RANKING
にほんブログ村 歴史ブログへ
NEW ENTRIES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK

2010年01月06日

本格追求シリーズ1 人類の”性”の本質を探る<人類の性欲構造 まとめ>

こんにちは「人類の”性”の本質を探る」と題した本シリーズは「人類にとって性とは?」のテーマに引続き、計6回に亘って、「人類の性欲構造」について追求してきました。 😀
今回は、この「人類の性欲構造」追求のまとめを行いたいと思います。
imga6671cfezikfzj.jpg
画像はこちらからいただきましたリンク
前回のテーマ「人類にとって性とは?」の追求によって、
『人類の性の本質=「安定と変異の両立」と言う”本能次元の性の本質”の上に、「集団の最大の活力源・共認充足源」としてのベクトルが塗り重ねられてきた』
すなわち、人類の”性”=徹頭徹尾「共認充足」の為のシステムであると言うことが解りました。
今回のテーマでは、この人類の性の本質を念頭に、人類の性欲構造について追求してきました。
中身に入る前にポチっとよろしくおねがいします。

にほんブログ村 歴史ブログへ


人類の”性”の本質を探る 人類の性欲構造~まとめ
1.本能による性欲(発情)から、期待・応合による性欲(発情)へ
「人類の性欲構造4 人類の性システム」
「人類の性欲構造5 哺乳類と人類の性欲構造の違い」より


●哺乳類一般の性欲構造
(外圧(生存圧力) ⇒ 繁殖課題 →)雌が発情期に発情・フェロモン分泌 → フェロモンを感知し雄発情 → 性闘争(雌の獲得を争う闘争)

発情期は、子育てしやすい時期(=子供の生存確率が最も高くなる可能性のある時期)に設定されており、一定周期ごとに”自動的に雌発”で発情スイッチが入ります。(これが所謂繁殖期であり、すなわち性欲さえも外圧適応の原理に基づいてセットされていると言うことになります。)
この発情周期は、雌の排卵周期として設定され、発情期以外に交尾することは殆どありえません。
なお、排卵の方式には”反射排卵型”と”周期排卵型”が存在し、ほ乳類は交尾と同時に排卵する反射排卵型から始まり、淘汰適応の中で、”周期排卵型”が登場してきたことも解りました。
人類の場合は、ご存じの通り、”(中期)周期排卵型”となり、人類に進化する以前の猿時代から、この排卵方式へと変化しています。
人類はこの本能構造(=排卵周期に合わせてのみ発情)を超えて、365日交尾(SEX)が可能な状態になっています。
なぜ、人類のみ年中発情となっているのか?
その理由は、人類の極限時代(始原人類)の外圧状況を考えることで、見いだすことが出来ます。

実現論 前史 ト.人類の雌雄分化と人類の弱点
人類のメスは(首雄でも防ぎ切れない)飢えや怯えに晒され、サル以来はじめて自らの不全感を直撃されたメスは専ら解脱収束を強め、強力な解脱収束⇒ 性機能収束回路(エンドルフィンとドーパミンの快感回路)を形成していった。
だから、人類の女は徹頭徹尾、応望存在であり、自らの役割欠損を専ら性機能に 収束させてゆく性的存在である。
もちろん、それら全ては首雄の期待に応えて役割充足を得る為であり、従って男たちはそんな女たちを、純粋にかつ積極的に肯定視してきた。それどころか、樹上機能を失い、絶望的な状況下に置かれたカタワのサル=人類が、その極限時代五〇〇万年間を生き延びることが出来たのは、性と踊りをはじめとする強力な解脱充足回路を形成し得たからであり、もしそれがなければ、人類は生きる希望を失って早々に絶滅していたであろう。

すなわち、性によって「共認充足を得る為」「生きる活力を得る行為」、共認機能(期待と応合)によって、本能構造を再統合したと言えます。
この“本能機能による性(=子孫を残すための性)”から“共認機能による性(=充足のための性)”への転換は、皆(とりあわけ極限時代においてはボス)の不全を解消するために、女性側の“排卵と密接に結びついた発情”を排卵から切り離したことで実現した、つまり“女”発で進んだ可能性が高いと考えられます。
ほ乳類の本能構造からも、雌が発情状態であれば、雄は直ぐに発情可能であり、すなわち女が排卵周期と切り離して、年中発情を可能にした→男も年中発情が可能になったと言えます。


●人類の性欲構造
圧倒的な外圧(生存圧力) → 絶望的不全状況 ⇒ 不全解消期待 → (解消期待に応合して)年中発情 → 共認充足

2.共認機能による性=本源の性
「人類の性欲構造3 本源の性とは?その性欲のスイッチは?」より
上述の「人類の性欲構造」から、共認機能=期待応合関係に基づいた性こそ、人類の根源的な「性」のあり様と言えます。この期待応合関係に基づいた性を、最も根源的な性と言う意味で「本源の性」と呼びます。
この「本源の性」における重要ポイント=現代の性(自我・私権の性)との違いは、以下であることが解りました。
「本源の性(=共認の性)」の本質
①性的、情動的、精神的エネルギーの相互挿入=最大の共認充足である
(単純な肉体的挿入行為が目的ではない)
②互いに100パーセント心を開き、自分を明け渡す=肉体を超えた精神的一体感
(少しでも自己中心的な意識が介在すると、絶対に得られない充足)
③男の性欲のスイッチは庇護意識(充たしてあげる)であり、そのスイッチを入れるのは女発の性充足期待(充たしあいたい)
(人類の性欲構造である期待→応合に基づいた性)

なお極限時代は、圧倒的外圧状況の中で本能に基づく男の性闘争(雌の獲得を巡る雄同士の闘い)は完全に封鎖されています。性闘争を封鎖せずに、年中発情を行うと、あっと言う間に滅びてしまうからです。
この為、極限時代の性、本源の性には、自我も独占欲も存在せず、純粋な期待・応合関係によって成り立っています。
3.私権時代特有の自我・私権の性
「人類の性欲構造2 私権時代特有の自我・独占の性」より
純粋な期待・応合関係によって成り立っていた、極限時代の本源の性は、略奪闘争の開始により、性闘争の封鎖が解除され、本能構造に基づいた自我・独占の性へと”後退”します。

実現論 私権時代 イ.人類の同類闘争=性闘争から掠奪闘争へ
人類が五〇〇万年に亙って封印してきたパンドラの箱を開け、性的自我から性闘争を顕現させた遊牧派生の不倫→駆け落ち集団=邪心集団は、全集団間に警戒圧力を生み出し、遂に五五〇〇年前の乾燥期、彼らによってまずイラン高原(メソポタミアとインドの間の大高原)で、人類最初の同類闘争=掠奪闘争の幕が切って落とされ、次いで中央アジア高原に連なる遊牧部族の帯を介して、モンゴル高原(北方アジアの大草原)に伝播していった。  
掠奪闘争は、部族から部族へと玉突き的に拡がり、勝ち抜き戦を通じて、次第により強大な武装集団の下に統合されてゆく。
こうして、数百年に及ぶ掠奪闘争の結果、ほぼ全ての本源集団が破壊されて終った。
元々、モグラの性闘争とサルの同類闘争は、性闘争=縄張り闘争の本能上でつながっていたが、性闘争の禁を破った人類も、本源集団を破壊し本源共認を解体してしまったことによって、いったんモグラ→サルと同じ本能レベルに後退し、性闘争を皮切りに同類闘争=掠奪闘争を繰り広げた事になる。

こうして、略奪闘争を経て、人類は集団の共認によって統合されてきた本源的社会から誰もが私権(私的権益あるいは私的権限)の獲得=私権闘争に収束することによって統合される私権統合の社会へと変わっていきます。
この私権社会における性は、性闘争本能を下敷きにしています。

性闘争=縄張り闘争であり、同じ種族の仲間(成体)を「敵」と見なす本能なので、人類にとっての「縄張り」である「私権闘争」や、「自己肯定・他者否定」である「自我」と極めて結びつき易い。言い方を変えれば、私権時代の「自我・私権闘争」とは、「私権を媒介にした(本能である)性闘争」に過ぎないとも言える。すなわち、私権時代=有史以来の文明社会とは、本能原理に基づいた社会に過ぎなかったともいえるわけです。
るいネット投稿より

私権時代の男はなにごとにも優先して女の獲得闘争に明け暮れ、より商品価値の高い女を独占するために⇒財(お金)を手に入れる⇒地位を手に入れる⇒学歴を手に入れる の努力を行ってきました。このような性闘争の原動力には、「みんながうらやむ」という評価と一致していることがあり、私権の獲得→女の独占によって、自我の充足を得られていたのです。
すなわち、私権時代特有の自我・私権の性とは、正確に言えば「本能である性闘争→縄張り闘争→私権闘争に基づいた性」であり、「自我充足(≒自己満足)の為の独占の性」であると言えます。
この自我・私権の性のポイントは、以下のように整理されます。
「自我・私権の性」の本質
①女をものにする=独占することが全て→挿入主義(挿入こそ独占の証)的価値観へ
②自我を充足する為のSEX=とことん自己中心的な性
③性欲のスイッチは男の性闘争本能と自我充足

先述したように、ほ乳類の場合は、発情期にのみ性闘争を行いますが、人類の場合は年中発情の為、365日性闘争状態となります。
(だから、異常に疲れる)
性闘争を放置すると、あらゆる面で社会秩序崩壊・集団破壊が起こる為、私権時代はこれを力の原理(序列)と社会規範によって無理矢理制御してきました。しかし、これは非常に無理のある統合であり、だからこそ、力のゆるみが出れば、性犯罪・反集団行動が状態化して社会がガタガタになっていきます。
4.現代の性~性衰弱の原因構造」
「「人類の性欲構造1ー① 現在の性のいきづまり」
「人類の性欲構造1ー② 性(欲)衰弱の原因構造」より
1970年前後に貧困が消滅し、貧困=飢えの圧力が消滅したことから、私権獲得の必然性が失われ、皆が同等の豊かさを手に入れたことから(相対的優位欠乏である)私権欠乏も衰弱していきます。
この私権欠乏の衰弱を受けて、自我・私権の性も概ね2000年前後に衰弱していきます。
 私権・性の獲得を誰もうらやましがらない→自我充足欠乏の衰弱→独占欲の衰弱と言う構造です。

2000年前後にはセックスレスが社会現象として健在化し、恋愛においても、自我による恋愛熱が衰弱し長期化や複数化が進みます。一方で結婚しない若者が増え、未婚率が上昇。また離婚率も上昇しました。
2000年前後から始まったこの性の衰弱は、2008年頃から更に全面的・全世代的に広がっていきます。特に、男の性欲衰弱が著しく、草食男子や婚活などが社会現象として話題を呼んでいます。
性の衰弱は、生物が雌雄に分化して以降経験したことのない異常事態。なぜ、ここまで性は衰弱してしまったのか?その理由を私権欠乏→独占欲の衰弱だけに求めるのは、無理があります。
(独占欲が衰弱しても、人類本来の共認による性が存在するので、全面的な盛衰弱とはなり得ないはず)
ちょうど、このテーマの追求中に、なんでや劇場でその内容が扱われ、性衰弱に対する仮説が提示されました。
性衰弱の原因は、「収束不全:古い秩序が崩壊・消滅しようとしている、しかし新しい秩序が登場しない。」と言うことに対する、不安と焦り。この不安と焦りが、性欲さえ「それどころではない」と脇に追いやっている。これが提示された性衰弱に対する仮説です。
秩序の崩壊とは、「秩序化と言う生命原理」の崩壊であり、全てに先立って解決しなければならない最優先課題となります。
すなわち、収束不全とは、性欲よりも深いところにある適応本能を直撃する不全であり、適応本能が作動して、性欲よりももっと深いところで「どうする?」と言う探索に向かっている。
だからこそ”性どころではない”と言う状況認識によって、性が脇に追いやられ、全面的・全世代的な性衰弱が生じているのです。
5.次代の可能性」
「人類の性欲構造1ー② 性(欲)衰弱の原因構造」より
このように、現在の性は全面衰弱過程を迎えていますが、これはある意味で「自我・私権の性」のリセット過程とも言え、人類の摂理に則った、人類本来の「本源の性」を再生する最大の可能性となり得ます。
なお「本源の性」の再生に向けた、新しい男女関係の構築は、「新秩序の構築」と一体となると考えられます。
古い秩序が崩壊していく現在、男の最優先の闘争課題は「秩序崩壊のキャッチと先行き探索、新秩序を構築すること」。そして、現在最も可能性のある「充足基調」を生み出している女の役割とは、持ち前の羅針盤感覚をもとに、女が先行き探索と新秩序の形成を男に期待していくことです。
 女が男に新秩序の形成を期待→男はその闘争課題に応えていく。
この期待・応合関係は、人類本来の期待・応合関係に基づいた男女関係となると同時に、現在の収束不全へと突破口を開いていきます。
そういう意味で、ここから新しい男女関係をスタートしていける可能性が十分にあると考えられるのです。
一方で、この期待・応合関係も1対1の課題として捉えている限り、突破口は開いていけません。
収束不全に答えを出し、新秩序を一人で構築していくなど到底不可能な課題。課題に応えが出せない限り、女を護っていくことは不可能である為、庇護意識による性欲は生起し得ません。
一人で女を護っていく、庇護していくと考えた途端、重い課題・不可能課題であると感じてしまう理由はここにあります。
個人の庇護意識と捉える限り、本来的な性欲は生起しません。
極限時代の人類でもそうであったように、男も集団全体で護ってあげると言う意識に変わって、初めて、庇護意識が男の性欲にスイッチを入れるのです。
すなわち、新秩序の構築に向けた闘争課題を(企業や地域集団の)集団課題として取り組み、その上で男女の期待・応合関係を築いていくことが、性を再生していく突破口となっていくと考えられます。
◆人類の”性”の本質を探る 新テーマ~人類の性機能
これまでの追求で人類にとっての”性”の本質と、その性欲構造が明らかになりました。本シリーズでは、引き続いて、人類の”性機能”について追求していきたいと思います。
実は、性器も含めて人類の”性機能”は、一般的なほ乳類と比較しても非常に特殊なようです。(体に比較して大きい男性器、目立った女性の乳房、極めて不明瞭な排卵日など)
この特殊な性機能の背景には、人類の性の本質である「共認充足」が関係しているのは間違いないと思われますが、どのような経緯で、性機能が構築されてきたのか?
生物学的見地も取り入れながら、追求していきます。お楽しみに 😀
るいネット
メルマガ

> List 

trackbacks

trackbackURL:

comments

外圧の高い狩猟部族も、採取部族と同様に、母系社会だったことが気づきでした。人類の婚姻のほとんどは母系社会だった。
現在の一対婚の行き詰まりを考えると、この母系的社会の仕組みと集団に守られた婚姻形態がヒントになるのでは?と思います。

  • yooten
  • 2010年5月8日 20:08

>狩猟部族の婚姻形態を分析することは、現在の婚姻形態を理解する意味でも大切となります。
とてもわかりやすかったです。
勇士資格の人工的しくみついて教えてください☆

  • hikaru
  • 2010年5月8日 20:10

外圧低下が、ボス集中婚(男一人 対 女複数人) ⇒勇士婚⇒勇士婿入婚⇒兵士婚と、徐々に1対婚(男一人 対 女一人) に近づいていく点が興味深いです。
1対婚があたりまえの現代ですが、1970年以降の貧困の消滅以降のさらなる外圧の低下によって、現代においては1対婚(男一人 対 女一人)すら崩れており(晩婚化、少子化、アラフォー、出生数の減少と出生率の低下、彼氏・彼女のいない若者の増加、草食男子、熟年・若年離婚の増加、シングルマザーの増加など)しまいには、1対婚(男一人 対 女一人)の対が無くなって、最終的な男一人、女一人だけの婚姻という一人婚とでもいうべきものに収束していくのではないか、と危惧しています。

  • daisuke
  • 2010年5月8日 20:17

>狩猟部族の婚姻形態は、その系統の一部が、現在の多くの先進国で採用されている一対婚へと繋がっていきます。
今後の展開が楽しみです。

  • mrran
  • 2010年5月8日 20:23

hermes bags at auction 共同体社会と人類婚姻史 | 本格追求シリーズ2 世界婚姻史の構造解明(その1)「第6回 狩猟部族編」

共同体社会と人類婚姻史 | 本格追求シリーズ2 世界婚姻史の構造解明(その1)「第6回 狩猟部族編」

comment form
comment form