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2019年06月23日

地球史と生命の起源年表(補)~雌雄分化の過程(原核単細胞→真核単細胞→多細胞)

雌雄に分化する過程は、①原核単細胞の性→②真核単細胞の性→③多細胞の性に分かれる。

1.原核単細胞時代(40~15億年前)
・原核単細胞には、古細菌と真正細菌の2系統があるが、DNAは剥き出しの状態。DNAをなぜ格納しなかったのかは、最近の定説によると、分裂するのが最大の闘争課題で、そのためにはシンプルである必要があったからだと言われている。また、種の概念が成立する以前の生物であり、DNAが種を越えてやり取りされていたのも大きな理由のひとつらしい。
・危機に瀕した際のDNAの交換は、バイオフィルム状の階層空間を利用したプラスミドの相互交換が中心。さらに、超寒冷期などの最悪の状況下では接合して、相互に相手のDNAを利用し合うケースも稀にあったらしい。それが後のボルボックスなどの群体に進化していったと考えられている。
・真正細菌も古細菌も、本格的な性はまだ持っていないし、大きさ自体が非常に小さく、形態的な分化の限界もあった。そのため、学術的には長年無視されてきたが、最近のDNA解析の技術で、中間種でありながら生殖可能なタイプが次々と発見されてきており、種の区分が不明瞭な点は証明が進んできている。

2.真核単細胞時代(15~6億年前)
・約10億年前には繊毛虫類が登場。当時から遅くとも2億5000年前までには現在と同じ構造のゾウリムシに進化したらしく、代謝核としての「大核」と生殖核としての「小核」を持っている。性の起源として以前から注目されていた。
・この2核の分化が運動と生殖の分化であり、生活環と同型配偶子生殖の起源だと言われている。
・多細胞生物の初期段階あるいは高度な群体とも言えるカイメンも約10億年前に登場したが、カイメンの機構は襟細胞との近似性が高い。また、同型配偶子を活用した生殖を行っている。
・真核単細胞生物の性は、原核単細胞生物と真核多細胞生物の中間に位置し、雌雄分化の前段階の殖産分化のステップと思われる現象が多々観察されている。実は、真核単細胞生物の系統的解析は、最近の分子生物学の成果が活用され始めてからまだあまり期日が経っていないため、かつての分類自体が見直されてきているが、あと4~5年程度で原生動物の全貌がわかると推測されている。
・他にも、真核単細胞生物には多様な性現象を有したものが多く、原生生物の研究は、マーグリス以降、非常に活発になってきた。その影響もあって、現在の最先端では、多細胞動物の起源は何かという視点での系統研究も行われている。

3.多細胞生物(6億年前~現代)
・種の概念がほぼそのまま適用できるようになったのが、多細胞生物時代以降。雌雄分化の“本丸”もこの時代の産物である。
・8~6億年前の全球凍結の直後に、エディアカラ動物群→バージェス動物群が海中で適応放散する。脊椎動物の祖先とも言われる脊索動物も5.3億年前には登場した。その後、動物の地上進出は約4億年前頃になる。
・多細胞生物と群体の線引きは曖昧だが、原生生物段階がゾウリムシの「大核」「小核」などの殖産分化だとすると、異型配偶子の登場=精卵分化が多細胞生物の段階になる。
・精卵分化の次のステップが躯体分化だが、肢体の差が明瞭に現れるのは、節足動物系では4.3億年前の昆虫類の登場、脊椎動物への系譜では初期両生類が登場する3.8億年前頃になる。どちらの系譜も、体格などの差が明瞭に現れてきた時代である。
・雌雄分化は性染色体によるものと人間は考えてがちだが、正確には性染色体で性別が固定されるのは、哺乳類と鳥類だけ。爬虫類以前は、環境要因によってオスメスが決まるため、中には成熟してから性転換する種もいる。
・植物は動物よりも少し早く地上に進出したが、オゾン層が形成されたのが5億年前で、その直後から4.5億年前頃までには、コケやシダの他、地衣類(菌類にクロロフィル保有生物が2次共生した共生体)が上陸し、地上進出の最初の段階から雌雄分化が行われていたらしい。

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2019年06月23日

地球史と生命の起源年表(補)~全球凍結と多細胞化

23億年前と6億年前の二度、地球全体が氷床に覆われたといわれている。(後期は7.5億年前と6億年前の二回説もある)

1度目は27~30億年前に登場したシアノバクテリアに起因する。
光合成に伴い放出された酸素は当初は海中の鉄などと化合したが、23億年前、海中の鉄分がなくなり大気中へと放出されはじめた。
それまで大気は二酸化炭素と火山やメタン菌が出すメタンに覆われており、メタンと二酸化炭素の温室効果で地球は温暖であった。
火山活動が衰退した後、シアノバクテリアが放出する酸素とメタンが化合し、水と二酸化炭素に分解される。二酸化炭素の20倍の温室効果があるメタンの減少が地球を急速に冷却させ全球凍結へと至った。
太陽光の届かない=光合成が不可能な海底1000mまで凍結したようだが、海底火山付近や地中へと適応したものがかろうじて生き残ったと言われている。数千万年、氷の中に閉じ込められていても、解凍後に活動を再開することも可能であっただろう。

地殻変動などで火山活動が活発になり再び地球が温暖化し、全球凍結は終焉したが、注目すべき点は、この時期に真核生物が登場していることだ。2度目の全球凍結が起こった6億年前にもエディアカラ生物群~カンブリア爆発と呼ばれる大型化を伴う多様な進化が見られた。

真核生物も原核生物より遥かに大きく、嫌気性と好気性の原核生物の共生(多細胞様な進化)とみれば、多細胞化~大型化が全球凍結~温暖化という自然外圧の変化に適応した進化と考えられる。

このように、地球史の中で最も過酷だったと言われる2回の氷期の直後にはそれぞれ、2倍体細胞or真核細胞生物の登場、あるいは多種多様な多細胞動物の誕生など、特筆すべき大進化が確かに起こっている。

氷期というのは生物にとっては逆境中の逆境とも言える生存のピンチだが、この逆境を乗り切るためにしばしば採ってきた戦略が細胞融合や合体である。30億年以上前の原核生物の時代からこれらの生存戦略をとって生物は生き延びてきた。

20数億年前の超寒冷期が、単細胞同士の融合(≒DNAの溜め込み・生体保護のための核膜や細胞壁の創出etc)から出発したひとつの完成形としての2倍体細胞や真核細胞を生み出し、同じく8億~6億年前の超寒冷期が、群体形成の次のステップである多細胞化の実質的母胎、つまり細胞間シグナルやコミュニケーションのシステム(≒細胞の役割分化系統)をほぼ完成させた。これが後のエディアカラ動物群やバージェス動物群などの所謂カンブリア大爆発と呼ばれる多細胞動物全盛の時代に繋がっているという仮説もある。

氷期の到来や地殻変動などの絶望的とも言える環境の大変化を前にして、生物たちは種が存続できる唯一の可能性だったであろう同類同士の連携や協力関係に収束することで、細胞内の器官(俗にオルガネラと呼ばれる)や細胞同士の組織化(=細胞の役割分化と統合)のシステムを構築してきた。

なぜ多細胞化したのか?、なぜ高度な細胞間システムが生まれたのか?
これらは大きな謎だったがが、地球環境激変という危機に遭遇するたびに、同類間の協力関係を強め、例えば氷の中で一番外側の細胞はシェルターとしての機能だけに後退し(≒死をもって種の存続に貢献し)、その次はその内側の細胞が周りの細胞とのシグナル交信によってその役割を継承した。そして、大半の細胞がほとんど物質直前というレベルに耐えながら、将来の神経系統の進化に繋がる細胞間のシグナル伝達機能だけを高度化しつつ、多細胞生物の開花に備えて静かに静かに生き延びることに成功したと考えられる。

この秘策こそ、それまでも危機に瀕するたびに単細胞生物たちが採ってきた細胞の集合化や共同体化という戦略であり、その延長線上に多細胞生物が登場した。

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2019年06月23日

地球史と生命の起源年表 46億~5億万年前(定説)

46億年前  ・太陽系誕生≒地球誕生。

45億年前  ・大衝突仮説(地球に天体が衝突し月が誕生)。地球では地殻~マントル~外核~内核が形成される。

43億年前  ・大気は二酸化炭素と水蒸気が中心。大気中の水蒸気が雲をつくり雨が降り注ぐようになったが、地表の温度が高いため蒸発を繰り返す。
・地表は岩石が溶けたマグマオーシャンの世界。

41~38億年前・後期重爆撃期仮説=月のクレーター等の痕跡がそのなごりと言われている。生命体は後期重爆撃期の直後に登場したというのが有力な仮設だが、最近では後期重爆撃期を生き延びた可能性も議論されている。

40億年前  ・原始海洋が形成される。海水の成分は亜硫酸や塩酸が溶けていたため酸性だったが、地上の金属イオンが雨とともに流れ込んで、海水は中和され、二酸化炭素を溶かし込むことが可能になった。
⇒地球全体は還元的な環境になっていたらしい。

40~35億年前・原始生物の登場:最古の化石は35億年前の西オーストラリアで発見されたもの。メタン生成の痕跡がある古細菌の一種と推定されている。
・真正細菌もほぼ同じ時代に登場したと想定されている。

36~32億年前・真正細菌の一種から光合成細菌が登場する。最初の光合成では、水を使わず硫化水素等を使っていたので、まだ酸素発生型光合成には至っていない。
※ただし、クロロフィルは発生と退化を繰り返すという認識には留意しておくべき。

32億年前  ・酸素発生型光合成生物(=シアノバクテリア)が登場。
※シアノバクテリアの体内で二酸化炭素が固定されるので化石燃料ができたという説もある。

27億年前  ・地球の磁気が生まれる。磁気圏が誕生すると、太陽風のバリアとして機能するので、シアノバクテリアの活動はより旺盛になったという説もある。
・シアノバクテリアの繁殖が進み、シアノバクテリアの化石も発見される。酸素の供給量が海中で上昇し2価鉄が3価鉄に変わり、海中には縞状鉄鋼床が形成されていく。
・ほぼ同時期に好気性細菌が登場し、酸素の持つ高エネルギーを活用した肉食性バクテリアの起源になった。

25~19億年前・縞状鉄鋼床の産生の活性期だが、19億年前には海中の鉄がすべて酸化されたため縞状鉄鋼床の産生は姿を消す。

20億年前  ・大気中の酸素が上昇を始める(20億年前で1%)。海中の鉄がすべて3価鉄になると、酸素と化合する鉱石が無くなり、余剰の酸素が大気中に放出されるようになった。

20~15億年前・真核生物の登場時期。化石は15億年前のものが最古。

12~10億年前・原生生物(≒真核単細胞生物)の適応放散。これは近年のDNA解析で証明されたとされている。

10億年前  ・最古の多細胞動物カイメンが登場する。この説は「襟鞭毛虫起源説」と呼ばれ、餌の捕り方が襟鞭毛虫(=原生動物)によく似ているという点から来ている。

8~7億年前 ・全球凍結。この期間に多細胞型有性生殖の仕組みが完成した。

約6億年前  ・エディアカラ動物群→パージェス動物群の登場(カンブリア大爆発)

約5億年前  ・地上の対流圏の酸素濃度が現在と同じ21%になる。
→成層圏にオゾン層が形成。→地上に届く紫外線が減少→生物の地上進出が容易になった。

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2019年06月21日

植物の進化史

38億~36億 生命の起源(ウイルスに近い生命)

30億~28億 バクテリア[細菌]の出現(原核細胞生物)

28億~26億 光合成生物の急増(ラン藻類)

22億~20億 真核細胞生物の出現(植物)

12億~10億 多細胞生物の出現(植物)

08億~06億 最初の動物出現(原生動物)

06億~04億 大型多細胞生物の出現 カンブリア大爆発

5.0億~4.8億 魚類の出現(脊椎動物)

4.8億~4.5億 節足動物が海中より陸に上がる(クモ、サソリの類)

4.2億~3.9億 植物の陸上移動(シダ類など)

3.9億~3.6億 脊椎動物が海中より陸へ上がる

『自然考案』「生命の起源」より

分子生物学によると、緑色植物門・シャジクモ藻綱の車軸藻類が陸上植物の 祖先群であると言われている。

植物の陸上進出と車軸藻植物の関係を示した図。緑藻から車軸藻植物が進化し、車軸藻植物の中で厳しい陸上環境に適応した藻類が現在の陸上植物の起源となったと考えられている。(東京工業大学の発表資料より)

植物の陸上進出と車軸藻植物の関係を示した図。緑藻から車軸藻植物が進化し、車軸藻植物の中で厳しい陸上環境に適応した藻類が現在の陸上植物の起源となったと考えられている。

水中の藻類には中心体が存在するが、陸上植物で最も進化した被子植物の細胞には中心体がない。

陸上植物のうちコケでは、精子には中心体があるが、胞子形成では中心体がなく、代わりに葉緑体が紡錘糸を形成するとのこと。

生命誌ジャーナル2008年秋号

 

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2019年06月17日

西欧科学の不整合4 地球系~地球温暖化説の嘘 他

実際、現象世界には、西欧科学では説明できない数多くの不整合が存在する。その例を挙げる。
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【A.地球温暖化説の嘘】

そもそもこの10年間は地球の平均気温は上昇していない、むしろ低下。昨夏から北極の氷床は60%増えている。
化石燃料を最も使った1940年から80年にかけて、平均気温は低下している。CO2濃度との相関関係はない。
気温とCO2濃度の関係では、CO2濃度が上がると気温が上昇するのではなく、気温の上昇によってCO2濃度が上がるという関係が事実。(気温上昇によって海中のCO2が大気に放出されるため。) 因果関係が逆。
CO2温暖化説の根拠は「温室効果」(二酸化炭素が熱の大気圏外放出を防いでいること)だが、温室効果の中心は水蒸気で97%の影響、CO2は3%の影響しかない。しかも大気中のCO2の熱吸収効率は飽和状態でCO2がこれ以上増えても殆ど影響がない。
加えて動物やバクテリアが大気中に放出するCO2は、人間が工業等で放出する量の25倍。人間の放出量は殆ど影響がない。

【B.石油枯渇説の嘘】

石油ショックの時(1973年)、あと30~40年もすれば石油はなくなると大騒ぎになった。これは、「厚い土砂の堆積層に埋没した生物遺骸が、長期間にわたって高温と高圧によって原油になる」という生物由来説(有機成因説)を元にしているが、次のような矛盾点がある。「石油の分布が生物の分布と明らかに異なる(生物化石がない火山由来の岩石の中から原油が見つかっている)」「ヘリウム、ウラン、水銀、ガリウム、ゲルマニウムなど、生物起源では説明できない成分が含まれている」「化石燃料では考えられないほどの超深度(5,000m以上)から原油が見つかっている」「石油の組成が多くの地域でおおむね同一である」

それに対して、最近では、「もともと地球深部に大量に存在する炭化水素が、地殻の断裂を通じて地表に向けて上昇し、油田を形成した」という無機成因説が有力。ロシアは50年前からその説に基づき、次々と新油田を発見している。

【C.地震学(プレート説)の嘘】

プレート説とは、地球は複数のプレートで覆われており、プレートが境界線で下に沈み込むことにより歪みがたまり、プレートが跳ね上がって地震が起こるという説だが、中国内陸での巨大地震など内陸での多数の地震は、プレート説では説明がつかない。

またプレート境界上は地震地帯かつ火山地帯だが、プレート説では火山活動の説明がつかない。また、プレートが沈み込んでいるとされる日本海溝~マリアナ海溝は深さ10kmの断崖絶壁である。もしプレートが沈み込んでいるとすれば、プレート同士が削られてできた岩石の堆積物が海溝につもって海溝はなだらかになって、断崖絶壁にはならないはずである。

また、プレート説は地球内のマントルの対流によってプレートが動くことを前提としているが、1990年にマントルの大半が固まった岩石であることが判明しており、マントルが対流することは有り得ない。

この説の下敷きになったのは大陸移動説だが、これは現在の地図から見たアフリカ西海岸と南アメリカ東海岸の形が重なり合うことからの類推にすぎない。しかし、大陸の形は水没などにより僅か数万年で大きく変わるので、そんなものは全く根拠にならない。

【D.放射性同位元素による年代測定法は当てにならない】

放射能を持つ元素(放射性同位体)が放射性崩壊をして他の元素に変化し、元の原子数の半分になるまでの期間を半減期と呼び、地球史・生物史の年代測定に使われる。半減期による年代測定は、ある試料にもともと含まれている放射性同位体の量(初期値)が一定であるという前提に基づいている。しかし、例えば炭素14の量は、時代によって大気中の濃度が異なり、従ってある試料に含まれる炭素14の量も時代によって異なることが分かっている。

また、放射性崩壊は、放射性同位体ごとに定まる確率(崩壊定数)によってのみ左右され、物理学的・化学的環境(熱・電磁場・化学反応など)には一切依存しないとされている。

しかし、実際、数十年は草も生えないと言われた広島原爆地に翌年草が生えた事例や、チェルノブイリ地域がひまわりによって浄化された事例など、微生物を始めとする何らかの作用が放射性崩壊に影響を及ぼしていることは明らかである。

【E.分子時計による分岐年代決定法も当てにならない】

分子時計法とは、異種間のDNA塩基やアミノ酸の分子の違いに着目し、その分子変異を時計と見なして進化系統上の分岐年代を決める手法である。ミトコンドリアDNA解析やY染色体亜型分析など様々な手法があるが、共通するのは、分子の変異速度が一定であるという仮定が措かれていることである。

ところが、種によって分子変異速度は異なることがいくつも報告されるようになった。例えば、一般哺乳類よりもげっ歯類は速く、サルは遅い。とりわけ、真猿は進化するほど分子変異速度が低下することがわかっている。その結果、分子時計による分岐年代と古生物学的な推定年代とが大幅に食い違っている。ヒトとチンパンジーの分岐年代が400~600万年前という定説も分子時計法によるものだが、2001年にアフリカのチャドで発掘された猿人の化石は700万年前のものとされている。

にもかかわらず、分子時計年代がまかり通っているのが、生物学界の現状である。

 

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2019年06月16日

西欧科学の不整合3 宇宙論・物理学系~ビッグバン理論・相対性理論の矛盾他

 実際、現象世界には、西欧科学では説明できない数多くの不整合が存在する。その例を挙げる。
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【A.ビックバン理論の矛盾】

ビックバン理論は、次のような前提を、疑問なく受け入れなければ成立しない。「大昔、時間と空間は存在していなかった」「ある時、爆発によって時間と空間が忽然と出現した」「爆発の原因は不明である」「宇宙は光速よりも速く膨張していた」「宇宙は均一である」「宇宙には均一でない大構造がある」「宇宙の膨張によって銀河同士の距離は増大するが、銀河内の太陽と地球の距離は変わらない」。
そのおかしさを証明するかのように、観測技術の進歩によって、それまで考えられてきた宇宙の構造を覆す事実が次々と観測されている。「ビッグバンが起こった138億年前よりも古い、145億年前の星(メトセラ星)」「大規模構造(グレートウォール)と呼ばれる、まるで壁のように連なった銀河」「銀河がまったくない、ぽっかりとした空洞(ボイド)」etc。これらの構造は、従来のビッグバン理論ではとても説明できない。

よって、すでに、イギリスの科学誌『ネイチャー』は1989年に、『ワシントン・ポスト』紙は1991年に、ビッグバン論理は死んだという論をはっきり述べている。

なお、ビッグバン理論は、もともとアインシュタインの相対性理論(重力の理論)をもとにして考え出されたものだが、そもそも相対性理論自体がいくつかの矛盾を孕んでいる。

 

【B.相対性理論の矛盾】

アインシュタインの特殊相対性理論は、光の速さを超える存在はないという前提に立つ理論である。それは「光のスピードに近づくと質量が無限大に増大して動かしにくくなるからだ」とする。また、止まっている者から見ても動いている者から見ても、光の速度は同じに見えること(光速度不変)を前提にしている。

ところがそれを前提にすると「長さは縮んでついにゼロになる」「双子の兄弟の片方がロケットで光速に近いスピードで宇宙に飛び出すと、浦島太郎のように片方だけが歳をとる」「ミュー中間子の寿命が延びるのは、高速度運動に近いため」「高速度を超えると、時間の流れは逆転して過去に戻る」「高い山に置いた時計ほど時間が早く進む」となってしまうが、そんなことにならないのは誰が考えても分かる話である。
これは「光の速度を超える存在はない」「光速度不変」という誤った前提のつじつまを合わせるためには、光速に近づくと質量が増え、空間は縮み、時間は遅くなる(特殊相対性理論)、加えて、重力によって時間や空間が歪む(一般相対性理論)と考えるしかなくなるからである。

実際、最新の実験結果で、超光速が自然界の普遍的な現象としてすでに確認され、光速の1.7倍という数値まで出されており、「光の速度を超える存在はない」という相対性理論の前提は崩れている。

 

【C.物理学の基本法則「エネルギー保存則」は成り立たない】

すさまじい速度で運動している地球の大気は、真空の宇宙空間に常時、かつ大量に散逸されている。にもかかわらず地球の総質量は変わっていない。でなければ地球はその重力で月を衛星として繋ぎとめることはできない。また太陽も永年に亙って大量の光・エネルギーを放出し続けている。にもかかわらず、太陽の質量は全く減っていない。なぜなら、太陽の質量が減ったら、その重力で惑星を繋ぎとめることができないからである。

ミクロの世界でも同様に、原子核の周りを回っている電子はエネルギーを消費している。かつ、外からエネルギーは供給されていない。物理学の「エネルギー保存則」によれば、軌道電子の運動は減衰するので、半永久的に回り続けることはできないはずである。このように、宇宙というマクロの世界でも、電子というミクロの世界でも、物理学の「エネルギー保存則」は成り立たないのである。

 

【D.太陽の惑星は全て、太陽から生まれた】

定説では、太陽の惑星は別の天体からやってきたとしているが、この定説は全ての惑星が太陽の自転軸に垂直な平面上を公転している事実と矛盾する。なぜならば、外からやってきた惑星が同一平面上に都合よく並ぶわけがないからである。

それに対して佐野千遥氏は、元々、今の太陽-海王星間の距離を半径とする巨大な太陽が、徐々に半径を縮めて行った際に太陽の表面から剥離して全ての惑星は生成されてきたとする仮説を提起し、太陽から水星の内側に新惑星が誕生するという予言を的中させている。

 

【E.太陽の重力と惑星の遠心力は釣り合わない】

「太陽が引く重力と惑星の回転運動の遠心力が釣り合っているから、惑星は軌道を回っている」と高校・大学では教えられているが、この2つの力だけでは、惑星は軌道上に留まることができない。例えば、惑星が振動して少し外側に振れれば、外へ運ぼうとする遠心力の方が中へ運ぼうとする重力より急速に大きくなり、惑星は外へ向かって加速度的に飛び出してしまう。惑星が振動して少し内側に振れれば、中へ運ぼうとする重力の方が外へ運ぼうとする遠心力より急速に大きくなり、惑星は太陽へ向かって加速度的に落下してしまうからである。

 

【F.山水はどこから湧き出てくる?】

奥山の湧き出る大量の清水は何処からやってくるのか、どうやって作られているのか?山から流れ去った水のうち、雨として山に戻るのはほんの一部分にしか過ぎないが、その理由について、現代科学は全く説明ができていない。ロシア科学アカデミー・スミルノフ学派の佐野千遥氏は、草木が太陽エネルギーと宇宙のエーテルエネルギーを使って水を作り出しており、この余剰水の一部が奥山の湧き水となると結論づけている。

 

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2019年06月13日

西欧科学の不整合2 生命・人体系、医療系➁~「がんは治療すべきではない」が世界の常識 他

実際、西欧科学では説明できない数多くの現象事実や不整合が存在する。その例を挙げる。
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【G.アレルギーを引き起こす原因は食物ではなく、人工物質】

アレルギー疾患は先進諸国に多く、開発途上国には少ない(アフリカや南米にはアレルギーの存在しない地域もある)。

人工物質は、細菌との共生関係を狂わせ免疫機能を阻害する(農薬や抗生物質や排気ガスetcは、細胞膜の修復機能を阻害し細胞を酸化させ、細胞膜のほころびからそれらの人工物質がタンパク質とともに侵入する。)

 

【H.花粉症の原因も、人工物質】

花粉の多い田舎より、花粉の少ない都会の方が、花粉症の人が多いのはなぜか。同様に、田舎から都会に出てきた途端に、花粉症になるのはなぜか。

ネズミに、スギ花粉だけを注射してもアレルギーを引き起こすIgE抗体は産生されず、スギ花粉にディーゼル車の排気ガスの微粒子を混ぜて注射をするとスギ花粉に対するIgE抗体が産生された。このことから、スギ花粉だけでは花粉症は発生しないが、そこにディーゼル車の排気ガス有害化学物質が加わると花粉症が発生する事が分かった。
また、「花粉は有害」と観念で思い込むことが、過剰免疫反応を加速させる。実際に、「花粉は有害ではない、自然の一部である」と認識し、自然と花粉に感謝することで全快した事例が多くある。

 

【I.タバコ発ガン説の嘘。発がんの原因も、人工物質】

タバコは2300年間の歴史をもつのに、近年になって肺がんが増えてきたのはなぜか。喫煙率が下がっているのに、肺がんが増えているのはなぜか。禁煙者の方が肺がん疾患率が高いというデータを近代医学が無視するのはなぜか。

「タバコは肺がんの原因」の根拠となった動物実験は、人間の体格に換算すればおよそ200本分に相当する本数のタバコを毎日ネズミに吸わせるというもの。しかも、それだけ異常な量を吸わせて、肺がんになったネズミは100匹のうち数匹にすぎなかった。(それぐらいのパーセンテージなら、肺ガンはタバコを吸わせなくても発生する。したがってこの実験結果は、むしろ喫煙と肺がんのあいだに因果関係がないことを証明したようなものだという見方もできる。)

学者やマスコミが、より大量に摂取あるいは吸収し、がんやアレルギーの原因となっている人工物質(排気ガスや農薬や食品添加物や放射能や電気製品の電磁波)の危険性を殆ど取り上げず、タバコだけを悪者に仕立て上げるのはなぜか。

 

【J.早期発見できない健康診断】

血圧の正常値の上限は、1987年の180未満から現在の130未満まで、どんどん引き下げられてきた。この基準値引き下げの結果、高血圧と「判定」される患者は170万人から2700万人へと16倍に膨れ上がり、高血圧疾患には年間2兆円も使われるようになった。

また、胸部X線検査は、約100年前に国民病だった結核を診断するため導入された検査だが、現在は結核患者が激減したため、目的を「肺がんの早期発見」に変更した。しかし、がん専門医が指摘しているように、「胸部X線検査で肺がんの早期発見などあり得ない」。

また、20年以上も前に米国や英国の研究で、「健康診断によって死亡率が低下することはない」ことが証明されている。

 

【K.ワクチン(予防接種)に予防効果なし。深刻な副作用あり】

高速でDNA変異するインフルエンザウィルスに対しワクチンは殆んど効果が無い。これはWHOや厚生労働省も認めている事実である。むしろ、ワクチンに含まれる重金属や他の生物のDNA断片などが引き起こす深刻な副作用が多数報告されている。米国では2009年のインフルエンザ流行の際、疾病対策予防センターが強制的にワクチン投与を進めた結果、妊婦の胎児死亡率が24倍にも上昇したことが情報公開法により明らかになっている。子宮頸がんワクチンも、米国の食品医薬品局が「子宮頸がんの原因とは無関係で、全く無意味」と認めたワクチンである。しかし日本では2010年以降、10代の希望者にも対象を広げて投与されるようになった。その結果、歩行障害、記憶障害、激しい頭痛など重篤な副作用が多発し、被害者の会が次々発足している。

 

【L.輸血は受けてはいけない。塩水で充分】

輸血は、がんの増殖を加速する。輸血は、出血を加速する。輸血は、感染症を引き起こす。輸血は、ショック死を引き起こす。

事故で半分の血液が流出した場合も、輸血をしないほうがはるかに生存率は高くなる。無輸血手術に切り替えた医者の多くは、「輸血をしていた当時よりも劇的に生存率や回復率が上がった」「二万件を無輸血で手術したが、死亡例はぜロ」etcと証言している。

「出血多量による死」を防ぐには、「水」と「塩(人工塩は×)」で充分。

 

【M.抗がん剤は造がん剤。「がんは治療すべきではない」が世界の常識】

アメリカで271人の医者に「自分自身ががんになったら抗がん剤を打つか?」と聞くと、270人が「断固ノー」だった。それも当然で、抗がん剤はベトナム戦争で枯葉剤として使われたマスタードガスから生成され、致死量もマスタードガスと変わらない。既に1988年に米議会のがん問題調査委員会では、「抗がん剤は、実は造がん剤」であると結論付けられている。

その後、抗がん剤だけではなく放射線治療も摘出手術も延命効果よりも免疫力低下の害の方が大きいことが明らかとなった。そもそも、がん細胞は常時体内で発生しているものであり、今や「がんはうかつに治療すべきではない」ことが世界の常識となっている。

実際、代替療法に国家を挙げて切り替えた、かつてのがん大国アメリカは、がん患者激減に成功している。

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2019年06月13日

西欧科学の不整合1 生命・人体系、医療系①~人体エネルギーはどこから生じるのか?他

実際、西欧科学では説明できない数多くの現象事実や不整合が存在する。その例を挙げる。
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【A.人体エネルギーはどこから生じるのか】

現代西洋医学は、人体が一日に必要とするエネルギー量を食事から摂取する2300~2500kcalだけと考えているが、人間の体は例えば室温6度の中で体温を36度Cに保つ為だけでも57500~62500kcalが必要。このエネルギーはどこで生み出されているのか、現代科学は説明できない。また、世界には不食で生きている人が3000人はいるとNASAが確認しているが、これも現代科学は全く説明できない。

 

【B.栄養学(カロリー計算)の非科学性】

現代の栄養学では、〔食物を燃やして発生した熱量-排泄物を燃やして発生した熱量〕でカロリーを算出しているが、この計算式には何の科学的根拠もない。なぜなら、食物は人体内部で燃焼する訳ではないからである。例えば、牛は草だけを食べているが、牛は草の主成分であるセルロースを消化も吸収もできないので、摂取カロリーはゼロである。にもかかわらず、500kgを超す巨体に成長する。実は、腸内細菌が、栄養分を作り出している。

 

【C.細胞分裂説では説明がつかないことばかり】

胎児・幼児時代から、脳や肝臓、筋肉等の細胞は細胞分裂なしに増加しているが、生物学や近代医学はその理由について何も語れず、いまもって沈黙が守られたまま。また、人体では1日に約2000億個もの赤血球が減っているが、これは肝臓や脾臓で破壊されているのだろうという漠然とした推測で終わっている。

赤血球は、白血球や肝細胞、脂質、生殖細胞などありとあらゆる細胞に転換し、また、逆にそれらの細胞から赤血球へと戻ったりといった、千変万化の働きをしている。

また、毛細管の先端は閉鎖型になっているというのが既成学説だが、組織を観察すれば、毛細管の先端が諸所で開放型になっており、流出した赤血球を組織中に無数に見ることができる。組織をさらに注意深く検索すれば、赤血球から次段階への移行型中間像が存在することも容易に見ることができる(健康なときには正常体細胞への移行中間像、病的環境にあるときにはガン細胞等の病的細胞への移行中間像)。

 

【D.骨髄造血説の根拠となった不自然な実験】

血液は骨髄で作られるという骨髄造血説。そこから、白血病などの「血液のガン」に対して骨髄移植が唯一の手段とされている。ところがその根拠は、「10日前後食物を与えなかった動物の骨髄を開くと血が存在する」という極めて不自然な実験である。

実は、健康な動物の骨髄には脂肪細胞しか見つからない。あるいは、骨のない動物や、まだ骨のできてない卵の中にも血液が存在するなど矛盾する事実が一杯ある。

また、人体では1日に約2000億個もの赤血球が減っている(同時に生成されている)が、その理由も現代医学は説明できないでいる。

 

【E.生命体の原基ソマチッド】

生物学最大の謎である、生命誕生のメカニズム。近代の生物学では全く解明できないその「生命の起源」を解明する手がかりとなるのが、生命体の原基といわれる「ソマチッド」の発見である。

ソマチッドとは、血液中に存在する微小生命体のこと。DNAより遥かに微細な物で、強酸・強塩基によっても死なない、酷く温度を下げても上げても死なない、真空にしようが巨大な気圧を掛けても死なない、何億年も生き続ける等、「物理的生命体」と名付ける事ができる特性を持っている。

ソマチッドは、水素(電子)をエネルギー源として活動し、細菌やウイルスとは別の生命体とされているが、DNAの前駆物質でもある。

ソマチッドは、免疫機構が弱まったり不安定になったりしたときに、正常な形態(3段階)から異常領域の形態(13ステップ)へと次々と変化していく(消えてしまうこともある)。ソマチッドの形態と疾患との間には明らかに関連性があり、ソマチッドの形を見ればその人にどんな疾患があるのかも分かる。ソマチッドを検査することによってがんやリウマチなどの疾患判定ができるようになり、かつソマチッドの形を観ることで、がんなどの変性疾患の発生を18ヶ月前に予知・予測することができる。

この「ソマチッド」の発見は、生物学のみならず、医学・物理学などあらゆる科学を根底から塗り替えることになる。

 

【F.遺伝子と数字のトリック】

ある遺伝子の作り出す蛋白質は、他の多数の遺伝子群が作り出した他の蛋白質群と、極めて多様な連鎖化学反応を行っている。むしろ、Aという蛋白質がBという蛋白質としか(それ以外には)反応せず、かつその反応がA→Bで止まってしまう(それ以降は一切反応しない)ケースは、極めてマレにしか存在しない。
例えば、患者に欠損している特定の遺伝子を組み込む遺伝子治療で、予想外の副作用を起こす場合もそうで、細胞が正常に作動するには、ある遺伝子が活性化すると同時にそれを抑制する遺伝子が働く必要があり、その抑制する遺伝子を活性化させる別の遺伝子が働かなくてはならない。

従って、例えば、サルと人類の遺伝子が2%しか違わないからといって、サルと人類が98%同じであるとは言えないし、同様に、男と女の遺伝子が1%しか違わないからといって、男も女も99%は同じであるという根拠には全くならない。

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2019年06月11日

★明治時代初期:なぜ、学校一揆や学校焼き討ちが起こったのか?

前回、明治時代に出来た家族制度を庶民がどのように受け入れていったかを紹介しましたがリンク、変わったのはそれだけではなく、強制教育としての義務教育”が導入され、学びの場は寺子屋から学校へと変わりました。
今回は新しい教育制度を庶民はどのように感じ受け止めたのかを紹介します。
リンクより

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明治の初め、国家の教育制度に対して、「学校一揆」や「学校焼き討ち」が起こった。なぜ、庶民はここまでの強硬な行動に出たのだろうか?庶民にとって学校教育とはどんなものだったのだろうか?

1)学校教育は、村落共同体の農民自治に反するものだった
江戸時代の村落共同体は、農民自治が基本。教育も村ごとに主体的におこなっていた。子供たちは村の「子供組」「若者組」「娘組」などに所属し村の規範を学んだし、寺子屋の師匠も村が雇っていた。

それが、明治時代になって、村の事情にはお構いなく、国から学校教育を押し付けられた。

2)学校教育は実用にならなかった
「今は青年学校に男女とも入るが、特に教へる人がないから今の若者は草履も草鞋もつくれず、着物一枚ぬへないと言つてゐる。今の学校は実用にならぬ、理屈のみ教へるとは、現代教育に対する古老感である。」

これは、昭和・敗戦前後の民俗学者・山口彌一郎の言葉だが、この時代以上に、明治の始めころは、「学校の教育内容」と「村で必要とされたもの」が、かけ離れたものだったに違いない。

その「実用にならない学校」に無理やり通わされ、しかも、授業料までも徴収された。

3)学校教育は村落共同体を破壊しかねないものだった
明治生まれの民俗学者・柳田國男は、若者を教育する方法を「平凡教育」と「非凡教育」の二つに大別し、「平凡教育」の必要性を説いている。

「非凡教育」は書物を読むことを特色し、現実的には学校教育を指している。「非凡」であること、つまり他より優れていることを求める教育であるから周りの者はみな競争相手。西洋個人主義に基づく教育で、結果的に順位や序列を生む。

これに対して「平凡教育」とは、古くから日本の社会で綿々と引き継がれてきた教育法。周りの人々と同じように秩序を乱さず一人前に生活できる能力の養成を目指す。そこで一番嫌われるのは手前勝手、横着、自分さえよければいいという態度、人に迷惑を与えて顧みないという行為。年長者を見習い、土地の慣習、先例に従う日常の生活を通して行われる教育。

このように「非凡教育」(学校教育)は、伝統的な「平凡教育」とは相容れないものであり、共認原理で統合される村落共同体を破壊しかねないものだった。

◆以上のように、当時の庶民にとって学校教育は、現実の役に立たないどころか、村落共同体を破壊しかねないものだった。その学校教育を押し付ける国家に対する反発が、「学校一揆」や「学校焼き討ち」だったのではないだろうか。

しかし、次第に工業化・近代化、市場拡大や都市化が進み、また西洋近代思想が浸透していく中で、庶民にも「学校教育が役に立つ」ことが認識されはじめる。そして、これまでの「村落共同体の共認充足」と「私権拡大の可能性」が天秤にかけられ、ついに「私権拡大の可能性」⇒「学校教育の必要」へと意識は転換していくことになる。

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2019年06月06日

西欧科学の成立年表補2 1560~1670年後期魔女狩りは金貸し支配国家の布石

宗教改革が始まると同時に前期魔女狩りが沈静化するが、その半世紀後の1560~1670年に今度はプロテスタントがより苛烈な魔女狩りを仕掛けることになる。後期魔女狩りである。
『化学史研究』「魔女狩りと近代ヨーロッパ」(鈴木晃仁)の要約。
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魔女狩りは近代初頭に特徴的な現象であり、魔女狩りのピークはフランス絶対主義、オランダ・イギリスの市民革命、ガリレオ・デカルトらの科学革命の時代と重なる。「中世の魔女狩り」という言葉は甚だしい時代錯誤である。
そして、イギリスでは議会制と政党政治が確立した時期に、魔女狩りは終焉した。
実際に、魔女を告発し法廷に連れてきたのはほとんどの場合民衆(魔女と顔見知りの村の隣人)であったが、魔女観念を作り上げ魔女狩りを扇動したのは、悪魔の存在を信じるエリート階級であった。
しかし、裁き手と同じ大学出のエリートである魔術師が悪魔との契約の罪状で裁かれたことはほとんどなかった。
魔女狩りの犠牲になったのは圧倒的多数が下層の人間。その80%が女性。かつ、その大半が老婆や未亡人・非婚女性である。

後期魔女狩りを主導したのはカトリックよりもプロテスタントであるが、彼らが立脚する旧約・新約聖書には、魔女の実在と厳しい処罰の主張に有利な記述を数多く含んでいる。彼らは、悪魔や魔女の実在を疑う者は聖書に書かれていることを疑う無神論者であると論陣を張った。

当時すでにエリザベス救貧法が徐々に施行されており、貧困は個人の責任であり、慈善は国家が正当なシステムに沿って正しい貧民にのみ行うことであり、個人が無差別に施しを与えることはむしろ貧民の怠惰を助長する悪習であるとの観念が広まりつつあった。
しかし、一方で施しを拒むことはキリスト教徒としての慈善の義務と共同体の相互に助け合う義務を履行しなかったことになる。施しを拒んだ相手を魔女だと告発し本当の悪人は彼女だと自分に言い聞かせることで、その罪の意識を拭い去ろうとする。
このように魔女の告発は古い共同体と慈善の理念にそむいた罪の意識を他人に転嫁するという機能を担っていた。
貧富の差が大きくなりつつあり、貧困と慈善に関する古い共同体的な理念が新しい個人主義的なものに変わりつつある「移行期」の社会において,魔女告発は心理的な代償の役割を果たした。
魔女の告発は、絶対主義国家のイデオロギーが村の日常生活のレヴェルヘと浸透していた時代に、風向きを敏感に察知して時流に乗り遅れまいとする行為であった。近代初頭のフランスは、絶対主義と反宗教改革の聖俗の両権力が中世には「閉じられていた」農村に浸透し、個々の農村を中央に対して「開かれた」ものにすること、つまり民衆がそれぞれ属している共同体に特有な文化的規範ではなく、普遍的に妥当する単一の観念や法制度に従うように仕向けた時代であった。

この規範化にとって重要なのは、民衆が各々の独自のルールでなく国家によって与えられる法を用いて行動すること、民衆同士の間で問題が起きたときに彼らの間でそれを解決するのではなく、その問題を法廷に訴えることである。魔女の告発者たちはこの新しい規範された問題解決法を採用した。
家畜が奇妙な死に方をした時に、個人的な復讐や保護用逆魔術の使用によってその問題に対処するのではなく、誰それが魔女術をかけたと法廷に訴え出ることが絶対主義のイデオロギーが要求した文化的な慣習であった。
民衆文化の改革が進み、フランスの農村が「開かれた」ものになっていく時期に魔女告発が起きたのは、一部の富裕な農民たちが新しい文化的規範を採用したからである。即ち、16世紀末から17世紀前半の魔女告発の増加は、フランスの権力がもくろんだ制度化と近代化が成功したことを語っている。
ミュシャンブレやクラークのモデルは、民衆からの魔女告発がエリートが持っていた悪魔学とは独立に行われつつも、絶対主義や宗教改革・反宗教改革などのエリートのイデオロギ-の産物であるという議論を立て、近代初頭のヨーロッパ社会がエリートの新しい価値観を受け入れていくプロセスの中に魔女狩りを定位している。
個人や個々の共同体が独自に解釈し維持する秩序の観念から国家が均―に与える法に基づいた秩序の観念へと移行した時代に、新しいエリートの文化を受容した民衆たちは魔女を告発しはじめる。

魔女狩りの衰退
17世紀後半から18世紀初頭にかけて、始まった時と同じよぅにヨーロッパ各国でほぼ足並みをそろえて魔女狩りは衰退し終焉する。この衰退を引き起こしたのは主としてエリートの側であるという点に関しては歴史家たちは合意している。
18世紀以来魔女狩りは機械論哲学や近代科学のおかげで消滅した、という意見は繰り返し表明されてきたが、その証拠はきわめて乏しい。
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以上のように、1560~1680年の後期魔女狩りによって国民一人一人を国家が直接管理する近代国家体制が確立された。実際、中央集権の絶対主義国家を確立した英エリザベスⅠ世や次のジェームズⅠ世は魔女狩り強化令を発布しており、フランスの絶対主義下でも魔女狩りの嵐が吹き荒れた。
ところが、17世紀後半、中央集権の絶対主義国家⇒民主革命(私有権の不可侵と議会制度)と中央銀行制度が確立すると同時に、つまり、近代国家体制が完成すると同時魔女狩りは終焉した。
つまり、後期魔女狩りは、金貸し支配国家の布石であったのではないだろうか。

また、この当時のエリート科学者たちが魔術師であったのも注目点。
上記論稿ではエリート魔術師が魔女狩りで裁かれていないと書かれているが、実際は、ガリレオは異端審問で有罪になっており、ケプラーの母親は魔女の嫌疑をかけられ逮捕されている。魔術師たちも脅されていたことを暗示している。

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