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2021年11月05日

哺乳類の集団構造・知能発達の中間まとめ

写真はこちらからお借りしました

これまで哺乳類からサル、類人猿を追求し、これから人類史の99%を占める極限時代の人類へと追求を進める前に、いったんここで中間整理します。

そもそも何で哺乳類に遡って追求しているのか。それはこれからの人類の集団のあり方を考えたとき、もっとも確かな答えは生物の適応の歴史にあるからです。子育てを最初の開始した生物、それは哺乳類。原始哺乳類の現モグラ、そこからサル、類人猿を経由して人類へ。この進化の過程でどのように集団が形成され進化してきたのか。

その目的、本質を明らかにすることで、生命原理に則った集団の在り方も見えてくるはずです。

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2021年11月03日

『心地よさ』の感度が上がると知能が発達するのはなぜか

(図はこちらからお借りしました)

 

『心地よさ』の肌感覚を発達させると、なぜ知能が発達するのか。

それを解明する前提として「脳が発達するとはどういうことか」を簡単に押さえておきたいと思います。

 

一般的には、脳は、情報を集約して判断し指令するために作られたと言われています。
ただしその本質は、判断を多様に柔軟に組み替えられるところにあります。
コンピューターのように大量の情報を決められた通りに「処理」するだけではなく、状況に応じて(場合によっては極めて低い可能性に賭けて)、どの情報をどれだけどう取り入れどこに繋ぐかを「思考」できるのが、脳が脳たる所以です。
とりわけ、大脳新皮質の形成以降は、その役割がより顕著になってきます。

 

従って、脳が発達するとは、組み替えがより多様に柔軟にできるようになることだと言うことができますが、その組み替えの起点となってくるのが、探索回路です。

探索回路とは、文字通り、対象の正体が分からないときや、判断材料が足りないとき、あるいはそれに対応する行動が見つからないときに、それらを探索しようと作動する回路のこと。

 

そして実は、この「探索回路」と、「皮膚感覚の発達」が、密接に関わってくるのです!!

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2021年10月28日

オランウータンの肌感覚の変容

サルの同一視・共感機能が知能進化につながったことを、前回(リンク)扱いました。オラウータンの性は親和充足を高め合う性であることを、以前(リンク)に扱いました。

 

今回は、サル時代に獲得した同一視の機能が、どのようにオランウータンの親和充足を高める性にまで至るのかを考えてみます。

 

おさらいになりますが、類人猿のなかでもオランウータンの性はヒトに類似しています。チンパンジーやゴリラの交尾時間は数秒~数分と短く、他の哺乳類同様に後背位です。オランウータンだけが25~40分と長い交尾時間であり、正常位です。メスはヒト同様に1ヵ月に1度排卵し、発情期を示す変化はありません。詳しくはこちらを参照ください。

 

まずは写真をごらんください。

 

・雨を嫌がるオラウータン。寝床に雨除けをつくることもあります。

写真はこちらからお借りしました

 

・寝床はフカフカ、毎日ベッドをつくります。

写真はこちらからお借りしました

 

・毛は長いのですが、実は毛がうすいのです。手はもうヒトです。

写真はこちらからお借りしました

 

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2021年10月27日

サル集団と知能進化の関係は?~個体識別から関係識別への大きく変化した~

これまでの記事で、サル以来の知能進化の基盤に”同一視”があったことを扱ってきました。前回記事ではそれをさらに掘り下げ、同一視が知能進化にどうつながったのかを扱いました。

哺乳類時代に得た、皮膚感覚による整合本能(なんだか気持ち悪い、不快だ)を発達させ、相手を同一視できない不全状態においても、充足を求め探索回路が働くようになったということがポイントでしたね。

今回の記事では、サル集団が同一視を基盤にどのように集団化をしていったのかを扱いたいと思います。

 

哺乳類は繁殖期にメスが発情し、そこにオスが集まることで集団化をしていきました。一方、サル集団は繁殖期に関わらず集団をつくっています。性闘争を繰り返していれば、集団はちりぢりになってしまうような気もしますが、サルはどのように集団を形成しているのでしょうか。

サル集団:画像はこちらからお借りしました

 

一点、おさえておく必要があるのは、共認が形成される過程の構造です。

人もサルも、状況を共認し、課題を共認し、役割を共認し、評価を共認することで、同類闘争の課題を乗り越えていきます。

以前の記事で、哺乳類が状況に応じて陣形や戦術を組替え、経験によって塗り重ねていることを扱いましたが、哺乳類が行っている役割分担よりも、共認機能を獲得したことにより、サルの集団形成はもう一段高度になっていると考えられます。

 

あらためて、サル集団に着目すると、集団内では様々な評価があるということが分かります。

No.1、No.2、No.3という序列は力の強さだけでなく、例えばボスザルとしての評価は、メスたちからの評価も関わってきます評価軸は多様になっていき、しかも、その評価は、日々激しく変動しています。

また、哺乳類のように自分対相手の関係把握だけでなく、No.1とNo.2の関係は、No.2とNo.3の関係は、メスとの関係は、というように、自分以外のサル同士の関係も集団の評価につながっていきます。

つまり、哺乳類からサルへの進化に伴い、評価の対象が広がることで、個体識別は関係識別に進化していると言えます。

これらの関係識別が、サルの知能を著しく進化させたと考えられます。

 

それでは、サルからオラウータンにつながっていく過程では、知能はどうなっていったのでしょうか。オラウータンになるとサル時代よりも外圧が下がり、もう少し異なった要因で知能進化をしていったと考えられます。次回は、オランウータンの性充足と知能進化の関係を明らかにしていきたいと思います。

 

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2021年10月22日

仲間との共感機能が知能進化に繋がった仕組みとは

これまでの記事で、「スキンシップによる親和機能を基盤に知能進化させた哺乳類の構造(なぜスキンシップをすると知能が発達するのか)」、更に、「哺乳類からサルへの知能進化(サル以来の知能進化の基盤は ”同一視”)」について扱ってきました。

サル以来の知能進化では、空腹に苛まれ辺境で怯え続けた弱オスたちが、封鎖してきた追従・集団本能を解除することで性闘争本能を抑制。相手の気持ちを掴む(同一視する)ことで、集団を組んで同類闘争するという、高度な知能進化を実現させてきたことがポイントでしたね。

今回は、この「同一視」する機能そのものが、どのように知能進化に繋がっているのか。ここを掘り下げてみたいと思います。

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2021年10月21日

サル以来の知能進化の基盤は ”同一視”

感電した仲間を助けるサルたち

(写真はこちらからお借りしました)

哺乳類からサルになる段階で、さらに飛躍的に知能が進化します。オランウータンや集団をつくるサルを見ていると、他者を助けたり、協力しあったりします。なんでそんなことができるかというと、他者の気持ちがわかる かるからです。言葉のないサルにとっては、相手の微細な表情や行動を探索し、見極める必要があります。それが知能進化を促したと考えられます。その基盤には「同一視」ができるというサル以来の認識機能があると考えられます。それはどのようにしてできるようになったのでしょうか。

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2021年10月14日

なぜスキンシップをすると知能が発達するのか

(写真はこちらからお借りしました)

 

オランウータンの知能は、一般的には人間の4~5歳児くらいと言われています。

よく挙げられる例としては、道具を作ったり使ったりする能力です。傘を使うとか、ハンモックを作るとか、最近ではスマホでお絵描きをするなどもあります。

さらに、道具系だけでなく、オランウータンの特徴として、相手の状況を理解してそれに協力する言動が取れるという面があります。
例えば、川に入った人に手を差し伸べて助けようとしてくれたり、動物園で引っ越しをすることになった際に率先して輸送箱に入って「大丈夫だよ!」と他のオランウータンに伝えてくれたりするのだとか。

そんなオランウータン、『授乳期間の延長で知能が発達』したと以前の記事でも取り上げましたが、加えて『オランウータンの性は、親和充足を高めあう性に変容』したことにより、さらに知能が発達したのではないかと考えられます。

では、そもそもなぜ親和機能が高まると知能が発達するのか?
今日はその構造に迫ってみたいと思います!

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2021年10月12日

ヒトは乱交(繁殖戦略)により生殖器を進化させた

今回は婚姻史につながるかまだ未明ですが、ヒトの生殖器の進化について追求してみたいと思います。まずは、類人猿のオスの1回あたりの精子数や睾丸の大きさを比較してみました。

 

 

 

チンパンジーは複雄複雌の集団形態で乱婚(乱交)。精子形成が活発。発情したメスは複数のオスと交尾を重ねるため、精子競争が働き、他のオスより多くの精子を作れるように他の類人猿に比べて極端に睾丸が大きくなっています。またヒト同様、睾丸を外に露出させることで熱を放散させ強い精子を作れるようになっています。

ゴリラは、単雄複雌の集団形態で配偶者が決まっている。1ないし数頭のメスとの交尾は、メスが発情したときしかないため、精子形成は活発ではない。睾丸には、①精子形成、②アンドロゲン生産、③性的アピールがあるが、ゴリラは、躯体を大きくするアンドロゲン分泌に特化しています。

オランウータンは、単独行動が基本であり交尾回数は少ない。特徴的なのはヒト、チンパンジー、ゴリラより先体が大きく明瞭。先体は生体反応に必要な酵素を含んでいるなど、受精の過程で大きな役割をもつ。これは精子の受精効率が高いことを示すとされています。精子形成はヒトにもっとも近い。

 

上記を見ると、性的体格差が大きいゴリラ、オランウータンは、強いボスがメスと交尾するため、精子競争をさせる必要性が少ないことが分かります。一方で性的体格差が小さいチンパンジーは、乱婚でメスの生殖器のなかで他のオスの精子との受精をめぐる争いに勝つ必要性から、多量の精子を生産するように適応しています。

では、ヒトはどうなのでしょうか?

精子の数はチンパンジーの半分以下だが、ゴリラやオラウータンの4~5倍。睾丸の大きさは、体重比でオランウータンと同じ。ヒトはどのような繁殖戦略をとってきたのか、考えていきたいと思います。

 

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2021年10月08日

オランウータンの性は、親和充足を高めあう性に変容

画像はこちらからお借りしました

前々回の記事では、オランウータンの授乳期間が約8年と類人猿最長。何故こんなに長くなったのか。そして前回の記事では、テナガザルからオランウータンへと何故大型化したのか、を記事にしました。

 

この追求から見えたのは、オランウータンはエサが少なく少子化戦略をとらざるを得なかったこと。授乳期間を延長して子づくり頻度を落とし、一頭の子どもを大事に育てる戦略です。その結果、母子間のスキンシップ=親和が増大しました。また、エサ不足故に他の動物は食べない樹皮を食べられるよう大型化し、その結果、オランウータンは外敵に襲われる頻度が大きく減ったと考えられます。

 

外敵圧力が弱まり、かつ母子間の親和が増大したことで、哺乳類に顕著にみられる性闘争本能は、かなり抑制されているように見えます。現にオス同士の性闘争は、実際に闘うことなくフランジの有無によって決着。フランジとは、上の写真にあるような頬のヒダで、群れの中で最強と意識したオスに現れる。二次性徴で大型化を促しオス同士も体格差が生じ、これにより哺乳類に見られる激しい性闘争は抑制されています。また、アンフランジオス(フランジの無い弱オス)もメスと性行為していることからも、より強者(適者)を残す性闘争本能の意味合いは後退しています。

 

 

そしてその事が、オスとメスの性関係にも大きな変化を促しています。今回はその事を記事にします。

 

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2021年10月07日

食性の変化で大型化していったオランウータン

前回の記事(授乳期間の延長で知能が発達)では、テナガザルの一種がオナガザルに追いやられた樹冠で生き延びていくため、授乳期間を延長することによって個体数を減らし、縄張り闘争の圧力を緩和するとともに知能も発達させたことを扱いました。

今回はこの知能発達とともに、テナガザルがどのようにして80㎏もあるオラウータンへと大型化できたのか、その謎に迫りたいと思います。

 

まずテナガザルの食性は、66%が果物、24%は葉、9%は昆虫、残り1%は花と言われています。

但し、生息域でもある東南アジアの熱帯雨林では、数年に一度、多くの種が一斉に果実が結実します。一斉結実の翌年以降は数年後まで結実しないため、果物がある年に食いだめする、もしくは葉や昆虫を中心に食べる必要が出てきます。

 

ここで現在のオランウータンの食性も比較して見てみますと、果実が61%、葉が22%、そして樹皮が12%、その他花や昆虫等を食べています。ここで注目したいのが樹皮も食べているということですが、恐らく樹液や小さな昆虫を摂取するために樹皮を齧っていくうちに食べられるようになっていったのでしょうか。

オランウータンの食性(画像はコチラからお借りしました)

樹皮を食べるオランウータン(画像はコチラからお借りしました)

 

樹皮を食べるようになったテナガは、より硬い繊維を分解できるようになるために大型化していったと考えられます。

(一般的に、草食動物の中で大型の種が多い理由は、肉と比べて草から摂取できる栄養素(タンパク質やアミノ酸類など)の量が少ないため、大量に草を食べ、硬い細胞壁を長い時間をかけて分解する必要性から、消化器系の内臓の体積を拡張⇒体全体の大型化に繋がっています。)

 

また、オランウータンは5~8年程で乳歯から永久歯に生え変わり、それまでは母乳も飲むことが分かっています。そして永久歯に生え変わった後には親離れし、独立した生活をします。この頃には樹皮も食べられるでしょうから、食性の変化も授乳期間の延長(⇒知能発達)に繋がっているのではないでしょうか。

 

こうして徐々に大型進化していったテナガ=オランウータンは、樹高10~30m程の生息域の中で外敵からの圧力も減り、樹皮も食べられる豊かな採食環境の中で更に大型化を進めていったと考えられます。

オランウータンの生息域(画像はコチラからお借りしました)

 

授乳期間の延長による知能発達、そして大型化するにつれ、どのような社会性、オスメスの性充足となる親和基盤を獲得していったのか、人類の雌雄関係のヒントを探ってみたいと思います。

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