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2021年12月10日

外敵圧力から逃れ、洞窟に隠れ棲んだ原始人類

(フィリピン・ルソン島北部にあるカラオ洞窟。画像はコチラから借りました)

足の指が先祖返りし、樹上生活ができなくなったサル=人類の祖先。

樹上生活ができなくなったカタワのサルにとっての外圧は、食料確保の難しさや外敵からの影響もあると思いますが、その中でも1番の外圧は、やはり地上に棲む外敵(大型肉食獣)からどう身を守るかということでしょう。

サルが手に入れた第4の世界(樹上世界)は、外敵がいないという最高の防衛力と、果実・木の実等の栄養価が高い食べ物が豊富な高い生産力がありました。その世界から身を投げ出されるわけですから、長年面していなかった相当な外圧だったに違いありません。

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2021年12月10日

人類のサルとの違いは、木に登れなくなったこと

(画像はこちらからお借りしました。)

人類の婚姻史を解明するうえで、初期人類はどんな状況で、男女関係はどのようであったかを解明することが重要です。それは、現在の男女関係の土台を成していると考えられるから。たとえば、人類の男女の性は、他の動物とは大きく違う。セックスは季節を選ばないし、行為の時間も長い。それは子孫を残すという意味を越えている。本能を超えるような性の起源は、おそらく先史時代に遡るはずです。

これを解明するには、原始時代に人類はどのように生きていたのかを解明する必要があります。前回、人類の特長を挙げ、感覚的に成立過程を並べてみました。今回は、「★第一段階~一体充足で生き抜く~」の出発点となる「足の指の先祖返り」について検証します。

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2021年12月03日

極限時代の人類の歩みはどうなってる?(直観編)

 

過去5回の記事では、類人猿から人類に進化して、どのような違いが出てきたのか。人類が獲得してきた新機能とは何なのかを記事にしてきました。これからは、それら新機能が、何時ごろ、何のために、どのようにして獲得してきたのかを追求していきます。

人類と類人猿の違い~身体的特徴編~

人類と類人猿の違い~技術獲得編~

人類と類人猿の違い ~言語獲得編~

人類と類人猿の違い~充足行為編~

人類と類人猿の違い ~集団形態編~

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2021年12月02日

人類と類人猿の違い ~集団形態編~

人類と類人猿の違い。最後は「集団形態編」です。

(画像はこちらからお借りしました)

 

①雄雌残留の単一集団

足の指が先祖返りして、肉体的にはどんな動物にも敵わないほどの弱者になってしまった初期人類。

他の動物がほとんど寄り付かないような洞窟の奥深くに住み、まともに外の世界を歩くこともままならない状態では、他の動物のように性成熟したら集団を出てゆくことは出来ません。
しかも、奇跡的に生き延びている状態ですから、周りに同類がいるとは考えにくいのです。

従って、初期人類の集団形態は、必然的に「雄雌残留の単一集団」になるしかなかったと思われます。

これによって、集団や仲間に対する意識、とりわけ性意識や性関係をがどう変わっていったのかは、婚姻史ブログとしては特に重要な論点です。

 

②共同で子育て

ヒトの赤ちゃんは、非常に未熟な状態で生まれ、性成熟して一人前になるまでの期間も長くなっています(12~15年)。

また、乳児期も含めて、生物では珍しく「共同で子育て」を行うようになりました。
(人類が共同で子育てを行う種であることは、共同養育を促すために出産後に母親のエストロゲンを急減させるようにしたという説もあります。)

なぜ共同で行う必要があるのか、共同で行わざるを得なかった理由があるのか、あらゆる側面から検証してゆく予定です。

 

③複層社会の形成

極限時代は、ある意味、生命原理に反するともいえる「雄雌残集の単一集団」であった人類ですが、弓矢の発明以降、人口が増えるにつれ、これまた他の生物では見られない「複層社会」を形成します。

複層社会を形成するためには、高度な知能が必要になると思われますが、いずれにせよ、これ以降、集団形態が一気に多様化すると同時に、集団統合の難度が一気に上昇します。

古今東西、世界には様々な集団が存在しますが、どんな状況や軸で集団形態が決まってくるのか、そしてその集団をどうやって統合しているのか。
本源集団を再生するためには、ここはぜひ押さえておきたいポイントです。

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どれもこれも気になることばかり。

来週からはその追求に入って、仮説をこのブログでもアップしていきますのでお楽しみに!

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2021年11月23日

人類と類人猿の違い~充足行為編~

人類の進化を追求する前提としての「人類と類人猿の違い」。

身体的特徴編】【技術獲得編】【言語獲得編】に引き続き、今回は【充足行為編】です。

①感情と表情の豊かさ

喜怒哀楽に代表される「感情」が豊かで微細になり、またそれを示す「表情」も複雑で多彩になります。

ヒトの感情と表情の発達は脳科学の最大のテーマとも言われていますが、例えば、「笑い」といった基本的な情動ひとつとっても、その発達の理由はほとんど解明されていないのが実態です。

 

②性の快感度の上昇

繁殖以外の目的で性行為を行います。
さらに、性行為によって得られる快感度は、他の生物とは桁違いです。
それゆえかどうか、性行為にかける時間も長く、挿入や射精を伴わない(場合によっては接触さえ行わない)性充足の方法も多彩です。

性器の構造や胸の大きさを変えたり、年中発情するようになったりと、身体的な進化とも関係していますが、極限状態の中、なぜヒトはこれほどにまで「性」に可能性収束したのか。
そこが追求の最大の焦点となってくると思われます。

 

③踊り等によるトランス状態

どんな民族にも見られ、あらゆる文化の出発点でもあると言われる「踊り」。

人間らしさの原点とも言える行為だそうですが、一体感を高めるため、個を主張するため、祈りのため、歩行訓練のため等、様々な説があります。

それにしても、なぜ「トランス状態」になるまで行うのか。
性の快感と同様、非常に気になる点ですね。

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単なる生存欲求を超えて、快適さや便利さ、快美や快楽を求める心。
これこそが、文化や文明を発展させた原動力だと言えます。

従って、人類の進化を解明するうえでは、「なぜ人類にとってこれほどまでに心の充足が重要だったのか」がカギになってくるのではないでしょうか。

 

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2021年11月22日

人類と類人猿の違い ~言語獲得編~

今回は、言語の獲得について整理してみたいと思います。

動物は鳴き声で危機を知らせたり、威嚇したり、発情を知らせたりしています。

動物の鳴き声と、人類が獲得した言語は何が違うのでしょうか。

 

■どこからが言語なのか?

画像はこちらからお借りしました

危険やエサの情報を知らせるには、動物と同じように鳴き声で充分でしょう。オランウータンのようにキス摩擦音による子音の組み合わせによる発音など高度なケースも見られますが、基本的には感情の表出や外からの刺激に対する反応がほとんどです。

 

一方、人類は刺激に対して声がでるのはもちろんありますが、発声をコントロールして言語を産出します。これは複雑さ以外の本質的な違いです。つまり、本能や五感で捉えられる対象を超えた内容を伝えているのが言語なのです。

 

ちなみに、類人猿を含む霊長類は訓練を重ねても任意の合図に応じて声をだすことはできません。類人猿をヒトの子どもを同じように発話を引き出す訓練(実験)はすべて失敗に終わっています。

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2021年11月19日

人類と類人猿の違い~技術獲得編~

前回の記事では、人類進化の身体的特徴について扱いました。

今回は、人類の進化(とりわけ知能進化)と、道具を使えるようになった過程について、学説とされている内容を整理します。

 

まず、初期人類から、新人までの進化と道具の発生は、次のようになっています。

■アウストラロピテクス・アファレンシス(390~300万年前)

脳の大きさは小さく、道具の使用まではしていなかった。

■ホモ・ハビリスの登場(220万年~150万年前)

250年前にエチオピアの遺跡で、自然石の一部をうち割って作った石器(礫石器)の使用跡が見つかっている。

画像はこちらからお借りしました

■ホモ・エレクトスの登場(180万年~5万年前)

・石材のまわりを全面的に打ち掻いて、手で握ることの出来る形に整形したハンドアックス(握斧)を使用。

最古の火の使用跡として、150万年前の、焼けた骨、高温に熱せられた石がアフリカで見つかった。80万年前のイスラエルの遺跡では、火炉の痕跡として、焼けた種(オリーブ、大麦、ブドウ)、木、火打ち石が発見された。

・30万年前には、木槍や、石を削って工作した鋭利な石器(剥片石器)を使用。

■ホモ・サピエンス(20万年前~)

日常的な火の使用、壁画で抽象模様、装飾を行うようになる。

・5万年前から、洞窟壁画の使用

・4万年前から、針や糸による衣服の発明

・2万年前から弓矢の使用

・1万年前から農耕・牧畜を開始

 

次に、道具を使う能力の獲得と知能進化の関係について、一般的な学説を紹介します。

 

脳の肥大化は、類人猿(350~400cc)→アウストラロピテクス(450cc)→ホモ・ハビルス(650cc)、→ホモ・エレクトス初期(750cc)→後期(1200cc、)→ホモ・サピエンス(1350cc)

と変化していきました。

画像はこちらからお借りしました

画像はこちらからお借りしました

これを見ると、何段階かで脳が大きくなっていますが、理由として以下が挙げられています。

 

2足歩行により、重量がある頭を背骨で支えることが可能になり、脳を大きくできるようになった。

火の使用により、肉食を始めたことで、草食に比べて腸を短くすることができた。長い腸で消化するために使うエネルギーを脳に使えるようになり、それが脳の肥大を可能にした。

火の痕跡年代と照らし合わせて、ホモ・エレクトスたちが、火を使うことで脳を大きくしたと考えられている。

肉を食べるためには、石器で狩りを行う必要があり、より複雑な石器をつくるために脳は肥大化していった。

それ以外では、水辺に暮らして魚を食べるようになったことが、脳の成長に必要だった栄養(DHA)を得ることにつながり、脳が大きくなった、という説もあるようです。

*  *  *

火の使用は、たしかに脳の進化と大きく関係していそうですが、肉食になり、消化エネルギーを脳にまわすことができたというのは、追求ポイントになりそうです。消化を行っているのは腸内細菌であり、その中で人間に必要な消化エネルギーというのはそれほど大きなものなのでしょうか。

あるいは、なんらかの別の要因(オスメスの性関係や集団化、言葉の獲得等)があり、脳の肥大化はその結果として起こった可能性も考えられます。

次回は、観念(言葉)の発生と人類進化について、扱いたいと思います。

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2021年11月18日

人類と類人猿の違い~身体的特徴編~

これまでの記事で、哺乳類・原猿・類人猿(オランウータン)の集団構造・知能発達について扱ってきました。

 

これからは、いよいよヒト(人類)の進化の歴史構造に迫っていきます!

(画像はコチラからお借りしました)

人類の歴史は約700万年前、足の指が先祖返りして樹上に住めなくなった猿人が最初だと考えられています。(諸説あり)

外敵ばかりの地上で生き延びる為に洞窟に隠れ棲み、極限の飢えの苦しみの中でどのようにして生き延び進化してきたのか。

まずは、人類が人類たる所以はどこにあるのか、類人猿との違いから探っていきたいと思います。

 

違いを大きく、①身体的な変化、②技術の獲得(道具の使用・作成)、③言語機能の獲得、④充足行為の発達、⑤集団形態の高度化の5つに分け、それぞれについてこの先の記事で紹介していきます。

 

今回はまず①の身体的な特徴の違いについて扱っていきます。

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2021年11月12日

オランウータンのまとめ ~その特徴はどのように形成されたのか

(写真はこちらからお借りしました)

オランウータンは、歯や骨格からするとチンパンジーよりも人類の祖先に近いと言われています。なにより、チンパンジーより弱い人類が、チンパンジーよりも大きいというのが不自然です。オランウータンが人類の祖先であるなら、その特長の中に、人類が人類になった基盤があるはずです。それが見つかれば、人類を人類たらしめている根源的な特性が明らかになります。本ブログとしては、その中でもオスメスの関係につながる特徴について解明してきました。

前回原猿のオスメスが集団化したところまでをまとめました。

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2021年11月11日

原猿の集団構造の中間まとめ

哺乳類の中間まとめに続き、サル世界の中間まとめです。

ネズミキツネザル(原猿)

現モグラが樹上に逃避し、新たな生存域を獲得したのが原猿以降のサル世界。初期の原猿は現モグラが樹上に逃避したところから始まります。足の指が手の指と同じように木の枝を掴めるように変化したことで、樹上生活が可能になりました。この頃はまだ現モグラ同様に昆虫が主食故で果実や種子も食べますがさほど大型化していません。樹上は土中よりも昆虫不足なので、少子化戦略を取らざるを得ませんでした。(産児数は現モグラ3~7匹に対し、初期原猿は1匹)

 

しかし、原猿のなかでもスローロリスやエリマレムール、インドリなど、後期原猿類は大型化していきます。これらの原猿は、腸内細菌の獲得等により食性が葉っぱや木の実、樹皮を食べられるようになったことが大型化した理由と考えられます。そして、大型化することで天敵である猛禽類(exフクロウ)の脅威も無くなり、樹上には外敵がほぼいなくなります。かつ、葉っぱや木の実を食べられるようになったことで食料が豊富になり、その結果大いに繁殖して、樹上はサル同士がひしめき合う世界になります。

それによって、サルの主要な外圧は、外敵ではなく同じ猿同士が縄張りを争いあう同類圧力が恒常的な圧力となります。

 

これまでの生物界には無い同類圧力に晒された原猿たちがどのようになっていったのでしょうか。

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