前回は縄文がなぜ「月」と「蛇」を信仰したのかを考察しました。今回は、いまの日本にどのように受け繋がれているのかを見ていきたいと思います。
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■現代に受け継がれている月と蛇
【十五夜の月】お団子を三角形に盛り、ススキを飾りながら愛でる習慣は、月の水(身ごもりの水=精液)を呼び込むためのもの
【竹取物語(かぐや姫)】平安時代に書かれた日本最古の仮名物語。月と女と神性とが結びついた物語。この当時の月のイメージがよく分かります
【伊達政宗の辞世】「曇りなき心の月を先だてて 浮世の闇を照らしてぞ行く」ほか、和歌や文学でも月の心情的な描写が多い
【神奈備山や三輪山のご神体】山の形は蛇がとぐろを巻いた姿をイメージしている
【神社のしめ縄】蛇の交尾姿そのものであり、夫婦和合、子孫繁栄の象徴
【相撲の土俵】もともとは神事です。昭和6年までは、俵の円を二重にする「蛇の目土俵」でした。古来より日本人にとって、二重の円は蛇の目を表しているのです。
【蛇の目茶碗】底部に二重の円が描かれている利き酒用の茶碗
【蛇の目傘】上端を中心に同心円状の模様を施した日本独特の傘
月は日本人に古くから愛でており、和歌に詠まれ、かぐや姫の故郷とされ、伊達政宗の兜も有名です。ロシアでは月は見ないそうです。アジアの一部の地域にも月を愛でる国はあるようですが、日本は顕著です。
また、蛇の付く日本語は50くらいありますが、英訳してsnakeという単語がでてくるものはありません。これほどまで蛇が身近なのは日本だけのようです。キリスト教では蛇は人間に原罪をもたらした邪悪な権化として見なされています。