前1世紀の歴史家、ディオドロスの著作にも「アフリカとエジプトの男は、いかなる場合も妻に服従しなければならない」という記述がある。

「守護神ニンドが男を作ったのは、椰子の実を集めたり、畑の草を取ったり、サルを追い払ったり、魚を獲ったりして、女を助けるためです」とネトは語る。「賢さや強さの点で、僕たちは女にかないません。もちろん、リーダーになり、集団を組織したがるような男もいますが、まさか”一家の長”になろうとまでは思わないでしょう。これがこの土地のしきたりなのです」

■成人式に男の扱い方を学ぶ

朝、エティコガに、祭司を務める5人の女が集まっていた。秘儀「藁切り」を執り行うのだ。藁切りは、少女たちの成人式とも言うべき通過儀礼である。少女たちは森で藁を刈り、その藁で神殿を覆い、その後、女長老から先祖伝来の知恵を授かる、祭司の女たちは、精霊の言葉に耳を傾け、女王を指名する任務を担っている。

精霊が体内に入ったので、少女ドミンガは口がきけない。精霊が彼女の体のなかで、先祖を敬う心、村のしきたり、男の扱い方などを教えているのだ。ドミンガは、先祖とニンドの神に誓いをたてる。一家の長として働き、家族の健康に気を配り、家族が法を犯すことのないようにと。誓いには、自分と将来生まれる子供の命をかけているという。
明日は祭りの日。ベリタは、祭りに合わせて髪を編み込んだ。祭りでは、女だけが伝統の踊りを踊ることが許されている。(中略)この地では、女が男をダンスに誘う。女がそばにいないと、男は不安でたまらなくなる。男たちには、手取り足取り教えてくれる母親のような存在がどうしても必要なのだ。女なしでは、男はどう踊ればいいのかもわからない。ベリタと仲間の女の子たちは、腰を振って踊り、歌い明かす。

彼女たちは、この地で生まれたことを喜んでいる。人々を指導すること、集団を組織すること、そして一家の長になることが好きなのだ。16~20歳の若さだが、皆、逞しくて賢そうに見える。すでに何人かには子供がいる。男は生まれつきふがいない生き物なので、彼らに屈することは断じてありえない、と語る。

彼女たちには、怖いものなど何もない。蛇も、毒針をもつエイも、先祖たちの霊も、守護神のニンドすら、恐れるに足らないという。この世界を7日間でつくたニンドから、ギニアビサウの対岸、つまりゲバ川の河口の先に広がる大オランゴ島地域に賜ったのは自分たち、つまり女だと確信しているからだ。

リンク

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