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2022年10月27日

人類の追求の原動力は何か?③~縄文人の同期と一体化と観念追求~

前回の記事では、人類の一体化と観念機能の関係から、追求力の源はなにか?を扱いました。子どものもっているような一体化の欠乏が、観念の進化に大きく関わっていることが見えてきましたね。

今回の記事では、明らかになってきた人類の観念追求の構造と、縄文人を結びつけながら、彼らの追求力の中身を捉えていきたいと思います。

前回のおさらいですが、人類の観念追求は、不整合や一体化が起点となっており、大きく3つの段階があることが見えてきました。

 

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2022年10月22日

人類の追求の原動力は何か?②~人類はどのように本質に迫っていっているのか~

前回は、人類の追求の原動力である「同期と一体化と観念機能」について扱いました。今回は、人類はどのように本質に迫っていっているのかを扱っていきたいと思います。

 

下の図は、前回も示した、同期と一体化と観念機能の図解です。前回の記事では、図解の一番下にあるように、本質の抽出や構造化がうまくいかないとき、なぜ交信に戻るのか、という点を重要になりそうなポイントとして挙げました。

この問いを深める上で参考になるのが、こどもの発達過程です。こどもがどのように外の世界を把握できるようになるかを見ていくと、大きくは3つの段階がありそうです。

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2022年10月20日

人類の追求の原動力は何か?①~同期と一体化と観念機能~

ここ数回の記事では、衣食住の事例を通じて縄文人の追求力をみてきました。あらためて見ると、現代人に勝る追求力に驚かせられます。今回の記事では、縄文人の追求力の神髄を深めるためにも、あらためて、人類の追求力の本質は何なのかを捉えていきたいと思います。

人類は、本能、共認と機能を塗り重ね、その最先端にある機能として観念(物事の本質を見出し、原理や構造から捉える力)を獲得しました。観念は、言語や知能が単独で進化したものに思いがちですが、実際はそうではなく、もっと根源的に単細胞の時代から塗り重ねてきた同期機能や一体化機能が大きく関係しています。

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2022年10月16日

縄文人が生み出した道具・技術~食編②「調理法から捉えることができる自然現象の再現、応用や組み合わせ」~

火を使えるようになる前、洞窟に隠れ住んでいた時。前の記事で「食べ物を食べるための工夫はあっても、調理はしていなかった」と記しましたが、食べ物の保存もしていなかったと思われます。厳密には、策を施さなくとも保存できていた、そもそも保存していなかった可能性が高い。

洞窟の中は、湿度は非常に高いものの、気温は低く、食べ物の状態は悪くなりにくいです。洞窟の温度は地域差があり、南西諸島では20-22℃、九州以北では10-16℃、東北以北では10℃未満程度だそうなのですが、冷蔵庫は温度10℃程度、湿度60%程度なので、洞窟は冷蔵庫の中のような場所と言えます。
そして、そもそも、わずかな量の食べ物を分け合って生き延びていた状態で、先々のことを考えて長期的に保存していたとは考えにくい。

(保存が目的かどうかは別にして)乾燥や発酵などの方法が編み出されたのは地上で生活するようになってからだと考えられます。

では、具体的な調理方法から迫っていきます。

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2022年10月15日

縄文人が生み出した道具・技術~食編①「現代における主な調理保存法、縄文時代にはすでに出揃っていた」~

これまで縄文人の自然観や世界観を探究し、縄文人が生み出した住居や編組からは、縄文人が発揮した追求力を感じてきましたが、「食」という点でも、高い追求力を感じることができます。

縄文時代、現代における基本調理法である、焼く、和える(組み合わせる)、茹でる、煮る、蒸すは行われていたし、乾燥、燻煙、塩漬け、発酵、冷蔵など保存・保管に有効な方法も存在しました。つまりは、現代における主な調理・保存方法は、すでに縄文時代に出揃っていたと言えるのです。

では、具体的な調理方法から迫っていきます。

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2022年10月08日

縄文人が生み出した道具・技術~編む・資材管理~

前回は縄文人が生み出した道具や技術について、住居編を記事にしました。

今回は「編む」に関する道具・技術を深めていきたいと思います。

 

〇編組

編組(へんそ)製品とは、「編む」と「組む」技術によって作られた製品のことで、衣服や敷物、籠やザルなど多くの道具があります。縄文人はこの技術を使って、編み目の間隔を狭くすればザル、広くすればフルイになるように、技法や素材の間隔そして材料を少しずつ変えて、多彩な道具を生み出しました。

今知られている多種類の編み方のほとんどが縄文時代に成立していたようです

 

 

画像はこちらからお借りしました

【衣服】縄文時代の衣服といえば腰にミノを巻いたような格好や毛皮のイメージがあるかもしれませんが、麻の繊維で編んで作られた編布(アンギン)も着用されています。編布は編み目が粗いため、高温多湿の風土では毛皮とは別の通気性のある衣服が必要だったことが考えられます。

 

【籠・ザル】野草の縄や細かく裂いた竹を編んだ籠が発見されています。籠の編み方も種類が多い。ヒロロ細工、マタタビ細工、山ブドウ細工の多様な種類の編み方があります。ヒロロ細工は細かい網み目とレース編みに似た仕上がりで抱え籠に適している。マタタビ細工は水切りと手触りの良さから炊事用具に、山ブドウ細工は強靭な素材であるため丈夫な籠類に使う。

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2022年10月07日

縄文人が生み出した道具・技術~住居編~

前回までの記事で縄文人の世界観について考察してきました。

今回は縄文人が生み出した数多くの「道具」や「技術」について深めていきたいと思います。

 

〇竪穴式住居

画像はこちらからお借りしました

竪穴式住居とは、深さ数10cm~1m、直径 5~20㎡の円形の穴を掘り、円錐形の屋根を作った家です。高さは2~3mのものから10mを越えるものもあったようです。一般の人々は平安時代の半ばまで竪穴式住居に住んでいたようです(東北地方の人々は室町時代まで)。

 

住居の構造は、柱の頂部を梁(はり)でつなぎ、放射状に垂木をかけ樹皮で覆い、その上に土葺きや茅葺きの屋根をかけるだけ。

茅葺屋根の民家と同じように、茅を何層にも重ねて厚くすることで雨漏りしにくくしたり、かまどで火を焚くことによってヤニ(タール)をつけて防水効果を高めていたと考えられます。また屋根や壁が地面に接する場所は盛土をすることで、雨水が家に流れ込むことを防いでいます。

柱を立て、真っ先に屋根をつくるという工程は、現代でも一般的に作られている木造軸組工法と基本的に変わっていません。

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2022年09月23日

現代に受け継がれる縄文人の世界観

前回は縄文がなぜ「月」と「蛇」を信仰したのかを考察しました。今回は、いまの日本にどのように受け繋がれているのかを見ていきたいと思います。

画像はこちらからお借りしました

■現代に受け継がれている月と蛇

【十五夜の月】お団子を三角形に盛り、ススキを飾りながら愛でる習慣は、月の水(身ごもりの水=精液)を呼び込むためのもの

【竹取物語(かぐや姫)】平安時代に書かれた日本最古の仮名物語。月と女と神性とが結びついた物語。この当時の月のイメージがよく分かります

【伊達政宗の辞世】「曇りなき心の月を先だてて 浮世の闇を照らしてぞ行く」ほか、和歌や文学でも月の心情的な描写が多い

【神奈備山や三輪山のご神体】山の形は蛇がとぐろを巻いた姿をイメージしている

【神社のしめ縄】蛇の交尾姿そのものであり、夫婦和合、子孫繁栄の象徴

【相撲の土俵】もともとは神事です。昭和6年までは、俵の円を二重にする「蛇の目土俵」でした。古来より日本人にとって、二重の円は蛇の目を表しているのです。

【蛇の目茶碗】底部に二重の円が描かれている利き酒用の茶碗

【蛇の目傘】上端を中心に同心円状の模様を施した日本独特の傘

 

月は日本人に古くから愛でており、和歌に詠まれ、かぐや姫の故郷とされ、伊達政宗の兜も有名です。ロシアでは月は見ないそうです。アジアの一部の地域にも月を愛でる国はあるようですが、日本は顕著です。

また、蛇の付く日本語は50くらいありますが、英訳してsnakeという単語がでてくるものはありません。これほどまで蛇が身近なのは日本だけのようです。キリスト教では蛇は人間に原罪をもたらした邪悪な権化として見なされています。

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2022年09月22日

縄文人の世界観 ~再生と甦りを象徴した蛇

前回は縄文人がなぜ「月」を信仰したのかを考察しました。

今回は「蛇」を深堀りしていきたいと思います。

 

■「蛇」へのこだわりとその理由

 

月は、その運行周期の同一性から女性と同格に位置づけられ、子宮あるいは女性器になぞらえられました。そして、人間だけでなく、いきるもののすべてが月の水によって生かされるのであり、その水を月からもたらすのが蛇だと考えられました。そして蛇は、形などから男根になぞらえられたのです。月(子宮)と蛇(男根)は「死なないもの=再生」の象徴の中核に置かれ、それにまつわるさまざまな事象とも関連づけられています。一つの体系をなしているのです。 「月と蛇と縄文人」大島直行著より

 

なぜ「蛇」にこだわるのか。それは蛇が脱皮と冬眠を繰り返し、死なない存在と考えられているからです。キリスト教では蛇は邪悪なものとされていますが、縄文文化のように多神教で、しかも農耕社会に移行せず、長く狩猟採集により生活を維持した人々においては、蛇は死なないものの代表として、いろいろなものにシンボライズされていることを知る必要があります。

画像はこちらからお借りしました

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2022年09月21日

縄文人の世界観 ~再生と甦りを象徴した月

大島直行著の「月と蛇と縄文人」を読みました。非常に面白いですね。

これまで本ブログにおいて縄文の世界観の本質は「再生と循環」であると考察しました。縄文人が見ていた景色、何を考えていたのか、何を願っていたのか、その辺りを写真を交えて深堀りしてみたいと思います。

 

月は、その運行周期の同一性から女性と同格に位置づけられ、子宮あるいは女性器になぞらえられました。そして、人間だけでなく、いきるもののすべてが月の水によって生かされるのであり、その水を月からもたらすのが蛇だと考えられました。そして蛇は、形などから男根になぞらえられたのです。月(子宮)と蛇(男根)は「死なないもの=再生」の象徴の中核に置かれ、それにまつわるさまざまな事象とも関連づけられています。一つの体系をなしているのです。 「月と蛇と縄文人」大島直行著より

 

■「月」を信仰した理由

画像はこちらからお借りしました

宗教学者ミルチャ・エリアーデは世界中の神話研究から「月の闇と光は死と再生を意味している」ことを読み解きました。その解釈をもとに、ドイツの日本学者ネリー・ナウマンは縄文を読み解くうえで「月」がきわめて重要であることに気づきました。大島直行はその考えを基盤に縄文人の世界観の読み解きに挑んでいます。

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