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2011年01月10日

ローマ時代のキリスト教発生~国教化

ヨーロッパの一対婚の始まりと、キリスト教の性否定観念
をテーマにヨーロッパの歴史を婚姻制の視点から5回扱ってきました。
1.西洋人(白人)はいつからどの様にして『一対婚』に転換していったのか
2.古代ヨーロッパ:ギリシャに農耕伝達~クレタ文明滅亡→ミケーネ文明
3.古代ヨーロッパ:ミケーネ文明→海の民→古代リリシア停滞期(暗黒時代)へ
4.気候変動による民族移動→女原理から男原理へ→略奪から観念収束→欺瞞観念による都市国家→滅亡へ
5.ローマ時代の女性はどのようになってしまったか。
前回の「ローマ時代の女性はどのようになってしまったか」では
>ローマに人類史上最も冨が集中することにより、性的自由が全開となると、性の掠奪闘争は、女が挑発をしておいて与えるかどうかは完全に女の自由となります。
⇒その結果として、女は身勝手でわがままな悪魔のような女に成ってしまいます。
堕落を極めた享楽のローマ時代は、世界一の「悪魔おんな」を発生させた時代と言えるでしょう。
つまり、ローマに富が集中→堕落文化 →不倫文化⇒【不倫・乱婚制】に成ってしまいます。<
という結論でした。
今回はこんな女はいやだと言う腐敗・堕落を食い止める勢力として発生し、最後はローマの国教にもなった「キリスト教」について扱います。
ローマのなかで、キリスト教の初期の禁止、弾圧から宗教として認知、国教へと拡がっていく過程を性や婚姻の観点で見て行きたいと思います。
応援よろしくお願いします。

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イエスキリストの像
画像は此方からお借りしました。

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2011年01月07日

原始時代の社会期待(7)~海洋民族の闘争回避【クラ儀礼】

それでも同類圧力が最先端の課題であり、共認原理で結ばれている以上、相当のエネルギーが費やされたでしょうし、それなりの評価共認圧力が各集団間で働いていたと考えられます。だからこそ、生活必需品ではなく希少価値の高い物(道具の材料となる黒曜石や、装飾品の材料となるヒスイやコハクなど)が贈物として選ばれ、膨大なエネルギーを費やしてまでも遥か遠方まで贈物が運ばれたのでしょう。集団間の「評価」といっても、決して集団間の競争的な意識ではなかった思います。事実、贈物に対して決して見返りを求めることはなかったようです。あくまでも相手の期待に応えるという「応合意識」が根幹にあったのだと思います。採取時代の適応原理

   
前回は、その具体例のひとつとして、縄文時代の黒曜石・ヒスイの広域に渡る存在を紹介しました。今回は、引き続き、トロブリアント諸島で行われていた【クラ儀礼】を紹介したいと思います。
「クラ交易」にみる贈与 るいネットより
【クラ=装飾品の贈与】

クラは、ニューギニアのマッシムと呼ばれる地域の島々間で行われる贈与であり、ルイジアード島、ウッドラーク島、トロブリアンド諸島、ダントルカストー島等を含む。

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写真と補足はこちらからお借りしました

《補足》メラネシアは太平洋南西部の世界第二の大きな島ニューギニア島を中心に、ニューアイルランド、ニューブリテン、ブーゲンビル、ソロモン諸島、ニューヘブリディーズ諸島、ニューカレドニア島、フィジー諸島などのとても多くの島々から成り立っています。メラネシア人は皮膚が暗褐色で髪は縮れ、パプア語とオーストロネシア語系のメラネシア語を話します。メラネシアの社会は小さく分散されており、人々はイモの栽培や漁業などによって生活を営んでいます。祖先や自然の精霊を信仰すると共に、豊富な想像力を持ち、芸術的な表現力に富んでいます。

年間を通じ温暖・湿潤な気候に恵まれ、魚介類が豊富という環境は、一見楽園のように思えます。
しかし、この自然外圧▼は、集団の共認統合力を著しく低下させてしまうという極めて重大な問題をはらんでいます。加えて、この島々は、農業に適した土地が少なく、人口△→集団規模の拡大は、島内の農地や磯場・漁場をめぐる争いを誘発する要因となります。
①外圧▼による集団の共認統合をどうするか?
②集団間の同類闘争をどう止揚するか?
この難課題を解決するために、彼らが着目したのが、「全ての共認は、評価共認に収束し統合される」という人類集団の集団原理だったのではないでしょうか。集団内・集団間を「評価共認」で統合するという形態が【クラ儀礼】だったのかもしれません。
それでは、その【クラ儀礼】の詳細を見ていきたいと思います。

贈与されるものは、二種類の装飾品であり、一つはムワリとよばれる貝の腕輪、もうひとつはソウラヴァ(あるいはバギ)とよばれる赤い貝の円盤形の首飾りである。ムワリは常に反時計回りに、ソウラヴァは時計回りに交易圏のなかを動く。

この装飾品にはまったく実用性がなく、他のいかなる品物とも交換することはできないので貨幣としての機能もない。ただ、それぞれの装飾品には、それをかつて所有した人々についての伝承が「物語」として付随している。これを長期間自分の手元にとどめておくことは許されず、次の交換相手へと手渡さねばならない。
クラ交易に参加できるのは男性だけで、参加資格を得るのは大きな名誉であり、「有名な」装飾品を手にしたものは、いっそう高い威信を手にする。クラに参加したものは装飾品のやりとりをする相手として「クラ仲間」を有しており、「堅い契りの義兄弟」関係として生涯にわたって持続する。
クラ交易そのものは経済的交易ではない。
だが、クラの機会に、島々の特産品の交換が行われ、情報やゴシップがやりとりされ、同盟関係の確認も行われ、クラが必要とする遠洋航海のために造船技術、操船技術、海洋や気象にかんする知識、さらには儀礼の作法、政治的交渉のためのストラテジーなどを参加者たちは習得することを義務づけられる。

                                             内田樹の研究室より

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2011年01月06日

長江中流域の彭頭山・大渓・屈家嶺・石家河文化

宮本一夫著『中国の歴史01 神話から歴史へ』を基に、新石器時代の中国について、集落と墓葬から集団規模や集団単位・婚姻制をシリーズで探っています。
黄河流域に続き、前回は長江下流域の遺跡文化を扱いました。今回は、同じく長江の中流域を扱いたいと思います。
長江中流域は稲作農耕開始の核心地域である可能性があり、注目に値します。
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2011年01月04日

現在、世界の婚姻形態は、どう成っているのでしょう?Vol.7 ~イスラーム・アラブ編~

 過去の世界の婚姻様式シリーズでは、欧米諸国について調べてきましたが、今回はイスラーム(主にイスラーム・アラブ)の婚姻様式について調べてみます。
イスラーム・アラブの婚姻で、皆さんの頭に浮かぶイメージは、一夫多妻制度ではないでしょうか。 🙄
その他には、女性はベールをかぶって人前で肌を露出させないことや男女隔離男尊女卑で女性の地位は低く見られている。等々
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男尊女卑や女性の地位については、本ブログの「イスラムの女性観~女性は母である~
で紹介されていますが、学校教育やメディアを通じて植え付けられたイメージとは違って、女性をすごく尊重する社会であるように思われます。
では婚姻様式や結婚、離婚等はどのようになっているのか書いていきます。
その前にいつものように ポチ ポチっと応援の方をお願いします。

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2011年01月03日

夜這い婚 ~日本人の集団性を育んだ婚姻制度~

みなさん、あけましておめでとうございます:D
元旦から3日連続でお送りしている特別テーマ「日本」
最終日の今日は、かつて日本の農村共同体で行われていた「夜這い婚」の特集です。なぜ「夜這い婚」を取り上げるのか?それは、日本人の集団性を考える上で「夜這い婚」が非常に重要になると考えられるからです。
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画像はこちらからお借りしました。遊あいらんど
気になる中身に入る前に、まずはいつもの応援一押しよろしくお願いします。

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2011年01月02日

遺伝子学から見た、人類拡散の多様性

崎谷氏の「DNAでたどる日本人10万年の旅」を紹介した投稿をここで紹介します。
るいネット:【遺伝子学から見た人類拡散の多様性~崎谷氏の著書より】
遺伝子の研究によりアフリカから、幾つかの人類が世界中に拡散していく様が、リアルに再現されて生きます。日本人のルーツの南方説VS.北方説もこれで決着が付くかもしれません。
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2011年01月01日

日本人の本源性・共同体体質

あけましておめでとうございます
今年も本ブログをよろしくお願いいたします。
元旦から3日連続で「特別テーマ 日本」と題して特集を組んでいきます。
まず本日は「日本人の本源性・共同体体質」です。
ご一読いただければ幸いです。
最初に応援のクリックをお願いします。
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2010年12月31日

長江下流域の馬家浜・崧沢・良渚文化

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長江下流域は海浜部に当たるため、新石器時代早期・前期(7000年前まで)の遺跡は、ヒプシサーマルの海進で水没ないし地形環境が変化し明確でない。
そこで中期~後期(7000年前~4000年前)を見ます。(参考:宮本一夫『中国の歴史01神話から歴史へ』)
(写真は良渚文化期の玉璧。こちらからお借りしました。)
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2010年12月30日

原始時代の社会期待(6)~縄文時代に広域に広がった黒曜石や翡翠は何を意味するのか?~

 みなさん、こんにちは。今日はシリーズ「 原始時代の社会期待」第6回をお送りします。
前回は、採取時代に自然圧力が低下し、換わって、同類圧力が高まる中で、贈与や交差総偶婚といった共生適応原理が発動した状況を整理しました。
今回は、日本の縄文時代に見られる、黒曜石や翡翠の広域にわたる分布が何を意味するのかについて考えてみたいと思います。

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2010年12月29日

ローマ時代の女性は、どのようになってしまったのか?

ヨーロッパの一対婚の始まりと、キリスト教の性否定観念
をテーマにヨーロッパの歴史を婚姻制の視点から4回扱ってきました。
西洋人(白人)はいつからどの様にして『一対婚』に転換していったのか
古代ヨーロッパ:ギリシャに農耕伝達~クレタ文明滅亡→ミケーネ文明
古代ヨーロッパ:ミケーネ文明→海の民→古代リリシア停滞期(暗黒時代)へ
気候変動による民族移動→女原理から男原理へ→略奪から観念収束→欺瞞観念による都市国家→滅亡へ
これまでの結果、古代ヨーロッパの婚姻制を俯瞰してみると、次のようになります。
①ミノア文化=母系文化で、平和的繁栄【群婚?】
②ミケーネ文化=掠奪民族に侵略されて父系文化になる。【掠奪婚】
③ギリシャ=掠奪がシステム化され奴隷活用の都市国家。【掠奪婚 ⇒ 一夫一婦・妾制】
(※女=世継ぎの子供を生む道具)
つまり、『一対婚』はいつからどの様にして?の回答は、
掠奪部族の侵略により、戦勝品の分配がルール化される。戦勝品の一つが『女』であり、『掠奪婚』となる。
そして、支配者層は地位・身分の継承、つまり世継ぎの課題として女に自分の子供(息子)を産ませる必要性が高まります。よって女には不倫のタブーが課される。が、男は正妻以外の女を持っても良いと言う男の都合の良い婚姻制度です。これがこの時代の掠奪婚から変化した【一夫一婦制】です。
多くの書籍では、これをもって【一夫一婦制】の始まりと言っているのですが、そういえるのでしょうか?
掠奪してきた女性の中から、他の男に種付けをされないように一人の正妻(跡継ぎを産ませる為に、他の男に触らせない女性)を決めて、囲っているだけと思るからです。、掠奪婚(女性は戦勝品)から、女性は私権闘争の獲得品(私有婚)と変わっただけで、実態はあまり変わっていないように見えます。よって、ギリシャでの婚姻制度は、【一夫一婦・妾制】と呼びたいと思います。
男も女も相手は一人という純粋な【一夫一婦制】は、キリスト教の誕生を待たないとなりません。

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