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2009年12月25日

日本語の成り立ち6~国内形成論・『日本祖語→弥生語』の仮定~

日本語の成り立ちシリーズではこれまで、以下の説を紹介してきました。
★二重層説1;村山七郎著『日本語の誕生』1979年
南方語の上に北方語が積み重なってできた
★二重層説2;川本崇雄著『南から来た日本語』1978年
北方語の上に南方語が積み重なってできた
★多重層説;安本美典+本多正久著『日本語の誕生』1978年
古極東アジア語から古日本語が派生し、その上にクメール語や江南語などが塗重なった
今回は年代を遡って、1957年に東大名誉教授 服部四郎氏が著した『日本語の系統』から「国内形成論」とでも呼ぶべき説を紹介したいと思います。
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服部氏は、日本語と似ていると言われる周辺18の言語との概略比較を行ったのち、以下のように述べています。

日本語は5,6千年以上前に朝鮮語と分れ、永く日本(及び南朝鮮)に話されたが、そのうちの北九州に話される1方言が、紀元前数百年前頃から同地方に渡来した勝れた外来文化たる弥生式文化の大きい影響の下に、日本祖語へと発達した。

 ◆琉球語と日本語の共通の祖先=日本祖語として、弥生時代に北九州で話されていた『弥生語』を仮定
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さらに続けて、

その際、その外来文化の担い手である異民族も渡来したが、数において日本民族に劣っていたために、上層を形成するにとどまり、日本語の言語的核心部にはそれほど大きい影響を与えなかった。勿論、この場合にも、日本語の祖先を話す民族が5,6千年も前に南朝鮮から日本へ渡来した時に、日本には既に原住民がいて、その言語が日本語の底層となった蓋然性はある。

◆それ以前の『縄文語』が、先の弥生語の底層にある可能性を示唆
服部氏も、言語の親族関係を云々する前に、分裂的変遷と統一的変遷【分化と統合】の両面から見ていく必要性を説いています(その上で、親族関係にありそうな琉球語と日本語、朝鮮語と日本語の分裂年代を推計するのに、アメリカの言語学者Morris Swadeshの発案した「言語年代学」を用いています)。
そういう観点からも先回記事の>西洋が分化する言語であるのに対し、日本語は日本を器として塗り重なって進化する言語である<という見解は、両者の史的成立構造の違いを端的に示しているように思います。
言語もこういう視点で見ていくと、また日本人の可能性基盤が見えてきて面白いです 😀
次回からはシリーズも後半『縄文語の発見』楽しみですね

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